SONY ST-5300
¥39,800(1969年頃)
解説
FM多局化時代に対応するため、単に感度が良いだけでなく、音質も追求したFM/AMチューナー。
新開発の低雑音FETにより可能になった、ダイレクトFETミキサー方式を採用しています。
高周波部分で混変調を起こすトランジスタ等の能動素子を全く用いず、精密4連バリコンを使った3つの同調回路から直接FETのミキサーに電波を入れることにより、感度や妨害排除特性、強電界特性を向上しています。
IF段に6素子の新開発ソリッドステート・フィルターを採用しており、強力な電波のすぐ隣の微弱な電波も安定に受信できるようになっています。
また、完全無調整型のため、経年変化が無く、長い間の同調ズレなどが起きません。
オートマチック・ハイブレンド回路を搭載しており、電波が弱くステレオ放送のS/Nが充分得られない時に、自動的にハイブレンド回路が働き聞きやすくします。
また、リセット・ボタンも搭載しています。
電波の強さを示すインプット・メーターの他に、正確に同調できるセンターゼロのメーターを採用しています。
3段の対称型ダイオードリミッターを含む5段構成のリミッター回路により、パルス性雑音に強くキャプチャーレシオも改善しています。
ローパスフィルターを採用し、テープレコーダーへのビート妨害を防いでいます。
AM部にもFETとソリッドステート・フィルターを使い、1Vの強電界でも歪まず、感度、S/Nも改善しています。
FETを使ったミューティング回路を採用しています。
グリーンのエッジライト照明付大型ダイヤルを採用しています。
出力端子は固定と可変の2系統を搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
回路方式 | スーパーヘテロダイン方式 |
<FMチューナー部> | |
アンテナ端子 | 300Ω平衡型 75Ω不平衡型 |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
中間周波数 | 10.7MHz |
実用感度 | 2.0μV(IHF) |
感度 | 1.6μV(S/N 30dB) 1.3μV(S/N 20dB) |
S/N比 | 70dB |
キャプチャーレシオ | 1.8dB |
選択度 | 70dB(IHF) |
イメージ妨害比 | 75dB |
IF妨害比 | 90dB |
スプリアス妨害比 | 100dB |
AM抑圧比 | 50dB(IHF) |
周波数特性 | 30Hz~15kHz、±1.0dB |
歪率 | mono:0.3%(400Hz、100%変調時) stereo:0.5%(400Hz、100%変調時) |
FMステレオセパレーション | 38dB以上(400Hz) |
19kHz、38kHz抑圧比 | 60dB |
出力電圧/インピーダンス | 固定出力(Fixed):750mV/10kΩ 可変出力(Variable):0V~2V/1kΩ(最大出力時) |
<AMチューナー部> | |
アンテナ | フェライトバーアンテナ 外部アンテナ端子付 |
受信周波数 | 530kHz~1,605kHz |
中間周波数 | 455kHz |
感度 | 48dB/m(バーアンテナ使用時) 20μV(外部アンテナ使用時) |
S/N比 | 46dB(入力5mV時) |
イメージ妨害比 | 60dB(1MHz) |
IF妨害比 | 46dB(1MHz) |
歪率 | 0.8%(入力5mV時) |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:22個(受信回路16個、付属回路6個) FET:6個(受信回路3個、付属回路3個) ダイオード:29個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 13W |
外形寸法 | 幅422x高さ148x奥行340mm |
重量 | 7.2kg |
付属 | FM用フェーダーアンテナx1 接続コード RK-74x1 ポリッシングクロスx1 |