STAX ELS-F83X
¥500,000(1台、1989年発売)
解説
ELS-F83の改良型にあたるコンデンサー型スピーカーシステム。
ELS-F83Xでは、ELS-8Xと同じ800VAのカットコアを採用すると共に、ネットワーク回路が新設計されています。
これらの改良によって能率と周波数特性が改善されています。
振動板にはコンデンサー型を採用しています。
コンデンサー型は振動膜とそれをドライブする固定極で構成されており、振動膜にあらかじめ直流電圧を加え、両側の固定極に片側が+、片側が−になるように高い信号電圧を加えることで反発(+と+)と引き合い(+と−)を起こして振動を生み出しています。
振動膜には極めて薄いポリエステルフィルムが採用されています。
ELS-F83Xでは6μ厚のポリエステル振動膜を用いた785mmx210mmフルレンジ・シングルダイアフラムを2枚搭載しています。
この振動板は縦長の固定極が縦4枚x横3列並べられており、縦4枚ずつが結線されています。そして、真中の1列はフルレンジ、左右の2列は中・低音を受け持つ構造となっています。また、左右の2列の信号にはディレイが施されており、左右方向のディスパーション(音の拡がり)を改善しています。
コンデンサー型に必要な高電圧の信号はカットコアトランスによって作り出しています。
ここにはELSシリーズ共通の800VAのカットコア・シグナルトランスを採用しています。このトランスはPC-OCCの巻線を使用しており、特性のポリカーボネート製ボビンに丁寧に巻いて仕上げられています。
内部配線にもPC-OCCが採用されています。
ネットワーク回路のハイカット抵抗には大型の高音質特注品を使用しています。また、ドイツ製ポリプロピレン・コンデンサーなどを採用することで、高音質かを図っています。
機種の定格
方式 | 1ウェイ・2ユニット・コンデンサー型・フロア型 |
使用ユニット | 全帯域用:コンデンサー型x2 |
インピーダンス | 全帯域2Ω以上 |
再生周波数帯域 | 35Hz~25kHz(-10dB) |
最大入力レベル | 180W(8Ω換算) |
出力音圧レベル | 80dB(8Ω換算、2W/1m、Highバイアス時) |
成極電圧 | 4,300V、3,500V(切換可能) |
外形寸法 | 幅480x高さ1,965x奥行350mm |
重量 | 37kg |