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 解説 

アドバンスト・パルスD/Aコンバーターを搭載したESシリーズメインストリームモデルにあたるCDプレイヤー。

D/A変換部にはハイデンシティ・リニアコンバーターシステムを採用しており、新開発のアドバンスト・パルスD/Aコンバーター(CXD-2562)と新バージョンの45ビットノイズシェイピング・デジタルフィルター(CXD-2560)を搭載しています。

アドバンスト・パルスD/Aコンバーターは従来のパルスD/Aコンバーターが持つ特性をさらに発展させたもので、3次ノイズシェイピングを採用することで可聴帯域の最量子化ノイズを低減するとともに可聴帯域外への急激なノイズ増加を避けています。その上で量子化出力の多植化(パルス出力の高密度化)が可能なソニー独自の新開発高精度演算方式を採用しています。これにより単位時間内に出力されるパルス数をを増やし、パルス密度を高めることでより高精度な音楽波形を実現しています。
さらに、アドバンスト・パルスD/Aコンバーターでは互いに補数関係にあるPLM(パルス・レングス・モジュレーション)波2出力、その正逆対称関係にあるPLM波2出力の4D/A出力を片チャンネル分とした8D/A出力となっています。4D/A出力は互いに補数関係にあるPLM波2出力を差動アンプで合成するコンプリメンタリーPLMとなっており、信号周波数が高い場合や振幅レベルが大きい場合に顕著な高調波歪を打ち消しています。

アドバンスト・パルスD/Aコンバーターの性能を生かすため、前段には45ビットノイズシェイピング・デジタルフィルターを搭載しています。
この回路では高精度なオーバーサンプリング演算を行うとともに演算結果に対しあらかじめ1次のノイズシェイピング演算を行い、その後パルスD/Aコンバーターに出力しています。これにより高いダイナミックレンジを得ています。

ジッターによる音質劣化を防ぐため、ダイレクト・デジタル・シンクを採用しています。
この方式ではマスタークロックをパルスD/Aコンバーターの同一チップ上に形成されており、ジッターの除去をパルスD/Aコンバーターの最終段である電子スイッチの直前で行うことで、ジッターによる音質劣化を低減しています。

アナログローパスフィルターにはコンデンサーなどのパッシブ素子が直列に入らないGIC型ローパスフィルターを採用しています。また、ラインアンプではオーディオ信号経路に直接接続されているカップリング・コンデンサーを排除したDCサーボアンプを採用しています。
さらに、出力段は動作の立ち上がりが滑らかで小信号増幅に適したFETをAクラス動作させています。

サーボ回路にはハイプレシジョン・デジタルサーボを採用しています。
この回路では光ピックアップからの信号をA/D変換し、デジタル処理でフィルタリングやコントロールを行って再びD/A変換して光ピックアップを動作させています。これにより1枚1枚のディスクに合わせてサーボ量の調整が可能となっています。
また、ハイプレシジョン・サーボでは、高サンプリングレートの高精度・高分解能A/DコンバーターとD/Aコンバーターを使用しており、理想的なサーボコントロールを実現するとともに、デジタル化によって低消費電力を実現しています。

音に悪影響を及ぼすノイズ成分がアースラインに流れるのを防ぐため、ファインドライブを採用しています。
この方式では光ピックアップのドライブ回路を同相ノイズ成分の打ち消しが可能な±2電源方式によるバランスプッシュプルで構成しており、ノイズ電流の混入を無くしています。

メカデッキのベースにはGベースユニットを採用しています。
Gベースユニットは組成が大理石と同じ炭酸カルシウムを特殊樹脂に加えグラスファイバーで強化したもので、振動や共振によるトレース精度の低下を防いでいます。

ディスクを回転させるスピンドルモーターに、コギングが少なく、高精度・高静粛の回転性能が得られるBSLモーターを搭載しています。また、スピンドルの軸受には高硬度で摩擦係数の小さいサファイアを使用しており、高い耐久性を得ています。

