オーディオの足跡

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CDP-555ESJの画像
 解説 

アドバンストH.D.L.C.(ハイデンシティ・リニアコンバーター・システム)を搭載したESシリーズのCDプレイヤー。

D/A変換方式にアドバンストH.D.L.Cを採用しており、デジタルフィルターに新開発のスコア・デジタルフィルター、D/Aコンバーターにアドバンスト・パルスD/Aコンバーターを搭載しています。

デジタルフィルター部には新たにディザの手法を導入したスコア・デジタルフィルター(CXD-2567)を搭載しています。
この回路では45ビットオーバーサンプリング技術に加え、ソニーで初めてD/A変換前の信号に擬似ランダム信号を加える方式を採用しており、デジタルフィルターの出力部において発生する再量子化ノイズをオーディオ信号と無相関化しています。これによりさらなる音質改善を実現しています。
※スコア(SCORE)はSubliminal Correlation=無相関化の略称です。

D/A変換部にはアドバンスト・パルスD/Aコンバーター(CXD-2562)を搭載しています。
パルスD/Aコンバーターはオーバーサンプリング技術とノイズシェイピング技術によって16ビットのデジタル信号を圧縮し、1個の電流源と1個の電子スイッチでオーディオ信号を出力してます。これにより従来方式では不可避だったグリッチやゼロクロス歪、微分非直線歪の発生を無くしています。アドバンスト・パルスD/Aコンバーターはこれをさらに発展させたもので、可聴帯域の再量子化ノイズを低減するとともに、3次ノイズシェイピングによって可聴帯域外への急激なノイズ増加を回避しています。さらに、量子化出力の多植化(パルス出力の高密度化)をもたらすソニー独自の高精度演算方式を導入し、IC化しています。
さらに、アドバンスト・パルスD/Aコンバーターでは互いに補数関係にあるPLM(パルス・レングス・モジュレーション)波2出力を差動合成し、片チャンネル4D/A出力で構成するコンプリメンタリーPLMを採用することで、より一層の高精度と高分解能を実現しています。

ダイレクト・デジタル・シンクを搭載しており、マスタークロックをパルスD/Aコンバーターと同一チップ上に形成することで近接配置を実現しています。これによりパルスD/Aコンバーターの電子スイッチのオン/オフをより正確に行うことができ、有害なジッターを除去して音質劣化を低減しています。

アナログローパスフィルターにはコンデンサーなどのパッシブ素子が直列に入らないGIC型ローパスフィルターを採用しており、オーディオ信号を歪めることなく高域ノイズをカットしてラインアンプに出力しています。
また、ラインアンプではDCサーボアンプを採用しており、カップリングコンデンサーを排除することでカラーレーションを抑え、超低域まで安定した増幅を可能にしています。さらに、出力段には動作の立ち上がりが滑らかな小信号増幅に適したFETをAクラス動作させています。

サーボ回路にはハイプレシジョン・デジタルサーボを採用しています。
この回路では光ピックアップからの信号をA/D変換し、デジタル処理でフィルタリングやコントロールを行った後、再びD/A変換して光ピックアップを動作させています。これにより1枚1枚のディスクに合わせてサーボ量の調整が可能となっています。
また、ハイプレシジョン・サーボには高サンプリングレートの高精度・高分解能A/DコンバーターとD/Aコンバーターを使用しており、より理想的なサーボコントロールを実現するとともに、デジタル化によって低消費電力を実現しています。

ファインドライブ回路を採用しており、光ピックアップのドライブ回路を同相ノイズ成分の打ち消しが可能な±2電源方式によるバランスプッシュプルで構成することで、アースラインにノイズ成分が混入するのを低減しています。

メカニズムのベースユニットには炭酸カルシウムを特殊樹脂に加えてグラスファイバーで強化したGベースユニットを採用しており、振動や共振によるトレース精度の低下を防いでいます。

ディスクを回転させるスピンドルモーターには、コギングが少なく、高精度・高静粛の回転性能が得られるBSLモーターを搭載しています。また、スピンドルの軸受けには高硬度で摩擦係数の小さいサファイアを使用し、高耐久性を得ています。

