
TEAC f-200VA シンクロボーイ
¥54,800(1978年頃)
解説
従来のテープデッキの機能に加えて新たな機構を搭載することで幅広い活用が可能なカセットデッキ。
f-200VAではサイマルシンク録音やブレンドマイク、クロスフィードなどの機能を新たに搭載しています。
サイマルシンク録音では最初に左チャンネルに録音します。そして、一度巻き戻してからサイマルシンクボタンを押して録音動作にすると、左チャンネルは再生状態となり、右チャンネルのみが録音状態となります。これによりヘッドホンで左チャンネルをモニターしながら右チャンネルへの録音が行えます。この場合、左チャンネルのメーターは消灯し、サイマルシンク録音を表示します。この機能ではラインとマイクのミキシングと異なり、左チャンネルの音が消えません。
例えばギター二重奏などを1人で録音する場合などに使用できます。
クロスフィードは音に適度な広がりを持たせることができます。
サイマルシンク録音した音はそのままでは左右が別々に再生されます。クロスフィードでは左右の音を適度にクロスさせて中央に寄せることでそれを改善することができ、自然な感じのステレオとなって再生されます。
ブレンドマイク機能ではセンターにミキシング録音が可能です。
まず、InputセレクトボタンをLineにし、マイクを左チャンネルに差込みます。そして、レコードなどのライン入力をヘッドホンでモニターして録音しながら同時にブレンドマイクからの音をセンターに録音できます。
また、ステレオ再生時にブレンドマイクを使用すればセンター定位でミキシングできます。
メモリースイッチを搭載しています。
あらかじめ曲の頭でカウンターを000にセットしてメモリースイッチを押しておけば、巻き戻し時に999で自動的にストップします。
グリーンのVUメーターを採用することで録音レベルがより鮮明に確認できます。
ヘッドには高硬度パーマロイヘッドを採用しています。
駆動モーターにはFGサーボDCモーターを採用しています。
このモーターでは内蔵の周波数発電機(FG)によって電源の電圧や周波数変動からおこるモーターの回転変化を抑えています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーシステムを搭載しています。
バイアス/イコライザー2段切換機構を搭載しており、テープの特性に合わせた録音・再生が可能です。
タイマー機構を搭載しており、別売りのオーディオタイマーを組み合わせることでタイマー録音・再生が可能です。
また、f-200VAでは遅延回路を装備しており、電源が入って数秒後にメカが安定状態になってからスタートするようになっています。
ライン/マイク入力切換スイッチを搭載しています。
このスイッチによってライン入力をマイクアンプを通さずに直接録音アンプに送ることができ、マイクアンプ通過時の歪やノイズを除去し、ライン入力のダイナミックレンジを改善しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
トラック形式 | 4トラック・2チャンネル・ステレオ方式 |
ヘッド | 高硬度パーマロイヘッド |
使用テープ | C-30~C-90 |
テープ速度 | 4.8cm/s |
モーター | FGサーボDCモーター |
ワウ・フラッター | 0.07%(Wrms) |
早巻時間 | 90秒以内(C-60テープ) |
周波数特性 | 30Hz~16kHz(クロームテープ) |
総合SN比 | 55dB(3%歪レベル、聴感補正) Dolby録再時改善量:5dB(1kHz)、10dB(5kHz以上) |
入力感度/インピーダンス | マイク:0.25mV/-72dB/600Ω以上適合 ライン:60mV/50kΩ |
出力レベル/インピーダンス | ライン:0.3V/50kΩ以上 ヘッドホン:8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 13W |
外形寸法 | 幅414x高さ154x奥行295mm |
重量 | 7.0kg |