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TA-NR1の画像
 解説 

電気的には1Ω負荷連続ドライブを実現しながら、構造的な吟味や入念な設計が施されたモノラルパワーアンプ。

電源部には大型・重量級の電源トランスと高性能電解コンデンサーを搭載しています。
トランスには、電源容量750VA、重量14kg、トランスコア全体を硬化充填剤で固めたEI型トランスを採用しています。また、平滑用コンデンサーには、電極箔を分割・積層することで特性分布の均一化を図り音質を改善した、スタッキング構造の多素子電解コンデンサーを採用しており、電圧増幅段用に6,800μFx2/3,300μFx2、電力増幅段用に22,000μFx2を搭載しています。
さらに、各段への供給を整流回路から分離することで大出力時の干渉を遮断するSTD(スポンティニアス・ツイン・ドライブ)方式を採用しています。
また、トランスとコンデンサーの外装ケースにはベルベット加工が施されています。これは、極細・短冊のナイロンパイルを静電気の力で飛ばし、エポキシ系接着剤とともに塗布したもので、ケース表面をほどよくダンプし、外部振動の影響を排除するとともに自身の振動を効果的に抑えています。

シャーシ構造には、最大部肉厚21mm、重量10.5kgに及ぶハイカーボン・スチールシャーシを採用しています。
このシャーシは、素材に工作機械の土台として使われる鋳鉄を採用しており、非常に高い剛性と優れた振動減衰特性を持っています。

出力段の回路は、クロスオーバー歪やスイッチング歪が原理的に発生しないピュアAクラス動作にするとともに、低インピーダンス駆動能力を重視した出力段構成を採用しています。
出力素子には、コレクタ損失200W、最大許容電流17AのHi-ftパワートランジスタを20個、10パラレルプッシュプルで使用しています。これにより、ゆとりのある電流供給能力を持たせ、1Ω負荷連続ドライブをも可能にしています。

ヒートシンクには、ベース厚18mmのアルミダイキャストを使用し、自然空冷としています。

入力端子は、ピンジャック・アンバランス入力に加えてXLRターミナル・バランス入力を装備しています。
さらに、ピンジャック仕様の正相/逆相入力を併せて装備しており、TA-NR1を2台ブリッジ接続することで、実効出力をそれぞれ、8Ω負荷時100Wから400Wへ、4Ω負荷時200Wから800Wへとパワーアップをはかることが可能です。

7mm厚のアルミ押し出し材を使用したフロント&リアパネル、同じくアルミ押し出し材を使用したコーナーポスト、さらに側板にはウッドを採用するなど、非磁性化を徹底してます。
また、パーツ類は聴感上の特性にも配慮し、経験的に信頼できるものだけを採用しています。

バランス入力トランスには、均質な材料特性により高い透磁率を誇る大型パーマロイコアを使用しており、信号全帯域にわたる低歪化を実現しています。

スピーカーターミナルには、金メッキが施された真鍮削り出しスピーカーターミナルを採用しています。万力タイプの専用設計となっており、導体断面積100平方mmに及ぶ極太スピーカーケーブルの接続も可能です。

アナログ式テンプメーターを搭載しており、ウォームアップ時からパワーアンプの動作温度を監視できます。また、バックライトを付きとなっています。

機種の定格
型式 モノラルパワーアンプ
回路方式 初段:FET差動入力カスコードブートストラップ・カレントミラー負荷
2段目:カスコードブートストラップ
終段:3段ダーリントン接続
実効出力 100W(20Hz~20kHz、8Ω負荷時)
200W(20Hz~20kHz、4Ω負荷時)
400W(1kHz、2Ω負荷時)
550W(1kHz、1Ω負荷時)
全高調波歪率 0.003%(8Ω負荷、10W出力時)
0.05%(8Ω負荷、実効出力時)
0.05%(4Ω負荷、実効出力時)
0.05%(2Ω負荷、実効出力時)
0.05%(1Ω負荷、実効出力時)
混変調歪率
(60Hz:7kHz=4:1)
0.05%(8Ω負荷、10W出力時)
0.05%(4Ω負荷、10W出力時)
0.05%(2Ω負荷、10W出力時)
0.05%(1Ω負荷、10W出力時)
ダンピングファクター 50以上(1kHz、8Ω)
残留雑音 30μV以下(IHF-Aネットワーク)
SN比 120dB以上(IHF-Aネットワーク)
周波数特性 5Hz~50kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス Unbalanced:1.1V/47kΩ
Balanced:0.55V/600Ω
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 460W
外形寸法 幅470x高さ190x奥行455mm
重量 47.5kg