トレイが収納されるフロントパネルの開口部にアコースティックシールドを採用しており、特殊ゴム材によるダンパーを設けて気密性を高めています。また、ディスクトレイにはGベースと同じGトレイを採用しています。
さらに、新ステイブルロック機構を搭載しており、演奏中にトレイの両サイド各2ヶ所、計4ヶ所をロックアームで固定することで縦方向のピッチングと横方向のローリングを抑えています。

シャーシにはFBシャーシを採用しており、外周を取り囲むフレームと、フロントとリアの前後を渡すビームによってシャーシ全体を強固にジョイントすることで振動を排除しています。また、CDP-555ESJではシャーシ内部に銅メッキ処理が施されており、磁気ひずみを低減しています。

メカデッキをシャーシ中央に配置したセンターメカマウントシステムを採用しており、シャーシに加わる回転モーメントを最小にし、振動に対する安定度を高めてます。

脚部にはファインセラミックインシュレーターを採用しています。

ESシリーズでは基板レイアウトにも配慮がされており、オーディオ回路基板とデジタル回路基板を分離したセパレートシート構成を採用しています。さらに、デジタル回路基板をメカデッキ下部に移行することでデジタル部からオーディオ部へのノイズの飛びつきを最小限に抑えています。
また、CDP-555ESJではオーディオ回路基板にガラスエポキシ製ES基板を採用しています。

電源部には2トランス構成を採用しており、デジタル・サーボ部とオーディオ部をそれぞれ独立給電とするとともにD/Aコンバーター部には専用の電源回路を設けることで電源を介しての干渉を排除しています。
また、機構的にもトランスの振動を伝えないよう4ヶ所にゴムダンパーを使用してフローティング設置しています。

アルミフロントパネルとサイドウッドを採用しています。


カスタムエディット機能を搭載しており、ピークサーチ、タイムエディット、ジャストエディット、リンクエディット、エディットナビ、プログラムエディット、マルチディスクプログラム、タイムフェード、バリアブルフェード、マニュアルフェーダーの10個の機能を搭載しています。

ピークサーチでは全曲を高速サーチし、音量レベルの一番大きい箇所の前後約4秒間を繰り返し再生します。

タイムエディットはテープ録音時のA面とB面の編集が行えます。
まず、TIME SETボタンまたはAMSボタンでテープの長さをセット(ダイレクトキーで秒単位のセットも可能)してエディットボタンを押すと、まずA面分として1曲目から順番にプログラムして、タイムオーバーの曲にぶつかったら、時間内に収まる曲のうち一番長い曲をセレクトします。その後エディットボタンを押すと同様にB面の編集を行います。
また、AMSボタンでハーフディスクを選択してエディットすると、曲順を入れ替えずにテープA面とB面が同じくらいの長さになるように曲を振り分けます。

ジャストエディットは指定した時間に最も近い曲の組合せを自動的に探し出してプログラムします。
タイムセットボタンまたはAMSボタンでテープの長さを入力し、エディットボタンを押すとA面分、もう一度押すとB面分が選択されます。また、入れておきたい曲を先にプログラムしておき、残り時間でジャストエディットすることもできます。

リンクエディットは、タイムエディットやジャストエディットでテープが大幅に余ってしまった場合に使う機能で、残り時間に入る曲のトラックナンバーとLINKの表示が点滅し、点滅しているトラックナンバーの中から再度選択して曲を追加できます。
また、リンクエディットはディスクを入れ替えてエディットを継続することもできます。

エディットナビは、タイムエディットやジャストエディットでテープ編集する際にその操作手順をディスプレイで知らせる機能です。各エディットで曲の設定をはじめてから、約5秒経過するたびに次の手順を表示します。

プログラムエディットでは好きな曲を好きな順番にマニュアルで編集できます。
AMSキーかダイレクトキーで積算時間を確認しながら好きな曲を好きな順番にプログラムします。ポーズボタンを押したところでA面分、続けてB面分までまとめてプログラムできます。

マルチディスクプログラムでは複数のディスクにまたがって編集ができます。プログラムは最大ディスク6枚(24曲)まで行えます。

タイムフェードでは指定した時間にフェードアウトさせることができます。時間設定はTIME SETボタンかAMSボタンで行います。

バリアブルフェードによってフェードイン/・フェードアウトする時間を2秒から10秒まで1秒単位でセットできます。

マニュアルフェーダーでは好みの箇所でフェードイン/フェードアウトができます。


カスタムファイル機能を搭載しており、ディスクメモ、カスタムインデックス、プログラム/デリートバンク、レベルファイル、ラストモードメモリー、ファイルリコールの6個の機能を操作できます。

