オーディオの足跡

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 解説 

MDLPモードを搭載した幅280mmサイズのMDデッキ。

ATRAC用DSPに信号処理能力を従来の2倍に高めたATRAC用TYPE-R DSPを採用しています。また、インテリジェント・ビット・リアロケーション・アルゴリズムの採用により、高められた処理能力を最大限に使い、スペクトラム変換された音楽データを再分析することで、今まで発見が困難だった微小レベルの冗長なビット配分をサーチし、聴感上重要な周波数帯域に優先的に再分配しています。これにより、ビット配分をさらにきめ細かく洗練され、元の音楽ソースの波形に近づけることが可能になっています。

ワイドビットストリームテクノロジーを導入しており、コアとなるATRAC用DSPのダイナミックレンジとデジタルイン・アウトなどの周辺回路のオーディオデータ語長をこれまでの16ビットからさらに多ビット化し、ダイナミックレンジの広い録音・再生を可能にしています。

音声圧縮技術ATRACを改良し、今までの約2倍の圧縮性能を実現したMDLPモードを搭載しています。
ATRACは、聴感上、耳に聞こえにくい音の成分を省くことでデータサイズを圧縮しています。MDLPモードに採用されたATRAC3では、さらに音質劣化を最大限防ぎながら圧縮率を高めるための工夫がされています。
その一つとして、ハフマンコーディングと呼ばれるデータ符号化方式を採用しています。ハフマンコーディングではデータの出現率に注目しており、頻繁に出現するデータ列にはより短い符号を割り当て、出現率の低いデータには長い符号を割り当てることで圧縮効率を高めています。
さらに、高圧縮でも高い音質を維持するため、圧縮処理に先立って、その前処理にあたる帯域分割とスペクトラムブロック化についても高精度化を図っています。帯域分割は、これまでのATRACでは3分割(5.5kHzまでの低域、5.5kHz~11kHzの中域、11kHz~22kHzの高域)して次の回路に渡していましたが、ATRAC3では4分割(高域を11kHz~16.5kHzと16.5kHz~22kHzに分割)することで処理に余裕を持たせています。また、スペクトラムブロック化は、ATRACの2倍にあたる1,024サンプルに細分化し、よりきめ細かく信号を見極めて圧縮を行う回路構成を採用しています。
MDでは、一定の時間(ATRACの場合11.6ms)で区切ってLch、Rchを1組とするデータが交互に記録されます。このとき音楽が急に性質を変えた時にも適切な信号処理が継続して行われるように、ATRAC3では約1msごとに細かく信号処理内容を制御しています。
さらに、ATRAC3にはトーン成分分離というステップを新規に設けており、トーン成分を抽出し、他の成分とは分離して符号化(圧縮)することで高音質の維持を図っています。

MDLPには、ディスク標記時間の2倍の長さで録音が行えるLP2ステレオ録音(再生)モードと、標記時間の4倍の長さの録音が行えるLP4ステレオ録音モードが設けられています。
LP2ステレオ録音(再生)モードはATRAC3の高圧縮率をそのまま反映したモードで長時間の音楽録音・再生に向いています。また、LP4ステレオ録音(再生)モードは、音楽信号で重量な役割を果たすセンター定位信号(ボーカルやベースなど)に限られたビット数を多く割り当てる圧縮方式を採用しており、記録するデータ量を小さくすることで更なる長時間録音を実現しています。

MDLPはディスク上のデータ配置が従来のフォーマットと異なるため従来モデルでの録音・再生はできません。ただし、MDLP対応モデルでの従来フォーマットの録音・再生は可能となっています。
また、MDLPフォーマットでの高速録音は2倍速までで、MDLPフォーマットで録音されたディスクは、S.F Editは行えません。

録音した後でディスクの音量調整やフェードイン/フェードアウトが行えるS.F Edit(スケールファクターエディット)機能を搭載しています。スケールファクターは、52分割されたフローティングユニットのレベルの上のピークを表すパラメータで、この値を変更することで音量調整が行えます。この機能では、録音レベルが不揃いになってしまったディスクでも後から再調整が行え、ディスクから録音済みのデータを読み出し、データを編集して再びディスクに書き込みます。

32kHzや48kHzの各サンプリング周波数を44.1kHzに自動変換するサンプリングレートコンバーターを搭載しています。

デジタルRECレベルコントロールを搭載しており、ゲイン0dBを中心として-∞dBから最大+18dBまでコントロールができます。
また、設定した録音レベルを入力系ごとに記憶させることができるメモリー機能を搭載しています。

ミュージックシンクロ機能を搭載しており、リモコンのミュージックシンクロ・ボタンを押した後に接続した機器の演奏をスタートさせるだけで、音楽信号の入力を感知して自動的に録音を開始します。

タイムマシン録音機能を搭載しており、録音ポーズ状態でマルチジョグダイヤルを押すと最大6秒前の音に遡ってディスクに録音できます。

MDを表示の2倍の長さで使えるモノラル録音・再生機能を搭載しています。

曲の分割(DIVIDE)、連結(COMBINE)、移動(MOVE)などの編集が可能です。また、間違えた場合に直前の編集操作をキャンセルできるUNDO機能を搭載しています。

COMBINEやDIVIDEでの編集ポイントを確認できるリハーサル機能を搭載しています。編集ポイントの移動は、DIVIDEの編集点を分・秒・フレーム(約0.012秒)単位で微調整できます。
なお1フレームの時間は、MDLP LP2モード/モノラルモードでは0.023秒、LP4モードでは0.047秒ステップとなります。

1曲内の指定した2点間を消去できるA-B ERASE機能を搭載しています。

ディスク名や曲名を約1,700文字までディスクに記録できるタイトル機能を搭載しています。
アルファベットや数字、記号に加え、カタカナ文字にも対応しており、録音・再生中でも本体及びリモコンから入力ができます。

PCリンクに対応しており、PCリンクキット(PCLK-MN10)を使用することでパソコンとUSB接続することが可能です。
これにより、パソコンからMDデッキの基本操作をはじめ、ディスク編集がパソコン画面上で行えます。また、付属のオペレーションソフトを使ってパソコンのキーボードからの漢字/ひらがな入力も可能です。さらに、CD→MD/PC CD→MDへの録音、データベース機能によるハードディスク上の音楽コンテンツ管理およびMDへの録音、MDラベル作成などの機能を利用できます。

コントロールA1II端子を搭載しています。

本体のボタンやリモコンの操作内容を音で確認できるビープ機能を搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

デジタル録音はSCMS(シリアルコピーマネージメントシステム)により、1世代に限り可能で、2世代以降のデジタル録音はできません。ただし、CS放送からの録音の場合、番組によっては録音できないことがあります。

機種の定格
型式 MDデッキ
A/Dコンバーター 24bit⊿∑
D/Aコンバーター ハイブリッドパルスD/Aコンバーター
音声圧縮方式 ATRAC/ATRAC3
録音・再生時間 ステレオ:最長320分(MDLP LP4モード)
モノラル:最長160分
周波数特性 5Hz~20kHz ±0.3dB
ダイナミックレンジ 94dB以上(再生時)
SN比 96dB以上(再生時)
全高調波歪率 0.01%以下(再生時)
ワウ・フラッター 測定限界(0.001%W・peak)以下
入力端子 ライン:1系統
光デジタル:2系統
出力端子 ライン:1系統
光デジタル:1系統
ヘッドホン:1系統
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 9W
外形寸法 幅280x高さ84.5x奥行290mm
重量 約2.4kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-D46M
別売 パソコン接続キット PCLK-MN10(¥15,000)