解説　

PSS式オートリバース装置と箔センシングオートリバース装置の採用により、4トラックテープの往復再生も可能なテープデッキ。

PSSオートリバース機能を搭載しており、一方向のテープ再生が終った時に自動的にテープを反対方向に送り、再生を続けることができます。PSS方式(位相信号検出自動逆転方式)ではテープに手を加えずにボタン操作でテープにリバース信号を入れており、これによって自動リバース再生を行います。

操作部にはピアノタッチのシンメトリカルコントロールシステムを採用しており、フォワードとリバース、両方向の早巻き、停止などの操作が4個のボタンで行え、操作性を向上しています。
各スイッチはマイクロタッチでフルプルーフとなっています。

キャプスタン用モーターには2速度ヒステリシスシンクロナス・モーターを採用しています。また、リールドライブ用には新開発の小型・高能率6極エディカレント方アウターローターモーターを採用しています。このアウターローターモーターはローター(回転子)がステーターの外側で回転するため、フライホイール効果により回転ムラが大変少なく、発熱や機械的性能の点でも多くの特徴を持っています。
A-6010の3モーター方式はワウフラッターが少なく、安定したヘッドタッチと耐久性を得ています。

ヘッド部にはプラグイン式を採用しており、素早い変換や精度・性能の保持を容易にしています。
ヘッドにはナローギャップのハイパボリック型ヘッドを採用しています。

箔センシングによるリバースとリピート再生も可能です。
テープ背面に導電箔センシングテープをはることによって希望の位置でオートリバースを行うことができるよう、プラグイン式アダプターが付属しています。また、別売のユニットを使用することでリピート再生も可能です。

テープテンション切換方式を採用しており、テープの厚さによってテープテンションが2段に切換えられるようになっているため、1/2ミル以下の薄手のテープがしようできます。

遅延回路付きの操作機構を採用しており、フォワード再生やリバース再生などの再生方向が切換る時に回転が安定するまでピンチローラーが一旦離れるため、スタート時の立ち上がりが良く、始めから安心して再生を行えます。

自動停止機構を搭載しており、テープの巻戻しまたはリバースプレイが終ると、メカニズムは自動的に停止操作となります。

アンプ部には録音2系統、再生2系統の合計4ユニットのソリッドステートアンプを搭載しています。

マイク入力とライン入力の録音レベル調整がそれぞれ独立しているため、ミキシングが可能です。

大型VUメーターを搭載しています。

バイアス発振周波数は100kHzと高いため、録音周波数レンジが広く、FMステレオ放送とのビートノイズを拾いません。

モニター切換スイッチを搭載しており、ソースとテープを切換えてモニターできます。

ヘッドホンアンプを搭載しており、インピーダンス8Ωのヘッドホンを使用できます。

DINコネクター端子を搭載しています。

4桁インデックスカウンターを搭載しています。

完全バランスのフライホイールを持つスタイビライザーを搭載しており、左右のテンションアームと共にテープ走行を安定させています。

フロントパネルにはステンレスのヘアライン仕上げを採用しています。

リモートコントロールが可能です。

別売のキャプスタンスリーブとピンチローラーに交換することで38cm/sテープの再生が可能です。

機種の定格

型式	テープデッキ
トラック形式	4トラック・2チャンネル・ステレオ方式
ヘッド	4トラック・2チャンネル消去、録音、再生、リバース再生 (4ヘッド、プラグイン式)
リール	最大17形(7号)
テープ速度	19cm/s、9.5cm/s(±0.5%)
モーター	キャプスタン用:4極/8極2速度ヒステリシスシンクロナスモーター リール用:6極エディカレント形アウターローターモーターx2
ワウ・フラッター	19cm/s:0.08% 9.5cm/s:0.12%
早巻時間	約90秒(370mテープ)
周波数特性	19cm/s:30Hz～20kHz(45Hz～15kHz ±2dB) 9.5cm/s:40Hz～15kHz(50Hz～10kHz ±2dB)
イコライゼーション	19cm/s:50μs 9.5cm/s:90μs
SN比	55dB
クロストーク	チャンネル間:50dB(1kHz) トラック間:40dB(100Hz)
入力	Mic:10kΩ、最小0.5mV Line:300kΩ、最小0.1V
出力	1V(出力負荷100kΩ以上)
ヘッドホン	8Ω
電源	AC100V/117V、50Hz/60Hz
消費電力	100W
外形寸法	幅440x高さ526x奥行174mm
重量	21kg