
Esoteric/TEAC DV-50s
¥550,000(2004年2月発売)
解説
DV-50の改良型のユニバーサルプレイヤー。
オーディオ回路
通常の6チャンネルD/Aコンバーターとは別に完全に分離された2チャンネルのアナログ出力を搭載しており、CDなどのステレオソースのより高音質な再生が可能です。
D/Aコンバーターにはダイナミック特性とクロックジッターに強いアドバンスドセグメント方式の24bitD/Aコンバーターを採用しています。さらにL/R±差動動作させる4DAC構成とする事でより正確なD/A変換を可能としています。
DV-50sではデジタルフィルター切換機能を搭載しており、第2世代RDOTアルゴリズムとハイサンプリング対応FIRデジタルフィルター、もしくはその両方を選択する事ができます。これによりデジタル・オーディオデータを最大1536kHz(DVD-Audio/Video)、1411.2kHz(CD)までアップコンバートして再生する事が可能です。アップコンバート周波数はインジケーターで確認出来ます。
RDOT(Refined Digital Output Technology)は、筑波大学先端学際領域研究センターの寅市教授の産官学研究から産まれたもので、フルエンシー理論による類推補完技術によってCDフォーマットから20kHz以上の周波数の音を補完するものです。
SACD再生時はDSDモードでの再生となります。
SACD再生時はDSDオーディオ信号をオーディオPCB上で生成したマスタークロックによってリクロック処理し、機器内の伝送ジッターを取り除いた後にアナログFIRフィルターへと入力してアナログ信号に変換しています。
高精度VCXO(電圧制御水晶発振器)を使用しており、オーディオPCB上で高精度なマスタークロックを生成する事で機器内のデータ伝送ジッターの音質への影響を低減しています。
D/AコンバーターICからの電流出力を、ナショナルセミコンダクター社製の超高スルーレートオペアンプを用いてI/V変換する事で精度の高いオーディオ出力を得ています。
オーディオ差動信号の合成とアクティブローパスフィルターにはアナログデバイス社製のオペアンプを使用しています。
ガラスエポキシ4層基板を使用しており、グランド及び電源の層をそれぞれ専用に設け、グランド、電源の低インピーダンス化をすることで安定した回路動作と音質を実現しています。
ドルビーデジタルやDTSのデコーダーを搭載しており、デコードしたアナログ信号を出力できます。
また、6チャンネルマルチソフトを再生する場合、フロントのL/Rを高品位2チャンネル端子(RCA、XLR)から出力し、残りの4チャンネルを6チャンネル端子から取る事でより一層の高音質化が可能です。
光と同軸のデジタル出力端子を装備しています。
ビデオOFF機能を搭載しています。
DVD-AudioやSACD、CDなどの再生時にビデオ回路の動作を止める事でビデオ信号の音質への干渉を防ぐ事ができます。
ビデオ回路
ビデオDACにはアナログデバイス社製の14bit/216MHzDACであるADV7314を採用しています。
インターレース方式で16倍、プログレッシブ方式で8倍のオーバーサンプリングを行う事で高品位なD/A変換を実現しています。ノイズ成分を不要帯域にシフトさせて高S/Nを達成するNSV処理と相まって高精細映像を実現しています。
映像信号のデジタル出力として、HDCP対応のDVI-D端子を搭載しています。
プログレッシブスキャン回路を搭載しています。
フィルム素材とビデオ素材に応じ、2-3プルダウン方式ピュアシネマ・プログレッシブスキャン回路と3次元動き補完形処理のいずれかの方式で処理を行う事で、ちらつきの無い滑らかな映像が得られます。
アナログデバイス社製のスーパーサブエイリアスフィルターを採用しており、水平解像度540本を実現しています。
映像回路には群遅延特性を特に重視したローパスフィルターと高速のビデオアンプを採用しており、ディテールの表現力を確保しています。
基板にはガラスエポキシ4層基板を採用しています。
2層を信号系に、他の2層を電源とグランド専用に割り当てる事ができるため、安定したグランド電位と各回路への高周波インピーダンスの低い電源供給を実現しています。また、各回路ブロック間の干渉を防ぎ、電源回路の分離徹底や、映像信号間の干渉を減らす効果も得ています。
