オーディオの足跡

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HPD385Aの画像
 解説 

HPD385の改良型にあたる15インチ同軸型ユニット。

HPD-Aシリーズではネットワーク回路が一部変更されており、入力端子板が独立した構成になっています。

HPD385Aはタンノイ独自のデュアル・コンセントリックユニットで、ダイレクト・ラジエーターのウーファーとホーンロードのトゥイーターを一個の強力なマグネットを挟んで同軸上に組み合わせた構造となっています。この方式ではウーファーとトゥイーターの2個のユニットから別々に放射された音が同じ点で合成されるため、音像の分解能や定位感に優れ、自然な音場を再現できるという利点を持っています。

ウーファー部の振動板には旧西ドイツのクルトミューラー社特注のディープ形ハードコーンを使用しています。
この振動板は薄いコーン紙に特殊な薬品をコーティングするとともに裏面に8本のリブを放射状に接着したタンノイ独自のもので、ガードアコースティック・コーンと名付けられています。このガードによって分割振動を抑え、トランジェント特性やパワーハンドリング特性を大幅に向上しています。

エッジにはタンノイ独自のタノプラス・サラウンドを採用しています。
このエッジは特殊な高分子系の材料を独自の形状に成型したもので、柔らかくかつ強度に優れるため、重低音の再生をスムーズにし、コーンのエッジ部での共振を抑えています。

ボイスコイルは手作業で丹念に巻かれたものを使用しており、200度の高温に耐える特殊処理が施されています。
これによりボイスコイルの機械的な強度が増加すると同時に連続的な大入力による温度上昇に対して安全性が向上し、ハイパワー駆動が可能になっています。

磁気回路には非常に強力なAlcomax5マグネットを採用しています。

トゥイーター部はロール状のエッジまで一体プレスした軽量硬質アルミニウム合金の逆ドーム型ダイアフラムとアルミニウム線のボイスコイルで構成されています。
このダイアフラムは6段階プレス法でドームを形成しており、1回のプレス毎に加熱することで内部歪を除く処理がされています。さらに、ダイアフラムの反対側には音響的にバランスのとられた空洞が設けられており、トランジェント特性の向上を図ると共に歪を軽減しています。
また、ホーンのネックに空けられている19個のスロートによって位相補正が行われています。

ユニットの前面にはダストキャップが設けられてます。

専用のクロスオーバーネットワークが付属しています。
このネットワークはロールオフとエナジーの2種類の調整が可能となっており、ロールオフ調整では5kHz以上の高い周波数を4段階減衰できます。また、エナジー調整では1kHzから20kHzまでのトゥイーターのレベル全体を5段階に増減できます。
このネットワークはパーツにも厳選したものを使用しており、低損失の無極性コンデンサーと容量が大きく精度が高い抵抗やコイルを使用し、信頼性の高いファイバーグラスのプリント基板に組立てられています。

機種の定格
方式 15inch同軸2ウェイスピーカーユニット
許容入力 85W(連続プログラム)
公称インピーダンス
出力音圧レベル 91dB/W(新JIS)
クロスオーバー周波数 1kHz、12dB/oct
最低共振周波数 20Hz
口径 385mm(15インチ)
重量 14kg