SONY TAN-8250
¥315,000(1975年頃)
解説
忠実な波形伝送を目指して開発された最高級ステレオパワーアンプ。
Aクラス段は3段差動アンプ構成で、初段は高入力インピーダンスのFETを2本1パッケージとしたデュアルFETを採用しています。この回路は位相特性の改善を図るため、DCアンプ構成を採用しています。
Bクラス段はトリプルダーリントンのドライバー段に、トリプルプッシュプル、ピュアコンプリメンタリー出力段で構成しています。
この部分にはダブルエピタキシャル型PNP、NPNペアパワートランジスタを使用しています。
パルシブな波形に対しても追従性の良い光指示方式のピークプログラム・メーターを搭載しています。
保護回路を搭載しており、パワートランジスタの保護回路には応答が極めて速い電子回路による電流リミッタ併用負荷インピーダンス検出型保護回路を採用しています。そして、ヒートシンクの温度上昇を検出する熱検出型保護回路を採用しています。
また、スピーカーの保護回路は純電子式を採用しDC電圧の発生に対し確実に動作します。
電源部にはトロイダルコアトランス、サイリスタ制御整流回路および2電源用電解コンデンサを組み合わせて使用しています。
誤って過大出力を供給し、スピーカーが破損するのを防ぐため、パワーリミッタスイッチを搭載しています。
出力を4段階切替えできます。
パラレルまたはシリーズ接続により、2Ω以上の低インピーダンス負荷および8Ω以上の高インピーダンス負荷に対して、ステレオ時のほぼ2倍の出力が得られます。
レコード盤のソリなどによる超低域ノイズを防止するサブソニックフィルターを搭載しています。
ノーマル/テスト切替えスイッチをノーマルにするとフィルタが入ります。
2系統の入力端子と3系統の出力端子を搭載しています。
出力端子のうち、A端子は固定で、B端子はレベル調整可能です。また、もう1系統の出力端子はダイレクト出力端子でダンピングファクターの悪化が気になる場合に有効です。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | ||||||
回路方式 | フェーズリニアDCアンプ構成ピュアコンプリメンタリー回路 | ||||||
<アンプ部> | |||||||
出力 |
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高調波歪率 | 0.1%以下(定格出力時) | ||||||
混変調歪率 | 0.1%以下(定格出力時) | ||||||
周波数特性(8Ω負荷、1W出力時) | Test:DC~100kHz +0 -1dB Normal:20Hz~100kHz +0 -3dB |
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ダンピングファクター(1kHz) | 250以上(8Ω、スピーカーDirect端子) | ||||||
入力感度/インピーダンス | 1V/50kΩ | ||||||
パワーリミッタ | 定格出力、1/2、1/4、1/8 | ||||||
<メータ部> | |||||||
周波数特性 | 30Hz~30kHz +0 -3dB | ||||||
メータ指示範囲 | 0W~200W | ||||||
<総合> | |||||||
使用半導体 | トランジスタ:63個 Dual FET:2個 ダイオード:64個 SCR:2個 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||||
電源コンセント | 電源スイッチ非連動:1系統、200W | ||||||
消費電力 | 380W | ||||||
外形寸法 | 幅440x高さ170x奥行410mm | ||||||
重量 | 23.3kg |