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SONY SS-G7a
¥158,000(1台、1980年頃)
解説
大型フロアタイプスピーカーとして異例ともいえる1万人を越える人に愛用されたSS-G7を4年という熟成期間を経て新たに設計しなおして開発されたスピーカーシステム。
低域には38cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはCARBOCONを採用しています。このコーン紙の形状には聴感とNASTRANをつき合せた結果から半頂角60゜のストレートコーンに同心円状のリブコルゲーションを施しています。これにより使用帯域上限まで正確なピストンモーションを確保しています。
磁気回路にはT形ポールピースやカレントサプレッサーリングで磁気的なリニアリティを改善し低歪化を図っています。また、強度と効率を高めた大口径100mmφのエッジワイズボイスコイルを採用しています。
エッジにはウレタンエッジをシア用しています。
中域には10cmバランスドライブ型ミッドレンジを搭載しています。
エッジワイズボイスコイルを採用するとともに、エッジのダンプ材や含浸剤にも検討を加え、改良が施されています。
3.5cmバランスドライブ型ツィーターを搭載しています。
振動板はチタン振動板の両面にイオンプレーティングを施すことで高速応答性を実現し、ピストニックモーション帯域を拡大しています。また、エッジワイズボイスコイルを採用することで強度と効率を向上させています。
ネットワーク部は最新のアンプ技術から得たノウハウを生かして設計しています。
まず、無酸素銅線のコイルをSBMCで固定し、振動に強いネットワークを構成しています。また、樹脂ケース入電解コンデンサーやポリエステルフィルムコンデンサーを採用しています。
さらに、各ネットワーク基板を分離配置することで相互干渉を排除しています。
内部配線材には無酸素銅線を採用しており、音質劣化を防いでいます。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
バッフルボードには2重構造30mm厚の硬質パーティクルボード、他の面には20mm厚の高密度パーティクルボードを採用しており、ユニットの大きさに負けない強固なエンクロージャーとしています。また、ソニー独自の溝加工をバッフル板と裏板に施し、さらに補強と吸音処理を行うことで不要な鳴きを分散、減少させています。
ユニットレイアウトにはプラムインライン方式を採用しています。この方式では前につき出たウーファーとミッドレンジ、ツィーターの全てのユニットが音源の逆2乗法則による測定結果に基づいて位置関係を定められています。これによりリスナーから見た音源位置を左右前後ともに揃えています。
フロントバッフルには無数の縦横溝を刻んだAGボード(アコースティカル・グルーブド・ボード)を採用しています。これは比較的波長の短い中高音の反射波を縦横溝で散乱させる一種のディフューズ効果をねらったもので、耳障りなピーク感の発生を抑えるとともに指向特性を改善しています。
ミッドレンジとツィーターのマウントにはユニットボードを採用しています。これにより各ユニットを近づけつつバッフル板の強度を確保しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:38cmコーン型 中域用:10cmバランスドライブ型 高域用:3.5cmバランスドライブ型 |
実効周波数帯域 | 28Hz~22kHz |
出力音圧レベル | 94dB/W/m |
インピーダンス | 8Ω |
定格最大入力 | 120W |
瞬間最大入力 | 300W |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、4.5kHz |
レベルコントロール | 中域用:0dB~-50dB連続可変 高域用:0dB~-50dB連続可変 |
外形寸法 | 幅500x高さ945x奥行445mm |
重量 | 52kg |
付属 | スピーカーコード(3m) |