アコースティックシールドを採用しており、トレイが収納されるフロントパネルの開口部に特殊ゴム材によるダンパーを設けて気密性を向上してます。これによりトレイリッドを通じて入り込む空気振動の影響を抑えています。
また、トレイ自身にはGベースユニットと同じ素材のGトレイを使用し、さらに演奏中にトレイの両サイドをロックアームで固定するステイブルロック機構を設けることで演奏時の制振性を高めています。

シャーシにはFBシャーシを採用しており、外周を取り囲むフレームと、フロントとリアの前後に渡すビームによってシャーシ全体を強固にジョイントする構造によって振動を排除しています。
また、シャーシ内部を銅メッキ処理することで非磁性化を図っています。

脚部にはファインセラミックインシュレーターを搭載しています。

基板レイアウトにも配慮がされており、オーディオ回路基板とデジタル回路基板を分離したセパレートシート構成を採用しています。さらに、デジタル回路基板をメカデッキ下部に移行し、デジタル部からオーディオ部へのノイズ飛びつきを最小限に抑えています。
また、オーディオ回路基板には高強度のガラスエポキシ製ES基板を使用しており、基板内振動や静電浮遊容量による音質劣化を防いでいます。

電源部はデジタル・サーボ部とオーディオ部を独立給電する2トランス構成を採用してます。さらに、音質上重要なD/Aコンバーター部に対しては専用の電源回路を設け、電源を介しての干渉を排除しています。
また、機構的にもトランスの振動を伝えないよう4ヶ所にゴムダンパーを使用してフローティング設置しています。

フロントパネルにはアルミフロントパネルを採用しています。


カスタムエディット機能を搭載しており、ピークサーチ、タイムエディット、ジャストエディット、リンクエディット、エディットナビ、プログラムエディット、マルチディスクプログラム、タイムフェード、バリアブルフェード、マニュアルフェーダーの10個の機能を搭載しています。

ピークサーチでは全曲を高速サーチし、音量レベルの一番大きい箇所の前後約4秒間を繰り返し再生します。

タイムエディットはテープ録音時のA面とB面の編集が効率良く行えます。
まず、使うテープの長さに合わせて編集する場合はTIME SETボタンまたはAMSボタンでテープの長さをセットし(ダイレクトキーで秒単位のセットも可能)、エディットボタンを押すと、まずA面分として1曲目から順番にプログラムして、タイムオーバーの曲にぶつかったら、時間内に収まる曲のうち一番長い曲をセレクトします。その後エディットボタンを押すと同様にB面の編集を行います。
また、AMSボタンでハーフディスクを選択してエディットすると、曲順を入れ替えずにテープA面とB面が同じくらいの長さになるように曲を振り分けます。

ジャストエディットはタイムエディットを発展させたもので、指定した時間に最も近い曲の組合せを自動的に探しだしてプログラムします。
タイムエディットと同様にA面分とB面分を同時にセットできます。

リンクエディットは、タイムエディットやジャストエディットで余ったテープに曲を追加できます。
すべての曲をプログラムして、さらにエディット時間内に曲が入る余地がある時は、入る曲のトラックナンバーとLINKの表示が点滅し、点滅しているトラックナンバーの曲の中から再度選択して曲を追加できます。
また、リンクエディットはディスクを入れ替えてエディットを継続することも可能です。

エディットナビゲーションを搭載しており、タイムエディットやジャストエディットでテープ編集する時に操作手順をディスプレイで知らせます。各エディットで曲の設定をはじめてから途中で操作につまってしまった場合、約5秒経過するたびに次の手順を英文で表示します。

プログラムエディットでは好きな曲を好きな順番にマニュアルで編集できます。
AMSキーかダイレクトキーで積算時間を確認しながら好きな曲を好きな順番にプログラムします。この時オートスペースをオンにすれば、各曲の演奏時間に3秒ずつのブランクを加算してエディットできます。ポーズボタンを押したところでA面分、続けてB面分までまとめてプログラムできます。

マルチディスクプログラムでは複数のディスクにまたがって編集できます。
プログラムモードでプログラムし、トレイをオープンすると「MULTI PGM」の表示が出て自動的にマルチディスクプログラムに移行します。プログラムは最大6枚(24曲)までできます。また、途中でポーズをプログラムすることもできます。

