オーディオの足跡

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DD-10の画像
 解説 

高品位デジタルセレクターとしてだけでなく、サンプリングレートコンバーターやデジタルゲインコントロール等のデジタルプリアンプとしての活用も可能なD/Dコンバーター。


入力端子はBNC3系統、XLR1系統、TOS3系統、ST1系統の合計4種類8系統を備えており、多岐にわたる入力に対応しています。
さらに、入力されたデジタルクオリティを維持するため、全ての信号経路にバランス伝送方式を採用しています。また、セレクター部にはベリーハイスピードC-MOSバランスタイプを搭載しています。
BNC端子は付属の変換プラグによってRCAピン端子に対応しています。


デジタル信号はデジタル機器内部、ソース固有、伝送途中などで生じる様々な要因によってジッターという時間軸の歪が生じます。
ジッターはデジタル信号のパルス列の間隔の不揃いとなったもので、これが増加すると量子化ステップの精度が低くなり、再生する波形が原波形と異なってしまいます。
DD-10では、DSRLL回路によって入力されたデジタル信号をリサンプリングしており、クォーツ精度のクロックにおきかえることで全可聴全帯域(0.5Hz~45kHz)にわたってジッターを100分の1以上、しかも従来の1次に対して2次(12dB/oct)の遮断特性で除去する高性能化を実現しています。
また、リサンプリング周波数も44.1kHzと48kHzの2種類が選択できます。

DSRLLモードの他に新開発のPLLモードを搭載しています。
このモードでは入力されたデジタル信号のサンプリング周波数のままにDD-10のセカンドPLLで同期します。セカンドPLLでは新たにリチウムタンタレートVCOを極めて正確に制御する数理学的デジタル位相検波器デジタルループフィルターを採用することによって従来から懸念されていた位相検波器の不感帯を無くし、混変調歪を排除することに成功しています。
PLLモード時でも30Hz以上のジッターを2次の遮断特性(12dB/oct)で除去しており、位相制御のクオリティを大幅に向上させています。


非オーディオデータをクロックアイソレートするデジタルPLLを搭載しています。
通信デジタルデータを水晶発振器でサンプリング処理することにより、オーディオ信号でけでなく、サブコード信号をクロックアイソレートすることに成功しています。
サブコードなどの非オーディオデータがオーディオ回路に侵入することで音声信号が変調するのを排除する画期的な時間制御回路を世界で初めて搭載しています。


高域帯域切換スイッチを搭載しており、デジタルフィルターの遮断特性を切換えることができます。
この機能では減衰特性が緩やかで低いWideと、従来と同じで減衰特性が急で高いNarrowの2モードが選択できます。なお、DSRLLモードでのみ動作します。
DSRLL回路は入出力非同期動作のため、入力信号から出力信号を算出しています。ここで使用する補間演算は64倍オーバーサンプリングフィルターと1/128倍デシメーションフィルターのコンビネーションで、通常の同期回路(PLL)では必要としないデジタルフィルター部が追加されています。この出力演算フィルターの係数やタップ数を操作することで2つのモードを操作しています。


出力ビット数切換機能としてインバウンド・ノイズ・シェーピング切換機構を搭載しています。
この機能では帯域内の最も高い周波数の量子化ノイズを利用して比較的聞き取りやすい低い周波数の分解能の向上を図っています。これにより有効ビット数の低い(16ビット/18ビット)DATやDAC、CD-R、MDなどに20ビットの情報を切り捨てることなく送り込むことができます。


入力ポラリティ(動作極性)切換機能を搭載しています。
この機能は初段PLLの入力動作極性を切換る機能です。通常DAIF(デジタルオーディオインターフェースフォーマット)はバイフェーズマーク変調データの極性に無関係に正しい情報が通信できます。しかし、デジタル信号の0から1または1から0の遷移時間の差はジッターの発生率に影響します。このため総合的なジッター特性は入力動作極性によって悪くなる場合があります。
この機能では動作極性を切換えることでジッター特性の安定化を図っています。

入力ポラリティ切換機能の動作状態は前面のLEDの色で確認できます。
このLEDはPolarityキーのON/OFF操作及びリモコンのPolar、Scrambleキーの操作状態によって切り替ります。
ScrambleはST通信において出力データにスクランブル回路を作動させることで受信機の総合ジッターを効果的に軽減するもので、デ・スクランブル機能を装備している機器を接続した時のみ動作します。


出力レベルキーを搭載しており、デジタル出力のレベルを高精度デジタルアッテネーターによって-42dBから+6.0dBの範囲で調節できます。
また、ミューティングキーを搭載しており、デジタル出力をソフトミュートできます。


内部構造はDAIR部、電源部、デジタルアウト部、AC入力部、パワートランス部等の7ボックス構造を採用しています。
最適なレイアウトを追求するため、余裕を持ったスペースの1.6mm厚銅メッキ・ハイシールディングシャーシとしています。
また、前方2点、後方1点のハイカーボン鋳鉄製ピンポイント脚と台座によってメカニカルアースポイントを明確化しています。

2カットコアの大型電源トランスを採用しています。
また、ベリーハイスピードC-MOSを全面採用し、SMB高周波用ケーブルを使用しています。

バックアップメモリー機能を搭載しており、電源OFFから1週間保持します。
保持されるのは入力番号、出力レベル設定、ポラリティ切換、デジタル出力ON/OFFです。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 D/Dコンバーター
チャンネル数 L/R 2チャンネル
ゲイン制御 -42.0~+6.0dB ±0.3dB
通過帯域 DC~0.45351 Fs in
リップル特性 0.001dB以内
ダイナミックレンジ 113dB以上
受信範囲 PLLモード:48kHz±2000ppm以内
      44.1kHz±2000ppm以内
      32kHz±2000ppm以内
DSRLLモード:18~62kHz(48kHz/44.1kHz)
動作周波数 PLLモード:768xFs in
DSRLLモード:36.864MHz±50ppm以内(48kHz)
       33.8688MHz±50ppm以内(44.1kHz)
デジタル入力 BNC(RCA):3系統(セレクターNo1/2/3)、0.5Vp-p±0.3V/75Ω
XLR:1系統(セレクターNo4)、3~10Vp-p/110Ω
TOS:3系統(セレクターNo5/6/7)、-24~-14.5dBm
ST:1系統(セレクターNo8)、-30~-10dBm
デジタル出力 RCA:1系統、0.5Vp-p±0.1V/75Ω
XLR:1系統、3.5Vp-p±0.5V/110Ω
TOS:1系統、-21~-14.5dBm、660nm
ST:1系統、-21~-12.5DBm、875nm
ジッター抑制 遮断周波数:0.5Hz(DSRLL)
      30Hz(2nd PLL)
抑圧比:40dB以上(DSRLL)
    80dB以上(2nd PLL)
分解能:140p秒(DSRLL)
    10p秒(2nd PLL)
入力サーチ時間 4秒以内/1入力
有効ビット数 20ビット
THD 0.0003%以内
ポラリティ表示LED ポラリティoff(正相)/スクランブルoff:消灯
ポラリティoff(正相)/スクランブルon:緑色点灯
ポラリティon(逆相)/スクランブルoff:赤色点灯
ポラリティon(逆相)/スクランブルon:橙色点灯
バックアップメモリー 保持時間:1週間標準(電源offから)
内容:入力番号、出力レベル設定値、ポラリティ切換、デジタル出力on/off
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 15W
外形寸法 幅465x高さ140x奥行352mm(脚部含む)
重量 15kg
付属 ワイヤレスリモコン
BNC-RCA変換アダプター