オーディオの足跡

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CDP-557ESDの画像
 解説 

新世代リファレンス機として開発されたESシリーズのCDプレイヤー。

デジタルフィルターには新開発IC(CXD1144)を用いた8倍オーバーサンプリング18ビットデジタルフィルターを採用しています。
この新開発のデジタルフィルターでは293次という極めて高次の塩蔵能力を持っており、帯域内リップル特性±0.00001dB以内、阻止帯域での減衰量120dB以上を達成しています。これによりリップルに起因していたエコー成分の発生も無視できるまでに抑えられ、特にピアノの単音の立ち上がりなどの再現性が向上しています。
さらに8倍オーバーサンプリングによってサンプリング周波数を44.1kHzから8倍の352.8kHzまで高めたことでオーディオ帯域内の量子化ノイズを大幅に低減できると同時に音楽信号成分と高域の不要成分との距離が332.8kHzにまで拡大しています。これによりD/A変換後のローパスフィルターの遮断特性を緩やかにでき、群遅延特性をさらに改善しています。

D/A変換部には18ビット・リニア・デュアルD/Aコンバーターを採用しています。
これにより8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターの18ビット出力の情報密度を全て活用でき、量子化ノイズの大幅な低減効果をフルに生かせています。また、不要ノイズレベルに近接した音楽信号成分に対しても従来の4倍の分解能でD/A変換するため、変換精度を大幅に改善できます。これらの改善によって微小レベル信号に対するリニアリティが格段に向上しています。
さらに、左右チャンネルが独立したデュアル構成とすることでチャンネル間の位相ズレを排除しています。

光学系メカニズムの土台となるベースユニットには新開発のアルミダイキャスト・ベースユニットを採用しており、不要振動を効果的に抑えてトレースの安定性を高めています。また、ベースユニット全体を振動の吸収性に富む高粘弾性ゲル入りダブルサスペンションによってフローティング構造としており、外部振動の影響を厳密に排除しています。

ピックアップ部にはギアなどの伝達機構が無く、極めて静粛な動作で高速アクセスを可能にしたリニアモーター・トラッキング・メカニズムを採用しています。

プレイヤー内部で振動の発生源となりやすいメカブロックをG(ジブラルタル)ベースに取り付けた上で強固にシャーシに固定する方式としています。このGベースの素材には大理石と同じ組成の炭酸カルシウムを特殊樹脂に加えグラスファイバーで強化して使用しています。これはESシリーズのアンプのシャーシに使用されたものと同じで、極めて高い剛性と優れた振動減衰特性が得られるという特長を持ち、しかも形状面からも音響的にチューニングしやすくなっています。
これにより音質劣化を招く振動の伝達や共振を低減しています。

スピーカーから放射される音圧の影響を考慮し、ディスクトレイが収納されるフロントパネルの開口部に特殊ゴム材によるダンパーを設け、トレイ収納時の気密性を高めることでわずかな空気振動も遮断しています。

シャーシはメカブロック及び電源部と回路系で内部をほぼ2等分した構成となっており、この間を磁気ひずみを低減する銅メッキ処理の2重構造内部シャーシで完全分離しています。また、メカ系及び電源部と回路系にまたがる配線材の通過する開口部も特殊樹脂で密封し、わずかな空気振動の伝達も断っています。
さらに基本シャーシも銅メッキ処理の2重構造としています。

ディスクのセンターホールの誤差による偏心分を吸収し、無視できる範囲に収めるテーパーチャッキング方式を採用しています。

サーボ回路にはSサーボの改良型にあたるSサーボIIを搭載しています。
Sサーボの動作原理は、傷や汚れなどで生じる信号のドロップアウトをRF-ICが検知し、ディスクの回転周期から演算して次にドロップアウトが生じるタイミングを予測し、ドロップアウト発生の直前にトラッキング、フォーカス両サーボ回路のサーボ量を最適に制御してエラーの発生を最少限に抑えます。
SサーボIIではさらに緻密なサーボ量の予測制御を行っています。予測時間精度を従来の1/8,000秒から1/10,000秒まで高め、しかもCLV(線速度一定)に対応することでディスクの内・外周のどの位置でもこの精度を維持しています。これによりドロップアウトが発生してからサーボ量を制御する方式に比べてトレースの安定性が向上し、サーボ電流の乱れも大幅に減少しています。

