オーディオの足跡

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 解説 

DATの持つ能力を引出すために、当時ソニーが持つ技術を集大成して作り上げたリファレンスモデルのDATデッキ。

SCMS(シリアルコピーマネージメントシステム)を搭載しており、従来は不可能だったCDプレイヤーからのデジタル→デジタル録音が一世代分のみ可能となっています。
SCMS対応DATデッキでは、CDをマスターにしてデジタル→デジタル録音できますが、録音して得たテープをマスターにしてのデジタル→デジタル録音は行えません。また、アナログ入力で録音したテープの場合、そのテープをマスターにして一世代のデジタル→デジタル録音は可能ですが、このテープをマスターにして二世代目のデジタル→デジタル録音ができません。
衛星放送の場合、デジタル音声出力をデジタル録音したテープをもとにデジタルで二世代目のテープを作る事も可能です。
いずれの場合でもアナログ入出力のみでの繰り返し録音は可能です。

4ヘッド構成のヘッドドラムを採用しています。これは、従来からの録音/再生用の1組2個のヘッドとは別に、モニター専用の1組2個のヘッドを設けたもので、3ヘッドのテープデッキやカセットデッキと同様に録音同時モニターが可能となっています。
ソース音とテープ音はRec Monitorスイッチでワンタッチで切替えでき、録音中はいつでも切替え試聴が可能です。

4D.D.モーターメカニズムを採用しており、キャプスタン用、供給側リール用、巻取り側リール用、ヘッドドラム回転用に、それぞれ専用のダイレクト・ドライブモーターを配置しています。これによりメカニズムをシンプルに余裕を持って設計することができ、高い信頼性を獲得しています。
また、カセットコンパートメントにはテープ走行状態とラベル文字が、窓を通して目で見て確認できる、正立透視型のコンパートメントを採用しています。

A/Dコンバーターには1bitタイプA/Dコンバーターを搭載しており、A/D変換にともない発生する不要スペクトラムを音楽信号の帯域から遙かかなたにシフトさせることができるため、折返し雑音の発生を防ぐために挿入されるローパスフィルターも、ゆるやかな特性を持った軽いタイプとなっています。
これにより、位相特性や群遅延特性の劣化を最小限に抑えています。

D/Aコンバーターに、業務用機器にも使用された16fs 18bitオーバーラップスタガードタイプを搭載しています。
これは、片チャンネルあたり8fs 18bitのD/Aコンバーターを2個、両チャンネル合計で4個使用した構成となっており、安定したD/A変換が行えます。

電源部には、オーティオ系用とデジタル及びその他用にそれぞれトランスを独立搭載しており、安定化電源回路もそれぞれ専用の独立基板上に構成しています。さらに、+電源と−電源の部品と配線パターンを対称配置する事で各回路の干渉を排除しています。

オーディオ/デジタル基板をシールド板で分離し、さらに銅メッキ処理した高剛性シャーシを採用することで、うず電流による磁気歪の発生を抑えています。
さらに、DTC-1500ESではトッププレートも板厚3mmにおよぶ高剛性アルミを使用し、オーディオ系は大型銅板使用による1点アースとするなど、非磁性化を徹底しています。また、外周を取り囲むフレームやフロントとリアをジョイントするビーム(梁)によって構造をさらに強固なものにしています。

モーターサーボを大幅にソフトウェア化したソフトウェアサーボを採用しています。
ソフトウェアサーボでは、ソフトウェアの設定のみで多彩なコントロールができるため、サーチなどでもテープに負担をかけないように走り始めと停止直前はゆっくり、走行途上は最大約200倍速(標準速度時)の高速サーチを実現しています。
また、音出し時間の短縮や、キュー/レビュー音の改善にも役立っています。

エラー訂正やRAMコントロール、デジタルI/Oなどの信号処理を1個に集積した新開発の第2世代LSIを採用しています。このLSIは、1個でゲート数に換算して2万ゲートの集積度となっています。
また、ソフトウェアサーボやメカニズムコントロールなどを制御するマイコンも1個のLSIに集約しており、部品点数の大幅削減やシンプルな基板構成を可能にし、信頼性の向上やエラー訂正能力の向上を実現しています。

DATならではのサブコード機能を搭載しています。
スタートIDは曲の頭などを示すサブコードで、スタートIDの書き込みは曲の開始時など自動的に書き込まれるオートと、自分の好きな位置に書き込めるマニュアルの2モードが可能です。また、必要に応じて消去も可能となっています。
スキップIDはテープの再生時に飛ばして聴きたい部分の頭に書き込んでおくIDで、再生中にスキップIDを見つけると次のスタートIDまで自動的に早送りされます。スキップIDは後から消去することも可能です。
エンドEDは、必要な部分の最後に書き込んでおくと、そこをテープの最後と見なし、再生時はオートリワインド、早送り時はストップします。

再生時にマニュアルで行うスタートIDの書き込み及びスキップID/エンドIDの書き込み、A⇔Bリピートのポイント書き込みにリハーサル機能を搭載しています。
リハーサル中は、音を聴いて確認しながらポイントを前後に0.3秒単位で移動可能で、移動時間はディスプレイに表示されます。これにより容易にジャストポイントに書き込むことができます。また、すでに書き込まれたスタートIDも、リハーサルしながら修正ができます。

