
SONY TC-355
¥49,800(1968年発売)
解説
オーディオマニア向けとして企画設計された3ヘッドテープデッキ。
ヘッド部には消去・録音・再生の各ヘッドが独立した3ヘッド方式を採用しており、録音ヘッドで録音中に再生ヘッドで再生することで、録音状態のチェックが行えます。
また、録音中にソース音との切換が可能です。
再生ヘッドには優れた高域特性を持つソニー2ミクロンヘッドを3重シールドを施して採用しています。
160kHzの高いバイアス周波数を採用しており、歪とノイズを低減しています。
また、録音系と再生系の独立した各アンプに全てシリコントランジスタを採用しています。
メカニズム部には新開発の防振型モーターを採用しており、機械的ノイズの低減を図っています。
また、ソニーの特許であるエスカレート・ドライブ機構によってストップ時にはピンチローラーが下がり、テープがワンタッチでセットできます。これにより薄手のテープも痛めません。
メカニズムは水平・垂直のどちらにも対応しています。
振動防止ローラーを採用しており、テープとヘッドの接触面で起こる微振動を吸収します。
これによって振動によって生じる変調歪を抑えています。
電源部にはトランジスタ3個を用いた安定化回路を採用しており、電源電圧の変動による影響を抑えています。
ノイズサプレッサスイッチを搭載しており、高域カットフィルターによってノイズの多いテープでも聞きやすい音で楽しめます。
ヘッドホンによる再生やモニターに便利なバイノーラルモニタージャックを搭載しています。
サウンドオンサウンド録音が可能な専用ボリュームを裏面に搭載しています。
自動停止スイッチを搭載しており、マイクロスイッチによってテープが巻き終わった時は自動的に機構部電源が切れます。
4桁の復帰式テープカウンターを搭載しています。
チャンネル別の独立した録音レバーによってモノラル録音も可能です。
木製キャビネットを採用しています。
また、キャビネットを外し、他のラックやケース等にマウントが可能です。
自動解除の一時停止装置を搭載しており、録音・再生中にテープを一時停止できます。
操作レバーをストップ位置にすると一時停止も解除されます。
ダストカバーが付属しています。
機種の定格
型式 | ステレオテープデッキ |
トラック形式 | 4トラック・2チャンネル |
テープ速度 | 19cm/s、9.5cm/s、4.8cm/s |
使用リール | 最大7号 |
録音補償特性 | NAB(19cm/s) |
録音バイアス | 約160kHz |
入力端子 | マイク:600Ω、最大感度-72dBs(0.19mV)x2 ライン:約560kΩ、最大感度-22dBs(0.06V)x2 録再コネクター:約10kΩ、入力感度-40dBs(7.75mV)x1 |
出力端子 | ライン:100kΩ以上、出力0dBs(0.775V)x2 ヘッドホン:8Ω、出力-18dBs(0.0975V)x1 録再コネクター:約10kΩ、出力0dBs(0.775V)x1 |
ワウ・フラッター | 19cm/s:0.15%以下 9.5cm/s:0.25%以下 |
周波数特性 | 19cm/s:25Hz~25kHz(30Hz~20kHz ±3dB) 9.5cm/s:30Hz~17kHz 4.8cm/s:30Hz~9kHz |
歪率 | 基準レベルで1.6%以下(19cm/s) |
S/N | 52dB以上(19cm/sピークレベル) |
クロストーク | トラック間:50dB以上 チャンネル間:45dB以上 |
消去率 | 60dB以上 |
早送り巻戻し時間 | 370m7号テープで2分30秒以内 |
使用半導体 | 2SC632:8個 2SD28:3個 2SC634:16個 ダイオード:5個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約30W |
外形寸法 | 幅386x高さ180x奥行355mm |
重量 | 約10kg(本体) |
付属 | リール:R-7Ax1 接続コード:平行シールド線(RK-56)x2 ヘッドクリーニングリボン:1個 リールキャップ:2個 ダストカバー:1個 |