SONY ST-5130
¥69,800(1972年頃)
解説
チューナーの基本性能を追求するのはもとより、自動車のイグニッション・ノイズをカットするINS装置などの機能を搭載した高級チューナー。
フロントエンド部には精密5連バリコンを採用し、高周波増幅と混合段に新開発のMOS
FETを採用し、優れた妨害排除特性を実現しています。
また、局発部にも新しいオッシレーターを使用しており、スイッチ投入後のドリフト特性が優れているため、同調がずれるなどの問題が発生しません。
IF段には8素子の新開発ソリッド・ステート・フィルターを採用しており、隣接チャンネルとのシャープな分離を実現しています。
このソリッド・ステート・フィルターは完全無調整型で経年変化が無く、長い間の同調ずれなどが起きないため、長期間安定した音質で使用が可能です。
自動車のイグニッション・ノイズを効果的にカットする、ソニー独自のINS(Impulse
Noise Suppressor)機構を開発・採用しています。この装置により、弱い電波を受信中に、付近を通る車のノイズをカットします。
3段の対称型ダイオードリミッターを含む5段構成のリミッターにより、優れたキャプチャーレシオとAM抑圧効果を得ています。
歪を抑え、充分なS/NをとるためMPX部にはFETを使用しています。
また、ミューティング回路にもFETを採用しています。
AM部は、ビート妨害や混信、歪等を少なく抑えています。
ヘッドホン用アンプと専用ボリュームを搭載しています。
マルチパス観測用端子を搭載しており、オシロスコープとつなぐことでアンテナの状態やより正確な同調を確認できます。
75Ωの同軸コネクターを搭載しています。
固定と可変の2系統の出力端子を搭載しています。
センターゼロのチューニングメーターを搭載しています。
ハイブレンド回路を搭載しており、電波が弱くステレオ放送のS/Nが充分得られない時、ステレオ効果をほとんど損なわずにノイズを軽減できます。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
回路方式 | スーパーヘテロダイン方式 |
<FMチューナー部> | |
アンテナ端子 | 300Ω平衡型 75Ω不平衡型(同軸ケーブルコネクター) |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
中間周波数 | 10.7MHz |
実用感度 | 1.5μV(IHF) |
感度 | 1.2μV(S/N 30dB) |
S/N比 | 75dB |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
選択度 | 100dB(IHF) |
イメージ妨害比 | 100dB |
IF妨害比 | 100dB |
スプリアス妨害比 | 100dB |
AM抑圧比 | 60dB(IHF) |
周波数特性 | 20Hz~15kHz、±1.0dB |
歪率 | mono:0.2%(400Hz、100%変調時) stereo:0.3%(400Hz、100%変調時) |
FMステレオセパレーション | 42dB以上(400Hz) |
19kHz、38kHz抑圧比 | 60dB |
出力電圧/インピーダンス | 固定出力(Fixed):750mV/10kΩ(100%変調時) 可変出力(Variable):0~2V/1.8kΩ(最大出力にて、100%変調時) |
<AMチューナー部> | |
アンテナ | フェライトバーアンテナ 外部アンテナ端子付 |
受信周波数 | 530kHz~1,605kHz |
中間周波数 | 455kHz |
感度 | 50dB/m(バーアンテナ使用時) 30μV(外部アンテナ使用時) |
S/N比 | 50dB |
イメージ妨害比 | 45dB(1MHz) |
IF妨害比 | 41dB(1MHz) |
歪率 | 0.6% |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:46個(受信回路:22個、付属回路:24個) FET:9個(受信回路:4個、付属回路:5個) ダイオード:41個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 25W |
外形寸法 | 幅400x高さ149x奥行344mm |
重量 | 7.5kg |
付属 | FMフィーダーアンテナx1 接続コード RK-74x1 ポリシングクロスx1 75ΩF型プラグx1 |