
TANNOY Sandringham
¥180,000(1台、2003年6月発売)
解説
プレステージシリーズの小型モデルとして開発されたスピーカーシステム。
ユニットには新開発のタンノイ独自のデュアル・コンセントリック・ユニットである20cm同軸型2ウェイユニットを搭載しています。
デュアルコンセントリックユニットはウーファーとホーンツィーターを同軸上に組み合わせた構造となっており、2つのユニットから別々に放射される音が同じ点で合成される事で点音源に近い音を実現しています。
このユニットではツインマグネット・システムを採用しており、HFホーン(ウェーブガイド)をマグネットのポールピースとする事でLF磁気回路を構成する必要が無く、HFとLFの個々に最適な磁束を確保しています。マグネットには同位性サマリウム・フェライト・マグネットを採用しています。
ボイスコイルには角形のアルミ線を採用しており、隙間なく巻きつける事で強力なコイルを形成しています。また、芯材には軽量・高剛性のグラスファイバー、絶縁材にはポリアミドを採用しており、発熱による高温動作時も安定した特性を確保しています。
ウーファー部の振動板には異種のファイバーを混入して高圧縮加工したコーンを採用しており、軽量化と剛性の両立させ、トランジェント特性の向上を図っています。また、エッジにはコットンクロスをツインロール状に成形したハードエッジを採用しています。エッジには特殊フェノール樹脂を含浸させて表面を特殊コーティングしており、強度と耐久性を高めています。
ツィーター部はホーン型ツィーターを採用しています。
ホーン部には超精密成形されたテクノ・ウェーブガイドを採用しています。これはホーン内部の音の通り道(ウェーブガイド)をコンピューター解析に基づいて超精密成形したもので、正確な球面波を放射する事で振動板面からホーンエッジまで等距離になるよう設計され、高域の位相特性を向上させています。
振動板には軽量ジュラルミンダイアフラムを採用しています。
内部配線にはオランダ Van-den-hul社製の銀メッキ線材であるMCSC(Matched Crystal Silver Coating)ケーブルを採用しており、プリント基板を用いずに各部品間を直結する事で伝送系でのロスを低減しています。
ロックアップ式の高域レベルコントロールを装備しています。
この方式では金メッキが施されたネジとプレートによって確実にロックアップする事で経年変化や酸化などによる接触不良や接触抵抗ロスを防いでいます。
ロールオフは5kHz以上の周波数を+2dB~-6dBで5段階に増減できます。また、エナジーはクロスオーバー周波数から20kHzまでのツィーターのレベル全体を±3dBで5段階調整できます。
エンクロージャーにはDPS(ディストリビューテッド・ポートシステム)によるバスレフ方式を採用しています。
DPSはエンクロージャーのフロント両サイドの下部にポート開放部を設けたタンノイ独自のバスレフ方式で、解像力と低域の伸びを持たせています。
エンクロージャーにはバーチ材を使用しており、ウォルナット無垢材と突板で仕上げています。
入力端子にはバイワイヤリング接続にも対応した金メッキスピーカー端子を採用しています。
また、音質改善の可能性を広げるため、アース端子をスピーカー端子に隣接して装備しています。
フットベースとスパイクが付属しており、リスニングルームや床面等の状況に合わせて不要振動や共振を防止できます。
タンノイ社製のウッドワックスWW-5が付属しています。
このワックスは蜜蜂の巣から抽出した特殊なワックスを主成分としています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
使用ユニット | 全帯域用:20cm2ウェイ同軸型 |
周波数特性 | 37Hz~25kHz |
能率 | 90dB/W/m |
許容入力 | 95W(連続) 225W(最大) |
入力インピーダンス | 8Ω |
クロスオーバー周波数 | 1.4kHz |
内容積 | 48L |
外形寸法 | 幅332x高さ892x奥行260mm |
重量 | 21kg |