SONY PS-4350
¥47,800(1974年頃)
解説
SBMCを採用したベルトドライブ・プレイヤーシステム。
新開発の低速回転サーボモーターを採用しており、低速回転により振動・ノイズを低減しています。
また、回転がサーボにより制御されているため回転ムラが少なくなっています。
レコードをターンテーブルに密着させて共振を抑えるため、吸盤型インシュレーションマットを採用しています。
このマットでは吸盤の中央部に小さな穴があり、この穴を通る空気の粘性抵抗が不要な縦方向の振動を抑え共振をダンピングしています。
これにより、レコードの溝の縦方向の信号はステレオ効果に関係しているため定位を改善する効果を得ています。また、変調ノイズが取り除かれ、音の濁りを抑えています。
キャビネットとターンテーブルにはソニー技術陣が開発した新素材SBMCを採用しています。
この素材は、ポリエステル樹脂をベースとして炭酸カルシウム、グラスファイバーを配合した熱硬化性強化レジンで、収縮率が2~3/10,000とほぼ0に等しいため、整形後の狂いが生じにくく高精度加工が可能となっています。また、比重が自由に調整できるため、最適な慣性モーメントが得られるように比重設定が可能です。
さらに、アルミに比べて内部損失が大きいため、共振しにくく、ハウリング、S/Nを改善してます。
33・1/3、45rpmの2スピード各々に独立したピッチコントロールを搭載しており精密な速度調整が可能です。
シェルが交換可能なユニバーサルタイプのスタティックバランス型アームを採用しています。
また、本体にインサイドフォースキャンセラーが組み込まれており、オーバーハングのチェッカーを装備しています。
カートリッジ傾き調節機構によりレコードに対し針先が垂直になるように調節が可能です。
カートリッジは小型円形マグネットをV字型に置いたMM型カートリッジを搭載しています。
0.5milダイヤ針を使用しています。
オートカット・オートリターンのできるセミオート方式となっています。
大型ゴムインシュレーターを採用しています。
機種の定格
| 型式 | レコードプレイヤーシステム |
| <ターンテーブル部> | |
| ターンテーブル | 34cmSMBC、1.0kg |
| モーター | DCサーボモーター |
| 駆動方式 | ベルトドライブ |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| 速度調節範囲 | ±4% |
| 起動特性 | 1/2回転以内(33・1/3rpm) |
| ワウフラッター | 0.06%WRMS以下 |
| SN比 | 65dB以上 |
| <トーンアーム部> | |
| トーンアーム | スタティックバランス型ユニバーサルトーンアーム |
| 有効長 | 237mm |
| 全長 | 314mm |
| オーバーハング | 15mm |
| トラッキングエラー角度 | +2゜30'、-1゜20' |
| オフセット角 | 21゜30' |
| 針圧調整範囲 | 0~3g |
| シェル重量 | 14.5g |
| 使用可能カートリッジ重量 | 4g~14g |
| カートリッジ傾き調節範囲 | ±12゜ |
| <カートリッジ部> | |
| カートリッジ | MM型 |
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz |
| セパレーション | 18dB(1kHz) |
| 出力電圧 | 2.5mV(1kHz、5cm/s) |
| 最適負荷インピーダンス | 50kΩ |
| コンプライアンス | 10x10-6cm/dyne(垂直、水平) |
| 針圧(最適針圧) | 1.5g~2.5g(2g) |
| 針 | 0.5milダイヤ針 |
| 重量 | 5.5g±0.5 |
| 交換針 | ND-134G |
| <総合> | |
| 使用半導体 | IC:1個 トランジスタ:1個 ダイオード:4個 |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 6W |
| 外形寸法 | 幅477x高さ175x奥行420mm |
| 重量 | 8.2kg |
| 付属 | 45回転アダプター |
| 別売 | ソニーオイル OL-2KA カートリッジ XL35、XL-45 |