SONY PS-X3
¥45,800(1977年頃)
解説
マニュアルタイプのクリスタルロックプレイヤー。
モーターには新開発のリニア・スロットレスモーターを採用しており、ターンテーブルを直接回すダイレクトドライブ方式となっています。
このモーターは原理的にトルクむらの極めて少ないリニア・ドライブ方式を採用しているため、滑らかで静かな回転を実現しています。さらに、偏平型の空芯コイルと強磁力のマグネットリングの使用によって、効率良くトルクが得られており、しかもシンプルな構造のため、信頼性や耐久性を高めています。
サーボ検出部には、ソニーマグネスケールの精密計測機の技術を導入したマグネディスク回転数検出方式を採用しています。
ターンテーブルの外周部に広範囲にわたって512波の速度検出信号を着磁し、これを8歯のマルチギャップヘッドで平均値検出します。この検出方式によって、立ち上がり特性が大幅に改善され、外乱にも影響されない安定した回転を得ています。
回転数精度を高めるため、マグネディスク検出した速度サーボ回路に、水晶発振の位相制御回路を加えたクリスタルロック方式を採用しています。
検出した信号を位相ロックすることにより、自己発熱による初期ドリフトや、周囲温度の変化や電源電圧の変動による回転数のズレ、針圧負荷による回転数低下などを検知限界まで追い込んでいます。
ターンテーブルには32cmアルミダイキャスト製のものを採用しています。
また、ストロボ照射プリズム付きでストロボパターンが見やすい外周ストロボスコープを搭載しており、ネオン管には水晶発振器から独自に作られた120個のパルスが送り出されるため、ストロボパターンが静止して見えるほどシャープになっています。
33・1/3、45rpmの2スピード切替えが可能です。
オイルダンプ式アームリフターを搭載しています。
また、カートリッジによってトーンアームの高さ(6mm)が変えられるアーム高さ調節機構を搭載しています。
針圧調整がしやすいように回転可能なアームレストが付属しています。
低容量フォノコードを使用しています。
交換用シェルスタンドを2個装備しています。
スライドバー付きのアルミダイキャスト製ヘッドシェルを搭載しています。
カートリッジにはMM型カートリッジであるXL-15を搭載しています。
独自の円錐型ダンパーや炭素繊維混入の樹脂によるポールピースブロックなどを採用しています。
キャビネットは、SBMCによる一体構造キャビネットを採用しています。
着脱可能なアクリル製ダストカバーが付属しています。
機種の定格
| 型式 | レコードプレイヤー |
| <ターンテーブル部> | |
| ターンテーブル | 32cmアルミダイキャスト |
| モーター | リニア・スロットレスモーター |
| 駆動方式 | ダイレクトドライブ |
| サーボ方式 | クリスタルロックマグネディスク回転数検出方式 |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| ワウ・フラッター | 0.025%wrms |
| SN比 | 73dB(DIN-B) |
| <トーンアーム部> | |
| トーンアーム | スタティックバランスS字型 |
| 有効長 | 216.5mm |
| 全長 | 300mm |
| オーバーハング | 16.5mm |
| 針圧調節範囲 | 0~3g |
| シェル自重 | 10.7g(SH-145) |
| 使用可能カートリッジ重量 (付属シェル使用時) |
2.4g~9.4g 8g~14.8g(補助ウェイト使用) |
| <カートリッジ部> | |
| カートリッジタイプ | MM型(XL-15) |
| 周波数特性 | 10Hz~30kHz |
| 出力電圧 | 4mV(1kHz、5cm/s) |
| 最適負荷インピーダンス | 50kΩ~100kΩ |
| 針圧(最適針圧) | 1.2g~2.5g(1.7g) |
| 針 | 0.6milダイヤ針 |
| 自重 | 5.2g |
| 交換針 | ND-15G(¥5,500) |
| <総合> | |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 6W |
| 外形寸法 | 幅445x高さ150x奥行365mm |
| 重量 | 10.5kg |
| 付属 | 45回転アダプター トラッキングエラー確認ゲージ 補助ウェイト カートリッジスペーサー |
| 別売 | ヘッドシェル SH-135 カートリッジ XL-25、XL-35、XL-45E |