TEAC A-6700DX
¥315,000(1978年頃)
解説
マスターレコーダーA-6700をベースにdbxシステムを接続可能にした2トラック38センチマスターレコーダー。
別売りのdbxユニットRX-15の接続が可能です。
RX-15を接続することでdbxシステムタイプIを使用でき、ダイナミックレンジを拡大することで高いSN比が得られます。
dbxシステムはdbx社で開発されたノイズリダクションシステムで、録音時に入力信号のダイナミックレンジをデシベルで1/2に圧縮し、再生時に2倍に伸長することで原音の持つダイナミックレンジを再現する方式となっています。
テンションサーボとインピーダンスローラーを搭載しており、テープの安定走行を可能にしています。
テンションサーボでは送り出しリールの巻径変化によって生ずるバックテンションを電気的に一定の値に保ちます。また、インピーダンスローラーではフライホイール効果によって走行ムラを吸収します。
操作部にはダイレクトファンクションロジック回路を採用しており、ロジック回路によって全てのモードから他のモードへストップボタンを経由せずにダイレクトに切換できます。
また、早巻きの状態からPlayボタンを押すとモーションセンシング機構によって素早くPlay動作に入ります。
テープ編集がしやすい開閉式ヘッドハウジングを採用しています。
4トラック再生ヘッドを採用しており、4トラックデッキと組合せて使用することで4トラック同士のプリントや編集が可能です。
業務用デッキの仕様に準じたフルトラック消去ヘッドを採用しており、高い消去効率によって4トラックで録音したテープもヘッドで消去できます。
また、ステレオ録音に徹するためL/R同一型の録音モードスイッチを採用しています。
市販されているテープの全てに対応するため、バイアスは6段階切換式を採用し、イコライザーは連続可変式となっています。
さらに、19cm/sと38cm/sのどちらか一方に合わせてセットしておけば、もう一方の速度の時に微調整する必要がありません。
NAB、BTS規格切換機構を搭載しています。
ピークレベルインジケーターを搭載しています。
左右チャンネル独立ボリューム微調整機構を搭載しています。
また、再生用にも左右独立微調整ボリュームと再生用マスターボリュームを搭載しています。
CALポジション付きテープモニタースイッチを搭載しています。
0dBと20dBの2段切換式のマイクアッテネーターを搭載しています。
キャリングハンドルが付属しており、運搬が行いやすくなっています。
A-6700DXではトランスポート部のトップパネルが黒からグレーに、アンプ部のフロントパネルがシルバーからコーヒーブラウンに変更されています。
コンソールラックCS-600は別売りオプションとして販売されました。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
トラック形式 | 2トラック・2チャンネル・ステレオ方式 |
ヘッド | 4ヘッド構成 消去(フルトラック)、録音、再生および4トラック再生 |
リール | 26形(10号)、17形(7号) |
テープ速度 | 38cm/s、19cm/s(±0.5%) |
モーター | 3モーター構成 |
ワウフラッター | 38cm/s:0.03%wrms 19cm/s:0.06%wrms |
周波数特性(総合) | 38cm/s:25Hz~28kHz 19cm/s:25Hz~28kHz |
SN比(総合) | 60dB(3%歪レベル、聴感補正、NABイコライゼーション) 62dB(3%歪レベル、聴感補正、BTSイコライゼーション) |
歪率(総合) | 0.6%(基準レベル) |
ステレオセパレーション | 50dB(1kHz) |
早巻時間 | 160秒(550mテープ) |
入力 | Mic:0.25mV/-72dB/600Ω以上適合 Line:60mV/50kΩ |
出力 | Line:0.45V/負荷10kΩ以上 Headphone:8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 80W |
外形寸法 | トランスポート:幅478x高さ419x奥行268mm アンプ:幅478x高さ177x237mm |
重量 | トランスポート:25kg アンプ:8kg |
別売 | dbxユニット(タイプI) RX-15(¥150,000) コンソールラック CS-600 |