STUDER D732
¥580,000(1994年発売)
解説
D730の流れを汲むラックマウント設計のCDプレイヤー。
ピックアップ部にはフィリップスのスイングアーム方式メカニズムであるCD-M4を搭載しています。
CD-M4ではムービングマスを低減することで優れたディスク追従能力を獲得しています。D732ではこのメカニズムをシャーシに対してフローティングマウントすることで外部振動の影響を低減し、読み取り精度を高めています。
D/A変換部にはビットストリーム型D/AコンバーターであるTDA1305Tを搭載しています。
このICはデジタルフィルターの外付けを必要としないフィルターDACで、16倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターを内蔵し、後段に128倍オーバーサンプリング+2次ノイズシェーパーを配しています。これによりDAC以降のアナログフィルターはオーディオ信号の再生に有利な緩やかなフィルターが使用できるようになり、D732では1次フィルターを採用しています。
また、TDA1305Tは小信号時にはビットストリーム動作、大信号時にはダイナミックコンティニュアスキャリブレーション動作を行う独自の手法を導入しており、高いSN比と広ダイナミックレンジを実現するとともに長期に安定した性能を確保しています。
アナログ出力は電子式バランス出力とアンバランス出力を搭載しています。
また、デジタル出力はSPDIFフォーマットのXLRコネクターを1系統搭載しています。
外部機器からクロック同期信号を入力できるBNC端子を搭載しています。
機能としてはD730mk2から使用頻度の高い機能だけを搭載した構成となっています。
一般的な再生機能のほかにオートキューやオートポーズ、スタート/エンドレビュー、音出しによるトラックサーチなどの機能を搭載しています。
ディスプレイ部にはLEDディスプレイを採用しています。
小型モニタースピーカーを内蔵しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
メカニズム部 | 水平ローディングスイングアーム方式 フィリップスCD-M4 |
D/A変換部 | ビットストリーム方式 (128倍オーバーサンプリング) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
高調波歪率 (20Hz~20kHz) |
0.009%以下(1994年カタログ記載) 0.006%以下(1995年カタログ記載) |
SN比 | 100dB以上 |
ダイナミックレンジ | 90dB以上(1kHz) |
セパレーション | 80dB以上(20Hz~20kHz) 96dB以上(1kHz) |
アナログ出力 | アンバランス:2V/250Ω、RCA端子 バランス:+6dBu~+19dBu/50Ω、XLR端子 |
デジタル出力 | SPDIF:XLR端子 |
電源 | AC100V~120V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅482x高さ88x奥行368mm |
重量 | 7.0kg |
別売 | パラレルリモート ディスプレイ無し(¥70,000) パラレルリモート ディスプレイ付き(¥110,000) 専用ケーブル 5m(¥40,000) 専用ケーブル 15m(¥55,000) |