SONY APM-33W
¥55,000(1台、1982年発売)
解説
APM-6Monitorで培ったノウハウを生かし、SONY独自のAPMユニットを採用したブックシェルフ型スピーカーシステム。
APMスピーカーでは、振動板を平面とすることで、従来のメガホン状のコーンで発生していた空気の共振現象=キャビティ効果の発生を断ち、周波数特性の乱れを防いでいます。
この平面振動板には、航空機や新幹線のボディに採用されているハニカムサンドイッチ構造を採用しており、六角形の蜂の巣状のハニカムコアをアルミ箔でできた2枚のスキン材で挟みこむ事で、曲げ剛性が従来のコーン型の500~1000倍に達し、実使用状態でも変形は1/20~1/30に抑えています。これにより分割振動を少なく抑えることに成功しています。
さらに振動板形状には、丸形に比べて分割振動のパターンが単純な四角形を採用することで、分割振動パターンを単純化しており、分割振動パターンの節目(動かない点)を駆動点とすることで特定のモードの分割振動を消しています。
低域には20cm相当の324cm2平面型ウーファーを搭載しています。
アルミハニカムをアルミスキンでサンドイッチした平面振動板を採用しており、分割振動の低次モードの節目(動かない点)が集中する4点を駆動点に選び、ボイスコイルに直結した4つのアーマチュアによってドライブする方法により、使用帯域内の分割振動を無くし、ピストニックモーション帯域を拡大しています。
高域には4.5cm相当の16cm2平面型トゥイーターを搭載しています。
振動板はアルミハニカムをアルミスキンでサンドイッチしたウーファーと同じ構造で、大型ボイスコイルにより分割振動をキャンセルするポイントを駆動することで、可聴帯域内の分割振動をほぼ皆無にしています。
ネットワーク部は、APMユニットの能力を生かすように設計されており、内部配線材は伝送特性に優れた無酸素銅線を使用し、音質的に吟味された数種類のコンデンサーを並列使用しています。さらに、コイルには空芯コアの高品質なものを採用し、ロスを少なく抑えています。
また、レベルコントロールを搭載しており、部屋にあわせた調整が可能です。
エンクロージャーは裏板の内面外周部に細溝を施すなどの処理により板振動をコントロールしており、響きを改善しています。
また、吸音材は3種類を使い分け、吸音材固有の音を制御し、自然な吸音効果を得ています。
別売りで専用のスピーカースタンドがありました。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:324cm2平面型 高域用:16cm2平面型 |
再生周波数帯域 | 39Hz~20000Hz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
インピーダンス | 6Ω |
瞬間最大入力 | 160W |
定格最大入力 | 80W |
クロスオーバー周波数 | 2.2kHz |
レベルコントロール | +0~-50dB連続可変 |
外形寸法 | 幅315x高さ540x奥行320mm |
重量 | 14.4kg |
付属 | スピーカーコード |
別売:スピーカースタンド WS-300(2台1組、¥6,000) | |
外形寸法 | 幅295x高さ140x奥行290mm |
重量 | 約3.0kg |