タイムフェードでは指定した時間にフェードアウトさせることができます。時間設定はTIME SETボタンかAMSボタンで行います。

バリアブルフェードによってフェードイン/・フェードアウトする時間を2秒から10秒まで1秒単位でセットできます。

マニュアルフェーダーでは好みの箇所でフェードイン/フェードアウトができます。


カスタムファイル機能を搭載しており、ディスクメモ、カスタムインデックス、プログラム/デリートバンク、レベルファイル、ラストモードメモリー、ファイルリコールの6個の機能を利用できます。

ディスクメモではディスク1枚につき最大10文字までメッセージが記録できます。使える文字は英数字と特殊記号、ブランクを加えた78文字になります。

カスタムインデックスでは、ディスクにインデックスの好きな個所に自分だけのインデックスが付けられます。セットはディスク1枚につき最大10ポイントまで行え、約±0.15秒ステップの微調整が可能です。

プログラム/デリートバンクではプログラム演奏や99曲対応デリートプレイの設定を記録しておくことができます。

レベルファイル機能ではディスクごとに異なる再生レベルを設定できます。
ラインアウト/ヘッドホンボリュームを好みの音量に合わせてレベルファイルボタンを押すだけで設定でき、同じディスクを入れた時は自動的にメモリーしたレベルにセットされます。

ラストモードメモリーではカスタムファイルをつけたディスクのとり出す直前にセットされていたプレイモード、フェードタイムをメモリーでき、同じディスクを入れた時にはそのモードが自動的に呼び出されます。

ファイルリコールではどんなファイルを入れていたかをチェックできます。
この機能はディスクをセットしてなくても呼び出すことができ、しかも不要なファイルはその場で消去できます。



デリートプレイ機能を搭載しており、聴きたい曲だけを残しての連続演奏が可能です。シャッフルモードで不要な曲をデリートした後、コンティニューモードに切換えて演奏すると、その曲を飛ばして次の曲を演奏します。
また、99曲デリートシャッフル機能を搭載しており、好きな曲だけを残してランダム演奏することができます。

ミュージックスキャン、オートキュー、オートスペース機能を搭載しており、それぞれリモコンから操作ができます。
ミュージックスキャンでは曲の冒頭部分だけを次々に演奏できます。演奏時間は10秒、20秒、30秒の3通りを選択でき、いすれも2秒動作のフェードアウト付きとなっています。また、スキャン中にクリアボタンで聴きたくない曲をデリートできます。
オートキュー機能ではポーズ状態で音の立ち上がるところまで自動的にサーチできます。
オートスペース機能では曲間に約3秒間の無音スペースを入れることができます。また、曲間が3秒以上あるディスクでは最短3秒間に短縮されます。

最大24曲のプログラム演奏機能や、1曲/全曲/リレーA-B(リモコンのみ)/プログラム/デリートプレイ/シャッフル/デリートシャッフル/カスタムインデックスの8モードリピート、インデックスサーチ(リモコンのみ)、AMS、ミュージックサーチなどの機能を搭載しています。

ディスプレイ部には20曲ミュージックカレンダーを搭載しています。
また、ディマーコントロール機能によってディスプレイの明るさを3段階に調整でき、さらにディスプレイモード機能によって全灯/部分点灯/消灯の切換えができます。

光デジタル出力を搭載しています。

固定と可変の2系統のラインアウト端子を搭載しています。
また、リモコン操作時にLEDが点滅するラインアウト連動ボリューム付きヘッドホン端子を搭載しています。

ゴールドとブラックの2色のカラーバリエーションがありました。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
周波数特性 2Hz~20kHz ±0.3dB
全高調波歪率 0.0017%以下(EIAJ)
SN比 117dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ 100dB以上(EIAJ)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
出力レベル 2Vrms(Fixed)
2Vrms~0V(Variable)
デジタル出力 Optical:-18dBm(発光波長660nm)
ヘッドホン出力レベル 28mW(32Ω)
消費電力 26W
外形寸法 幅470x高さ125x奥行375mm
サイドウッド取外し時:幅430mm
重量 13.0kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-D891(ゴールド)
             RM-D991(ブラック)