大容量の電解コンデンサと高速コンデンサを併用する事により、ディテールの表現を求められる映像からパルス的な映像まで、どのようなソースにも安定したエネルギー供給を可能にしています。
高速コンデンサとしてはOSコンとチップタンタルコンデンサをしのぐ特性をもつPOSCAPを採用しています。
その他
メカハウジングは4mm+8mm厚の大口径スタビライザーによる高剛性、無共振構造となっています。
スチール製のメカASSYは2個のブラケットで強固に固定されています。
電源部には吟味された素材による専用のカットコア型電源トランスを採用しています。
また、電源回路の整流素子にはショットキーバリアダイオードを用いて素子が発生するノイズを抑えています。
底板は5mm厚、天板は6mm厚のスチール製となっています。
脚部には新開発の焼入鋼ピンポイントフットによる3点支持構造を採用しています。
ピンポイントフットによって理想的なメカニカルアースを実現しています。また、5mm厚の底板に直接止められているネジそのものがピンポイントフットの役割を果たす構造となっており、ピンと受け皿が本体底板と一体になった事で設置時の煩わしさがありません。
フロントパネルに新開発のアモルファステクスチャー加工を施したデザインとなっています。
また、ディスクトレイにはウレタン系の被膜塗装が施されており、ディスクを保護するとともにスムースなトレイ動作に寄与しています。
分解能と質感を重視したACケーブルが付属しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンはアルミボディー本皮仕上げとなっています。
機種の定格
型式 | SACD/CD/DVD-Audio/Videoプレイヤー |
再生可能ディスク | DVDビデオ、DVDオーディオ、SACD、CD、CD-R、CD-RW、ビデオCD、DVD-R、DVD-RW、MP3ファイル |
<映像出力> | |
DVI映像出力 | 1系統(DVI-D端子、HDCP対応) |
S1/S2映像出力 | 2系統(S端子) Y出力レベル:1Vp-p/75Ω C出力レベル:286mVp-p/75Ω |
映像出力 | 2系統(RCA端子) 出力レベル:1Vp-p/75Ω |
コンポーネント映像出力 | Y、Cb/Pb、Cr/Pr各1系統(RCA端子) Y出力レベル:1Vp-p/75Ω Cb/Pb、Cr/Pr出力レベル:0.7Vp-p/75Ω |
D1/D2出力 | 1系統(D端子) Y出力レベル:1Vp-p/75Ω Cb/Pb、Cr/Pr出力レベル:0.7Vp-p/75Ω |
<音声出力> | |
アナログ音声出力 | 2ch出力:2系統(RCA端子) 5.1ch出力:1系統(RCA端子) |
出力レベル | 220mVrms(1kHz、-20dB) 高品位出力端子 RCA:220mVrms/47kΩ(-20dB) XLR:220mVrms/600Ω(-20dB) |
ダイナミックレンジ | 108dB |
全高調波歪率 | 0.001% |
周波数特性 | 5Hz~80kHz -3dB(DVDオーディオ、192kHz) |
デジタル出力 | 光デジタル出力:1系統 同軸デジタル出力:1系統 |
アップコンバート機能 | RDOTモード CD(44.1kHz)再生時:705.6kHz DVD(48、96、192kHz)再生時:768kHz FIRモード CD(44.1kHz)再生時:352.8kHz DVD(48kHz)再生時:384kHz DVD(96kHz)再生時:768kHz DVD(192kHz)再生時:1536kHz RDOT+FIRモード CD(44.1kHz)再生時:1411.2kHz DVD(48、96、192kHz)再生時:1536kHz |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 28W |
最大外形寸法 | 幅442x高さ157x奥行354mm(突起部含む) |
重量 | 21.2kg |
付属 | ワイヤレスリモコン(RC-884) |