ディスクメモではディスク1枚につき最大10文字までメモが保存できます。使える文字は英数字と特殊記号・ブランクを加えた78文字です。

カスタムインデックスでは、曲中の好きな個所に自分だけのインデックスをつけることができます。ディスク1枚につき最大10ポイントまでセットでき、約±0.15秒ステップの微調整ができるリハーサル機能付きとなっています。

プログラム/デリートバンクでは、プログラムプレイとデリートプレイのいずれか一方のプログラムをそのまま記録できます。

レベルファイルではディスク好みの再生レベルをメモリーでき、再びそのディスクを入れた時は自動的にメモリーしたレベルにセットされます。

ラストモードメモリーではディスクを取り出す直前にセットされていたプレイモードやフェードタイムをメモリーしておき、同じディスクを入れた時にそのモードが自動的に呼び出されます。

ファイルリコールではディスクをセットしなくても、どんなファイルを入れておいたか確認できます。また、不要なファイブがある時はその場でファイルを消去できます。


99曲対応デリートプレイ機能を搭載しており、聴きたい曲だけを残して連続演奏ができます。シャッフルモードで不要な曲をデリートした後、コンティニューモードに切換えて演奏すると、その曲を飛ばして再生します。
また、99曲デリートシャッフル機能を搭載しており、好きな曲だけを残してランダム演奏することができます。

リモコンから操作できるオートキューを搭載しており、ポーズ状態で音の立ち上がるところまで自動的にサーチできます。

オートスペース機能を搭載しており、リモコンから操作できます。
この機能では曲間に約3秒間の無音スペースが入れられます。また、曲間が3秒以上あるディスクを演奏する時は最短3秒に短縮されます。また、カスタムエディット時は1曲あたり3秒ずつ加算されて時間が計算されるようになっています。

リモコンから操作できるミュージックスキャンを搭載しており、曲の冒頭の部分だけを順番に演奏できます。演奏時間は10秒、20秒、30秒の3通りを選択でき、いずれも2秒動作のフェードアウト付きとなっています。
スキャン中に聴きたくない曲が出てきた時には、クリアボタンでデリートすることができます。

マルチモードタイマー機能を搭載しており、外部タイマーと組み合わせて自動演奏が可能です。さらに、プログラム演奏やシャッフルプレイ、カスタムインデックスなどの好きなプレイモードを選んでタイマー再生が行えます。

最大24曲のプログラム演奏機能や、1曲/全曲/リレーA-B(リモコンのみ)/プログラム/デリートプレイ/シャッフル/デリートシャッフル/カスタムインデックスの8モードリピート、インデックスサーチ(リモコンのみ)、曲の頭出しがスピーディに行えるAMS、曲を聴きながら早送り/早戻しができるミュージックサーチなどの機能を搭載しています。

ディスプレイ部には20曲ミュージックカレンダーを搭載しています。

ディスプレイモード機能をリモコンに搭載しており、全灯/部分点灯/消灯の切換えが可能です。
また、ディマー機能によってディスプレイの明るさを3段階に切換できます。

光デジタル出力を搭載しています。

固定と可変の2系統のライン出力を搭載しています。
また、リモコン操作時にLEDが点滅するラインアウト連動ボリューム付きヘッドホン端子を搭載しています。

ブラックとゴールドの2色のカラーバリエーションがありました。
また、それぞれの色に対応したワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
読取り方式 非接触光学式
周波数特性 2Hz~20kHz ±0.3dB
全高調波歪率+ノイズ 0.0017%以下(EIAJ)
SN比 117dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ 100dB以上(EIAJ)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
出力レベル Line(固定):2Vrms
Line(可変):2Vrms~0V
Headphone:28mW(32Ω負荷)
デジタル出力 Optical:-18dBm(発光波長660nm)
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 26W
外形寸法 幅470x高さ125x奥行375mm
重量 13.0kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-D891(ゴールド)
             RM-D991(ブラック)