REVOX A77MKIII
A-77:¥198,000(1971年発売)
¥258,000(アンプ、スピーカー内蔵、1971年発売)
HS-77:¥249,000(1971年発売)
¥309,000(アンプ、スピーカー内蔵、1971年発売)
解説
            A77シリーズの3代目にあたるステレオテープデッキ。
            
            駆動部にはエレクトロニックガバナー・ACサーボモーターを採用しており、電源電圧の変動や電源周波数の違いに関わらず優れた特性を得ています。
            このモーターはアウターローター型で、強力なトルクとエレクトロニックガバナーにより精密な回転数を保つので、重いフライホイールを使用していません。また、消費電力が低く発熱も少ないので、モーターに冷却ファンをつける必要が無く、耳障りなノイズの発生や、空気循環によって埃をメカ内部に付着させることがありません。
            
            モーターのシャフトがそのままローターと一体のキャプスタンダイレクトドライブ方式を採用しているため、特性を悪化させたり、トラブルの原因になりやすいベルトやプーリー等の減速機構が一切ありまsねん。
            
            ヘッドには、ウィリー・スチューダー社のプロ用テープデッキにおける研究と実績によって開発されたヘッドを採用しています。
            
            電源部には漏洩磁束の少ない高価なカットコアを使ったトランスを採用することで、SN比とレギュレーションを改善しています。
            
            アンプ部は全て厳選されたローノイズタイプのシリコントランジスタを採用しており、優れた特性を得ています。
            回路は機能別に独立したプリント基板のプラグインユニットとなっており、接点も普通の金属メッキによらず、ニッケルに金メッキを施して導通を高めるとともに接点不良を防いでいます。
            
            使用テープのリール径の大小、録音再生時のテープスピード及び早送り、巻戻しのそれぞれに応じて、電気的に最適なテンションが保たれており、大きなテンションレバーや重いインピーダンスローラーが不必要な設計で、テープに無理の無いテンションが得られています。
            また、テープを痛める原因となりやすいブレーキにはサーボ方式を採用しています。
            
            ランプとCds素子による自動停止装置を搭載しており、テープ端がランプを通過すると、Cds素子がランプの光に感知してリールモーターの電源を切り、同時にプランジャーを動作させてブレーキをかけ、ピンチローラーをキャプスタンから離してテープを停止させます。
            テープの途中でもテープのコーティングをはがすか、東名テープをスプライスすれば必要なところでテープを自動的に停止させることができます。
            
            電磁プランジャーとリレーによりフェザータッチのボタン操作を実現しています。
            
            メカニズム部は外装のウッドケースからは完全に独立した、アルミ合金のダイキャストフレームにセットしてあるため、テープ走行部等に狂いを生じさせません。また、水平垂直のどちらでも使用が可能です。
            
            3つのヘッドとそれぞれ独立したアンプにより、語学レッスンなどに最適なデュオプレイレコーディング、ch1からch2へのダビング、多重録音、マイクからのエコー録音やch1からch2へエコーをつけての録音が可能です。
            
            マイク入力のインピーダンス切換スイッチを搭載しており、様々なマイクに対応しています。
            
            Cueレバーとリールモーターオフボタンを搭載しており、早送りや手動による音声の頭だし、テープのタレ流しができます。
            
            別売りのリモートコントロールユニットを使うと最大10mの距離からボタン操作で録再と早送り、巻戻し及び停止ができます。
            なお、リモコン使用のときに、れボックスの電源に市販のタイマーを併用すれば、その場にいなくても録音が可能です。
            
            9.5cm・19cm4トラックステレオタイプのA-77MKIIIと、19cm・38cm2トラックステレオタイプのHS-77MKIIIの2種類がありました。
            また、A-77MKIII・HS-77MKIIIにポータブルタイプのパワーアンプと4スピーカーを内蔵したモデルがありました。このポータブルタイプで搭載されているアンプやケースは別売りオプションとしても販売されました。
			
機種の定格
| 型式 | 3モーター・2スピードテープデッキ | 
| テープ速度 | 9.5cm、19cm、±0.2%以内 | 
| テープスリップ | 0.2%以下 | 
| 使用リール径 | 最大26形(10号) | 
| 使用位置 | 水平および垂直 | 
| ヘッド | 消去1、録音1、再生1 | 
| モーター | キャプスタン用:ACサーボアウターローターモーター リール用:6極アウターローターモーター  | 
                
| 周波数特性 | 19cm:30Hz~20kHz +2 -3dB(50Hz~15kHz ±1.5dB) 9.5cm:30Hz~16kHz +2 -3dB(50Hz~10kHz ±1.5dB)  | 
                
| ワウ・フラッター | 19cm:0.04% 9.5cm:0.05%  | 
                
| SN比 | 19cm:57dB以上 9.5cm:54dB以上  | 
                
| 歪率(0VU) | 19cm:0.6% 9.5cm:1%  | 
                
| クロストーク(1kHz) | mono:60dB以上 stereo:45dB以上  | 
                
| イコライザー | 録音:NAB 再生:NAB、IEC(スイッチ切換)  | 
                
| 入力(全ての入力は40dB(1:100)のオーバーロードマージンがあります) | マイク・ロー:0.15mV/50Ω~600Ω マイク・ハイ:2.5mV/100kΩ以上 ラジオ(DIN):2.5mV/33kΩ Aux:35mV/1MΩ  | 
                
| 出力 | ライン:最大2.5V/600Ω ラジオ(DIN):1.2V/2.5kΩ  | 
                
| ヘッドホン出力 | 200Ω以上 | 
| 使用半導体 | トランジスタ:54個 ダイオード:32個 シリコン整流器:4個 Cds素子:1個  | 
                
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz | 
| 消費電力 | 70W | 
| 外形寸法 | 幅413x高さ359x奥行215mm | 
| 重量 | 15.4kg |