オーディオの足跡

PR:SONY/ESPRITの製品をヤフオク!で検索
PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

CDP-X777ESの画像
 解説 

新開発のパルス8D/Aコンバーターを搭載したESシリーズのCDプレイヤー。

D/A変換部にはハイデンシティ・リニアコンバーターシステムを採用しており、45ビットノイズシェイピング・デジタルフィルターとパルスD/Aコンバーターを搭載しています。

パルスD/Aコンバーターは1個の電流源と1個の電子スイッチで構成されており、0と1の2つの値を高速でスイッチングすることによって音楽波形を表現しています。これにより、振幅レベルは常に一定で時間軸方向にのみ変化を持たせたPLM(パルス・レングス・モジュレーション)波を出力しています。そして、ローパスフィルターを通すことでオーディオ帯域外の不要高域ノイズを除去し、音楽波形を得ています。
また、パルスD/Aコンバーターには20kHzまでの可聴帯域の量子化ノイズを低減するため、64倍オーバーサンプリングとSony Extended Noise Shaping方式を採用した多段ノイズシェイピング演算を搭載しています。オーバーサンプリングではサンプリング周波数を高くとることで可聴帯域内の量子化ノイズを低減しています。また、ノイズシェイピングではビット数を減らした時に再量子化誤差を入力側にフィードバックして可聴帯域内の量子化ノイズを低減しています。これらの技術によって高いダイナミックレンジを確保しています。
パルスD/Aコンバーターは45メガパルス/秒で動作しており、従来方式では困難であった微分非直線歪やグリッチ、ゼロクロス歪を根本から解消しています。

新開発のパルスD/Aコンバーターは1個で正相と逆相、各LRの信号を出力する4D/A出力となっています。
ESシリーズではパルスD/Aコンバーター2個で8D/A出力としたコンプリメンタリーモードで搭載しています。コンプリメンタリーモードは2個のパルスD/Aコンバーターが互いに相補の関係になるように変調をかけて差動合成するもので、高調波歪を打ち消す効果があり、歪率を向上しています。さらに出力電流値を2倍とすることでSN比を高めています。

ハイデンシティ・リニアコンバーターシステムではパルスD/Aコンバーターの性能を生かすため、前段に45ビットノイズシェイピングデジタルフィルターを搭載しています。
この回路では高精度なオーバーサンプリング演算を実行するとともに演算結果に対して1次のノイズシェイピング演算を行うことで高いダイナミックレンジを確保しています。

ジッターによる問題を解消するため、ダイレクト・デジタル・シンクを搭載しています。
また、この方式ではマスタークロックをパルスD/Aコンバーターと同一チップ上に形成されており、ジッター除去をパルスD/Aコンバーターの最終段である電子スイッチの直前で行うことで原理的にジッターの発生を無くしています。

アナログローパスフィルターにはコンデンサーやコイルなどのパッシブ素子が直列に入らないGIC形ローパスフィルターを採用しています。さらにCDP-X777ESではローノイズFETを用いたディスクリート構成のラインアンプを搭載しており、FET入力・差動2段の入力段とAクラス動作の出力段で構成しています。そして、FETならではのハイインピーダンス入力特性によって前段ローパスフィルターのノイズ成分との完全な分離が可能としています。

ピックアップ部にRFアンプを内蔵することでローノイズ・高安定化を図っています。

デジタル信号処理LSIにはソニーCDプレイヤー用第4世代LSIを採用しており、従来外付けだったRAMを容量32kビットにアップしたうえで内蔵しており、さらに厳密な6重エラー訂正方式を採用することで信号処理能力の的確さを高めています。

光ピックアップのドライブ回路には新設計のファインドライブを採用しています。
この回路では従来片側アースとなっていたシングルドライブ回路を±2電源方式によるバランスプッシュプルドライブ回路とすることでアースと分断しており、ノイズ電流の電源ラインへの混入を無くし、よりクリーンな光ピックアップドライブを実現しています。

サーボ回路には帯域外のノイズに働くSサーボIIIと、サーボ帯域内に働くアドバンスドTSサーボを搭載しています。
SサーボIIIではサーボ電流の高域ノイズ成分をローパスフィルターで除去し、滑らかなサーボ電流を供給しています。これにより電源部からの電力供給を安定させ、音質への悪影響を防止しています。
アドバンスドTSサーボはサーボ動作に不要な電流を10dB近く減らすとともに、光ピックアップのアクチュエーター部に新開発の制振機構を設け光学系の静粛性をより高めています。

ディスクの回転を制御する駆動系サーボ回路にはデジタルCLVサーボを搭載しています。
デジタルCLVサーボではスピンドルモーターの回転を検出し、これを10ビットの分解能でコントロールしています。これによりディスクの内周、外周を問わず正確な線速度を維持しています。また、12cmCDと8cmCDのディスクの慣性質量の違いも検出し、より適切なドライブを行っています。

光学系メカの土台にはアルミダイキャストベースユニットを採用しています。
共振モードが低く、高い精度と加工精度が得られるアルミダイキャストを採用し、さらに高粘弾性ゲル入りダブルサスペンションによるフローティング構造を採用することで、外部振動を徹底的に排除しています。