スタートIDにはプログラムナンバーを振ることができ、再生の際にそのナンバーを10キーで指定するだけでダイレクトに選曲できます。プログラムナンバーは録音時にオートで降られるほか、スタートIDをマニュアルで書き込む際にも振ることが出来ます。

ワンタッチでテープの頭からナンバーを降りなおすリナンバー機能を搭載しています。

余裕を持って曲頭を再生できるよう、スタートIDを0.3秒ずつ前につけ直しながらリナンバーするシフトリナンバー機能を搭載しています。

テープトップからの絶対時間を示すアブソリュートタイムの記録が可能です。

デート機能を搭載しており、内蔵した専用の時計を基に、自動的にサブコードに現在の年/月/日/曜日/時/分/秒/AM/PMを記録でき、再生中いつでも呼び出して見る事が可能です。

アブソリュートタイムを利用して、テープを分単位で前後に移動させ、そこから再生したり聴きたい曲を探せるタイムサーチが可能です。

頭出ししたい箇所のアブソリュートタイムを直接、時/分/秒で10キーで入力することで、目的個所にサーチできます。

今聴いている曲を基準とし、AMSボタンを押す回数に応じて前後の曲が頭出しできるAMSプレイが可能です。

プログラムナンバーサーチを搭載しており、10キーとプレイボタンを併用することで、押した数字のプログラムナンバーが記録されている曲を直接頭出しできます。

ミュージックスキャン機能を搭載しており、スタートIDを次々と探して約8秒間ずつ再生できます。
また、ボタン操作により1~15秒の範囲で再生時間を変えることができます。

指定のプログラムナンバー及びテープ全体のリピートが可能です。
さらに、指定のポイント間を繰り返すA-B間リピートも可能です。

エンドサーチ機能を搭載しており、エンドIDあるいは1度も録音したことがない未録音部を素早く探すことが可能です。

付属のリモコンを使用することで、プログラムナンバー(曲)を好きな順に並べ替えて再生する99曲のRMSプレイが可能です。

最長4時間(DT-120R使用時)の連続録音が可能なロングプレイモードを搭載しています。

アナログ入力録音及びテープからのデジタル出力/ラインアウト出力再生でフェードイン/フェードアウトが可能です。さらに、DTC-77ES/1500ESでは、デジタル入力による録音でも可能です。
フェードイン/アウトタイムはそれぞれ個別に、急速変化の0.2秒からゆるやかな15秒の範囲で設定できます。また、ポーズ機能と連動しているので、DATテープをマスターとしてカセットへ編集録音する際にも活用できます。

光と同軸の2種類のデジタル入出力端子を搭載しています。光入力と同軸入力の切替えはフロントパネルのスイッチで可能です。また、光入力はケーブルによるジッターを吸収するサーボ型のデジタル・シグナル・ノーマライザー回路を使用しています。
さらに、ラインアウトのみを使用する場合はスイッチによりデジタル出力をOFFすることも可能です。

デジタルピークマージン表示が可能で、録音の際にあとどのくらい録音レベルに余裕があるかをdB単位でデジタル表示が可能です。

固定と可変の2種類のライン出力を搭載しています。レベル調整はリモコンからも行えます。

本体の殆どの操作が可能なワイヤレスリモコンが付属しています。
また、このリモコンによりソニーのリモコン対応CDプレイヤーの選曲、ポーズといった操作も行えます。さらに、本体とCDプレイヤー双方に向けて操作することで、本体の録音ポーズ解除に続いてCDの演奏をスタートさせるワイヤレスCDシンクロ録音も可能です。

デジタルピークレベルメーターを利用したfsマップ機能によりテープ上のおおよその位置にどのサンプリング周波数で録音されているかを視覚的に知ることができます。
メーターの上段が点灯している部分は32kHz、下段は48kHz、両方点灯している場合は44.1kHzで録音されていることを表します。

機種の定格
型式 DATデッキ
チャンネル数 2チャンネルステレオ
サンプリング周波数/量子化ビット数 48kHz/16ビット直線(録音/再生)
44.1kHz/16ビット直線(Digital inのみ録音/再生)
32kHz/16ビット直線(Digital inのみ録音/再生)
32kHz/12ビット非直線(録音/再生)
エラー訂正 ダブルエンコーデッドリードソロモンコード
エンファシス プリエンファシス(録音時、アナログ入力に対して)offに固定
ディエンファシス(再生時)on/off自動切換
変調方式 8-10変換
周波数特性 2Hz~22kHz ±0.5dB
ダイナミックレンジ 94dB以上(録音時、エンファシスoff)
SN比 94dB以上(録音時、エンファシスoff)
全高調波歪率 0.004%以下(1kHz)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001% W.Peak)以下
インターフェース アナログLine in/out(ピンジャック)
デジタル in/out(EIAJ準拠同軸及び光)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 46W
外形寸法 幅470x高さ145x奥行380mm
サイドウッド取外し時:幅430mm
重量 17.5kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-D1500