TEAC 30-4
¥290,000(1978年頃)
解説
サイマルシンク機構を搭載した4チャンネルテープデッキ。
この頃はTASCAMはブランド化しておらず、30-4や20-4はタスカムシリーズと名付けられていました。
30-4はA-3340Sを細部にわたってグレードアップした機種で、サイマルシンク録音をできるだけ簡単な操作で行えるようにするためにスイッチ類を大幅に改善したファンクションセレクターを装備しています。
多重録音に必要なサイマルシンク機構を搭載しています。
テープデッキで音を重ねていく場合、各トラックの音が完全に同期(シンクロ)している必要があります。一般のテープデッキでは録音ヘッドと再生ヘッドが別々となっているため、再生の音をモニターしながら音を重ねるとヘッドの間隔だけ音がずれてしまいます。
サイマルシンク機構では最初に録音したものをモニターする場合に再生ヘッドではなく録音ヘッドでモニターしており、そのまま別のトラックへの録音が可能となっています。これによりトラック間の録音ズレが起きません。
出力セレクターを搭載しています。
SOURCEのポジションは録音レベルの調整を行います。この時は入力信号がメーター及び出力端子に現れます。また、SYNCのポジションは録音ヘッドによるサイマルシンク再生となり、左に4つ並んだファンクションセレクターと連動して入力信号またはサイマルシンク再生信号がモニターできます。
PLAYポジションでは再生ヘッドが動作し、再生音がモニターできます。
ファンクションセレクターでは録音モードスイッチとテープモニタースイッチの機能を兼ねています。
出力セレクターがSYNCのポジションでファンクションセレクターがOFFの時はサイマルシンク再生状態となり、録音モードはOFFとなります。また、ファンクションセレクターがONの時はスイッチの上のLEDが点滅して録音モードがON(録音スタンバイ)となり、入力信号をモニターします。このファンクションセレクターによって録音モードのON/OFFとテープモニター(入力/し余るシンク再生)の両方を1回の操作で同時に切換えることができ、多重録音の複雑な操作を簡略化しています。
ヘッドホンセレクターを搭載しており、1~4のどのチャンネルの音も単独とミックスの両方でモニターできます。
信号は全てヘッドホンのセンターで定位します。
録音・再生のどちらにも働くピッチコントロール機能を搭載しており、±6%(約半音)のピッチ調節が可能です。
メカニズムのオペレーションがスムーズに行えるモーションセンシング機構を内蔵しています。
早送りや巻き戻しからプレイに移る場合、リールが止まってすぐに再生に切り替わるため、次の動作を待つ必要がありません。
各入力チャンネルにはマイクまたはラインがスイッチで切換えられます。
マイク入力が過大の時はマイクアッテネーターで20dB減衰できます。
曲の頭出しなどに活用できるキュー機構を搭載しています。
ワンタッチでリールが装着できるリールクランパーを搭載しています。
機種の定格
型式 | 4チャンネル |
テープ幅 | 1/4インチ |
トラック形式 | 4トラック・4チャンネル(サイマルシンク付き) |
ヘッド | 消去、録音、再生 |
リール | 26形、17形 |
テープ速度 | 38cm/s、19cm/s、±0.5% |
モーター | 3モーター |
ワウ・フラッター | 38cm/s:0.04%(WRMS) 19cm/s:0.06%(WRMS) |
周波数特性 | 38cm/s:25Hz~24kHz 19cm/s:25Hz~22kHz |
総合SN比(3%THDレベル、WTD) | 55dB |
総合歪率(規準レベル | 0.8% |
ステレオチャンネルセパレーション | 45dB(1kHz) |
入力 | Mic:0.25mV/-72dB/200Ω以上適合 Line:0.1V/50kΩ |
出力 | Line:0.3V/10kΩ以上 Heaphone:8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 90W |
外形寸法 | 幅445x高さ523x奥行235mm |
重量 | 24kg |
別売 | dbxユニット DX-34(¥135,000) リモートコントロールユニット RC-70(¥10,500) アクリルカバー TZ-440(¥5,500) |