トレイが収納されるフロントパネルの開口部にはアコースティックシールドを搭載しており、特殊ゴム材によるダンパーを設けて気密性を向上し、シャーシ内部に入り込む空気振動の影響を低減しています。
また、トレイ自身にはGベースユニットと同じ素材の高剛性Gトレイを採用し、不要振動がディスクに伝わるのを防止しています。

シャーシ構造にはFBシャーシを採用しており、外周を取り囲むフレームと、フロントとリアの前後を渡すビームによってシャーシ全体を強固にジョイントし、振動に強い構造を実現しています。
また、CDP-X777ESではシャーシ内部を銅メッキ処理するとともに高剛性アルミトッププレートを使用することで非磁性化を徹底しており、磁気歪の発生を排除しています。
脚部にはファインセラミックインシュレーターを採用しています。

電源部は2トランス構成となっており、デジタル・サーボ部とオーディオ部を独立給電しています。さらに、D/Aコンバーター部に対しては電源回路を設け、電源を介しての干渉を根本から無くしています。また、機構的にもトランスの振動を伝えないよう、4ヶ所にゴムダンパーを使用してフローティング設置しています。
CDP-X777ESではトランスにはシールドケース入りの重量級トランスを使用しており、トランスコア全体をポリブタジエン樹脂に硅砂を混合した硬化充填材で固め、微細なトランスの鳴きも抑えています。

回路基板構成にも配慮が加えられており、デジタル回路とオーディオ回路の基板を分離したセパレートシート構成によってデジタル部からアナログ部への干渉を抑えています。
また、デジタル回路、電源回路、オーディオ回路の基板には基板内振動や静電浮遊容量による音質劣化を防ぐ高強度ガラスエポキシ製ES基板を使用しています。

フロントパネルにはアルミパネルを採用し、側面にはサイドウッドを装備しています。


カスタムエディット機能を搭載しており、プログラムエディット、マニュアルフェーダーの2つの機能を搭載しています。

プログラムエディットでは好きな曲を好きな順番にマニュアルで編集できます。
AMSキーかダイレクトキーで積算時間を確認しながら好きな曲を好きな順番にプログラムします。この時オートスペースをオンにすれば、各曲の演奏時間に3秒ずつのブランクを加算してエディットできます。ポーズボタンを押したところでA面分、続けてB面分までまとめてプログラムできます。

マニュアルフェーダーでは好みの箇所でフェードイン/フェードアウトができます。


カスタムファイル機能を搭載しており、カスタムインデックス、プログラムバンク、ラストモードメモリー、ファイルリコールの4つの機能を利用できます。

カスタムインデックスでは、ディスクにインデックスの好きな個所に自分だけのインデックスが付けられます。セットはディスク1枚につき最大10ポイントまで行え、約±0.15秒ステップの微調整が可能です。

プログラムバンクではプログラム演奏の設定を記録しておくことができます。

ラストモードメモリーではカスタムファイルをつけたディスクのとり出す直前にセットされていたプレイモード、フェードタイムをメモリーでき、同じディスクを入れた時にはそのモードが自動的に呼び出されます。

ファイルリコールではどんなファイルを入れていたかをチェックできます。
この機能はディスクをセットしてなくても呼び出すことができ、しかも不要なファイルはその場で消去できます。



99曲デリートシャッフル機能を搭載しており、好きな曲だけを残してランダム演奏することができます。

最大20曲のプログラム演奏機能や、1曲/全曲/部分(リモコンのみ)/プログラム/シャッフル/カスタムインデックスの6モードリピートなどの機能を搭載しています。

ディスプレイ部にはディスプレイモード機能を搭載しており、ディスプレイの全灯/部分点灯/消灯が切換えられます。

光デジタル出力を搭載しています。
さらにCDP-X777ESでは時間軸補正用のラッチを設けたラッチド同軸デジタルアウト端子も搭載しています。

D/Aダイレクトバランスアウト端子を搭載しています。
CDP-X777ESのバランス出力は、パルス8D/Aコンバーターのコンプリメンタリー出力を生かして、差動アンプなどを介さずに正相と逆相のオーディオ信号をダイレクトに出力しており、音質劣化を極力少なくしています。

固定と可変の2系統のラインアウト端子を搭載しています。
また、ラインアウト連動ボリューム付きヘッドホン端子を搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンにはインデックスサーチを搭載しています。

CDP-X555ESにはゴールドとブラックの2色のバリエーションがあり、それぞれのカラーに対応したリモコンが付属していました。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
読取り方式 非接触光学読取り(半導体レーザー使用)
レーザー GaAlAsダブルヘテロダイオード
回転数 200~500rpm(CLV)
演奏速度 1.2m/s~1.4m/s(一定)
エラー訂正方式 ソニースーパーストラテジー
(クロスインターリーブ・リードソロモンコード)
チャンネル数 2チャンネル
周波数特性 2Hz~20kHz ±0.3dB
全高調波歪率 0.0015%以下(EIAJ)
SN比 118dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ 100dB以上(EIAJ)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
出力レベル 2Vrms(Fixed)
0V~2Vrms(Variable)
2Vrms(Balanced out、Fixed)
デジタル出力 Optical:-18dBm(発光波長660nm)
Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
ヘッドホン出力レベル 0.1W(32Ω)
消費電力 27W
外形寸法 幅470x高さ125x奥行375mm
サイドウッド取外し時:幅430mm
重量 18kg(サイドウッド含む)
付属 ワイヤレスリモコン RM-D992