
SONY TA-N1
¥900,000(1999年5月21日発売)
解説
SACDや従来ソースの音楽再現能力を引き出し、いかなるスピーカーをも十分にドライブできことを目標に開発されたステレオパワーアンプ。
強力な電源部と低インピーダンスで大電流が供給可能な出力段を採用しています。さらに微小信号を扱うブロックと大電流を扱うブロックの相互干渉を排除することで微小レベルから大出力まで優れたクオリティを確保しています。
プリドライブ段には優れた周波数特性と位相特性を持つ新開発のリニアフェーズサーキットを採用しています。さらに、プリドライブ段全体をメタルコアモジュール化することで信頼性を高め、外部からの振動にも強い構造としています。
出力段にはパワーMOS-FETを片チャンネルあたり5パラレル搭載しており、力強い重低音の再現を可能にしています。TA-N1で採用されたパワーMOS-FETは、MOS-FETのベースプレートとリード線を非磁性の金メッキ処理し、音質向上を図っています。
電源部には1.5kVA、重量13kgのNEWトーラス・トロイダル電源トランスを採用しています。
このトランスは変換効率が高く、漏洩磁束が少ないトロイダルコアの特長をさらに引き出すため、コア(鉄芯)断面を円形とすることで振動を従来の約4分の1に低減しています。
さらに、高硬度でありながら振動減衰特性に優れたNF(非焼成)セラミックケースに封入し、徹底した防振対策を行なっています。
シャーシ構成は1個で重量16kgのヒートシンクを左右に配置してシャーシの一部とする構成を採用しています。さらに15mm厚のフロントパネルと10mm厚のリアパネルを組合せ、重量物である電源トランスと電解コンデンサーはセンターシャーシに搭載することで優れた重量バランスを実現しています。
また、フロントパネル、リアパネル、センターシャーシともに非磁性のアルミニウムを採用しています。
スピーカー端子は2系統設けられています。
端子にはバナナプラグやYラグ端子にも対応可能な新開発の大型ターミナルを採用しています。
入力はアンバランスが2系統と、バランス入力が1系統設けられています。
入力部はリレーによる信号切換えを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
ゲイン | 28dB |
定格出力 | 600W+600W(2Ω) 400W+400W(4Ω) 200W+200W(8Ω) |
負荷インピーダンス | 2Ω~16Ω |
周波数特性 | 5Hz~300kHz +0 -1dB |
SN比 | 115dB(入力ショート、A-Fil) |
全高調波歪率 | 0.008%(8Ω負荷、10W時) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 800W |
外形寸法 | 幅480x高さ245x奥行530mm |
重量 | 約70kg |
付属 | 電源コード 電源プラグ変換アダプター |