TANDBERG 10XD
価格不明(1976年頃)
解説
豊富な機能を搭載するとともに10インチリールに対応した3モーター4ヘッド構成のテープデッキ。
10XDはヨーロッパ諸国の放送局や録音スタジオにおいて業務用サブシステムとして使用されました。
テープ駆動には3モーター方式を採用しています。
キャプスタンモーターにはライトビーム・サーボコントロールを装備したブラシレスDCモーター採用しており、キャプスタンの回転速度をライトビームによって検出し、スピードレギュレーションをしています。これにより電源周波数や電圧変動の影響を受けない正確なテープスピードを得ています。
ピッチコントロール機能を搭載しており、電子的に回転速度を変えることでテープスピードを変化させることができます。
スピードの変化範囲は±10%となっています。
録音・再生・早送り・巻き戻し・停止などの各モードの切替にはコンピューターロジック回路によって電子的にコントロールされており、全ての操作をフェザータッチのボタンスイッチで行えます。
また、各モードの変更はストップを経由せずに直接行え、再生から直ちに録音に移る後追い録音なども可能です。
スライド型のレベルコントロールを採用しており、マイク2回路とライン2回路の入力をミキシングできます。マイク入力はバランス回路となっており、マイクケーブルが長くてもハムを拾いません。また、自動インピーダンスマッチング回路を搭載しており、幅広いマイクロフォンを使用できます。
ヘッド部には4ヘッド構成を採用しており、消去、録音、再生の3ヘッドに加えてバイアスヘッドを搭載しています。
各ヘッドには用途に応じた素材が使用されており、録音ヘッドにはパーマロイ、再生ヘッドにはフェライトを使用しています。
録音方式にはタンバーグ独特の2ヘッド録音を採用しており、通常の録音方式よりさらに高い音域まで歪の無い広いダイナミックレンジで録音できます。
ノイズリダクションシステムとして、ステレオ2ユニットのドルビーBタイプNRを搭載しています。
EDIT/CUEシステムを搭載しており、早送りや巻き戻しに加えて手動送りで頭出しや編集位置のチェックができます。
ピークレベルメーターを搭載しています。
サイドパネルを外してラックマウントキットを取り付けることで19インチの標準ラックにマウントできます。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
トラック方式 | 2トラック・2チャンネルステレオ (オプション:4トラック2チャンネル) |
ヘッド構成 | 4ヘッド(消去x1、バイアスx1、録音x1、再生x1) |
リール | 10号~5号 |
テープスピード | 38cm/s、19cm/s、9.5cm/s |
モーター | キャプスタン用:ブラシレスDCモーターx1 リール用:アウターローターインダクションモーターx2 |
スピード偏差 | ±0.3%以下 |
スピード制御 | ライトビーム・サーボコントロール |
ワウフラッター | 38cm/s:0.04%(WRMS) 19cm/s:0.06%(WRMS) 9.5cm/s:0.11%(WRMS) |
周波数特性 | 38cm/s:30Hz~25kHz ±2dB 19cm/s:30Hz~22kHz ±2dB 9.5cm/s:40Hz~18kHz ±2dB |
補償特性 | NAB |
S/N比(総合、IEC A-curve) | ノーマル:66dB ドルビー:74dB |
歪率(総合) | 2%以下(0dB録音レベル) |
クロストーク | mono:60dB(1kHz) stereo:50dB以上(1kHz) |
入力 | Mic:1mV/50Ω~600Ω、バランス型 Line:100mV/100kΩ Radio:30mV/50kΩ |
出力 | Line:1.5V/150Ω Radio:0.775V/5kΩ Headphone:5mW/8Ω以上 |
電源 | AC115V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 100W(最大) |
外形寸法 | 幅435x高さ450x奥行185mm |
重量 | 16.4kg |