SONY TC-K333ES
¥79,800(1984年発売)
解説
TC-K555ESIIの設計ポリシーを可能な限り継承し、徹底して音質を磨いたステレオカセットデッキ。
ヘッドにはコイルの巻線にLC-OFCを使用したレーザーアモルファスヘッドを搭載しています。
LC-OFCは、純度99.99%の無酸素銅の結晶を巨大化して結晶境界の数を減らし、容量リアクタンスによる歪を少なくしたもので、これをコイルの巻線に使用することでさらなる高音質化を図っています。
安定したテープ走行を実現するため、クローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
これは、ヘッドを中心に配置した2組のキャプスタンとピンチローラーでテープを挟み込み、テープ走行を安定させる方式です。
これにより、リールから伝わるテープ振動を断ちワウフラッター特性が向上しています。また、テープの振動スパンを短く区切れるためでモジュレーションノイズを可聴帯域外へ追放でき、さらに2つのテープテンションを利用し常に一定したヘッドタッチが得られるなど、テープ走行の安定性やテープとヘッドとの密着性を高めています。
アンプ部は録音、再生アンプを左右対称設計の全段L/Rツインモノ・コンストラクションとすることで、左右チャンネルの信号の流れを等質化して相互干渉を押さえ、前後段の干渉も極力抑えています。
さらに、アンプ部を一枚のプリント基板にまとめ、配線材の引き回しを大幅に減少させており、ヘッドと基板間などの配線材にはLC-OFC千を使用しています。
また、新開発の電解コンデンサーなどの厳選パーツを採用することで、音質重視設計を徹底しています。
ドルビーNR B/C回路を構成するICには新開発のデュアルシンメトリープロセスドルビーICを使用しています。
左右チャンネル用それぞれ互いにシンメトリーな構造になるように設計したICを、さらにワンパッケージ化しており、アンプ部をよりシンプルにまとめる事ができ、音質の向上を図っています。
使用頻度の高いTypeI/IIの2ポジションで調整可能な±20%のバイアス微調整機能を搭載しています。
テープ走行量を分秒単位でデジタル表示するリニア電子カウンターを搭載しています。
また、テープの残量を直読できる減算機能を搭載しています。
一瞬一瞬のピーク値と約2.4秒間のピークホールドを同時表示するダブルインジケーション方式によるワイドレンジピークプログラムメーターを搭載しています。
カウンター連動メモリーストップ/プレイ、オートスペース付Rec Mute、MPXフィルタースイッチなどの機能を搭載してます。
別売りのリモートコントロールユニットにより、ワイヤード/ワイヤレス/フットリモコンなど多彩なリモートコントロールが可能です。
別売りタイマーによる連続留守録音/目覚まし再生が可能です。
また、別売りRM-65の使用により、ソニーのプレイヤーとスタート/ストップのタイミングを合わせたシンクロプレイが可能です。
入出力ジャックは金メッキ処理が施されています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
ヘッド | 再生ヘッドx1 録音ヘッドx1 消去ヘッドx1 |
モーター | リニアBSLモーターx1 DCモーターx1 |
SN比 | 56dB(EIAJ) 60dB(Dolby off、ピークレベル、メタルテープ) 73dB(Dolby NR C) |
周波数特性 | 25Hz~19kHz ±3dB(EIAJ、メタルテープ) |
周波数範囲 | 20Hz~20kHz(EIAJ、メタルテープ) |
ワウ・フラッター (EIAJ) |
±0.06%Wpeak 0.04%WRMS |
歪率 | 0.5%(EIAJ) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 26W |
外形寸法 | 幅430x高さ105x奥行330mm |
重量 | 6.2kg |