
STAX SR-ΛProfessional
¥32,000(1982年発売)
解説
ダイムラー・ベンツ社の要請がきっかけで開発されたSR-Λシリーズのイヤースピーカー。
SR-Λをドイツのダイムラー・ベンツ社の依頼によって低音・大振幅時にも低歪に改良したのがSR-ΛProfessionalです。
ダイムラー・ベンツでは、開発中の車のエンジンやトランスミッション、サスペンションなどから発生するノイズをダミーヘッドマイクでデジタル録音し、社内に設けられた音響研究用試聴室でヘッドホンで視聴することで車内外騒音等の研究をしていました。
この研究でSR-Λを使用するため、再生周波数帯域は低域8Hz以下高域50kHz以上、ダイナミックレンジをSR-Λより7dB以上延ばす。さらなる低歪化などの仕様が要求されました。
イヤースピーカーは振動膜を2枚の固定極で挟み、振動膜にあらかじめ直流電圧を加えた構造となっています。そして、両側の電極のそれぞれにプラスとマイナスの信号が加わると、静電気の力で片側から引っ張られ、もう一方からは反発力を受けて振動膜が動きます。
この構造によって振動膜全体が同時に動作するため薄く軽い振動膜を用いる事が可能となり、ダイナミック型ヘッドホンとは異なる音質を実現しています。
SR-ΛProfessionalはSR-Λからの変更として振動膜を薄くし、固定極間のギャップを拡げています。
機種の定格
型式 | ヘッドホン |
形式 | プロバイアス、エレクトロスタティック型、プッシュプル方式 |
周波数特性 | 8Hz~50kHz |
インピーダンス | 129kΩ(10kHz) 122kΩ(10kHz、別カタログ記載) |
音圧感度 | 107dB(100V、1kHz) 101dB(100Vrms入力、1kHz、別カタログ記載) |
イヤーパッド | ソフトレザー(交換可能) |
ケーブル | 低容量ケーブル、2.5m6芯平行 |
重量 | 325g(本体のみ) 340g(別カタログ記載) |