アナログローパスフィルターには低次で音楽信号が抵抗を通過するだけの3次GIC型ローパスフィルターを採用しています。
アナログ回路は信号の流れに沿ったツインモノ構成としており、チャンネル間の位相ズレや相互干渉を根本から排除しています。さらにデジタルフィルターの搭載とあいまって回路構成も大幅にシンプル化できています。また、アナログ系へのデジタルデータ伝送にはモスゲート・トランスファー方式を採用しており、データ電流がアナログ系グランドへ混入することを防ぐなど、音質劣化の要因を排除しています。

電源部には電源トランスを2個搭載しており、トランス段階からデジタル系とアナログ系を完全分離することで相互干渉を排除しています。

デジタル処理によるソフトミューティング回路を搭載しており、演奏ストップやポーズ操作時に瞬間的にミューティングをかけることでクリックノイズの発生を防止しています。

デジタル出力として同軸と光の2系統を搭載しています。同軸デジタル出力の直前には時間軸補正用のラッチが設けられており、微細なジッター成分をより厳密に排除しています。
デジタル/アナログ出力切替スイッチを搭載しており、相互干渉を防止しています。

アナログ出力は固定と可変の2系統を搭載しています。

ヘッドホン出力兼用のラインアウトボリュームを搭載しています。
個のボリュームはリモコン操作に対応しており、リモコンによる音量調整時はモーター駆動となっています。

新機能としてカスタムファイル機能を搭載しています。
この機能ではディスク1枚ごとにリスナー自身がインプットしたメッセージや演奏情報を最大226タイトル分までCDプレイヤーに記憶させることができます。そして、ディスクを入れ替えるたびにどのディスクか自動的に識別してメモリーを呼び出し、ディスク個別のメッセージを表示したり演奏情報どおりの再生が行えます。
カスタムファイルはディスク・メモ、カスタム・インデックス、プログラム・バンクという3つの機能があり、ディスクメモと、カスタムインデックスまたはプログラムバンクのいずれかをファイルできます。
ディスク・メモはディスクごとに最大10文字まで自分だけのメッセージをインプットできます。
カスタム・インデックスはディスク1枚につき最大6ポイントのインデックスを自由に設定できます。インデックスの設定は再生中にFILEボタンを押してポイントを指定します。
プログラム・バンクは最大20曲までのプログラム演奏機能を記憶することができます。
メモリーバックアップによって電源OFF時も記憶内容は保持されます。

デジタル回路とアナログ回路が独立したガラスエポキシ製ES基板を採用しています。また、出力アンプには高音質オペアンプ、オーディオ信号系にはOFC線材など厳選したパーツを使用しています。
さらに脚部にはセラミック製の大型インシュレーターを搭載しています。

プログラムエディット機能を搭載しており、テープA/B面ごとの編集プログラムを1度に行えます。

好きな曲だけでシャッフル再生ができるデリートシャッフル機能を搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
読取り方式 非接触光学読取り(半導体レーザー使用)
レーザー GaAlAsダブルヘテロダイオード
回転数 200~500rpm(CLV)
演奏速度 1.2m/s~1.4m/s(一定)
エラー訂正方式 ソニースーパーストラテジー
(クロスインターリーブ・リードソロモンコード)
チャンネル数 2チャンネル
周波数特性 2Hz~20kHz ±0.3dB
全高調波歪率 0.0015%以下(EIAJ)
ダイナミックレンジ 100dB以上(EIAJ)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
出力レベル 2Vrms(MSB、Fixed)
2Vrms~0V(MSB、Variable)
デジタル出力 Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
Optical:660nm(発光波長)
ヘッドホン出力レベル 28mW(32Ω)
消費電力 18W
外形寸法 幅430x高さ125x奥行375mm
サイドウッド取付時:幅470mm
重量 18.5kg(サイドウッド含む)
付属 ワイヤレスリモコン RM-D650