SONY TA-F777ES
¥185,000(1983年発売)
解説
音楽信号のシンプル&ストレートという理念のため、回路技術だけでなく、コンストラクション、細部に至るパーツのひとつひとつまで徹底して貫いたESシリーズのハイエンドモデルのプリメインアンプ。
プリアンプ部、パワーアンプ部、それぞれのL・Rの合計4つのアンプ部の特性改善を目指し、オーディオ・カレント・トランスファ方式を採用しています。
この方式は、プリアンプ部と、パワーアンプ部の間に新たにカレント変換アンプを挿入し、電圧信号として出てくるプリアンプ部の出力を、いったん電流信号に変換し、その後カレント変換アンプ終段に設けられたリニアゲインコントロール方式アッテネーターにより、再び電圧信号に変換してます。
従ってパワーアンプから見たプリアンプ部は無限大のインピーダンスを持ち、電気的にも完全に分離された状態となっています。
これにより、4つのアンプ部ごとに独立した特性追及が可能で、さらにスイッチやコネクターの接触抵抗、線材の持つ固有インピーダンスなど、音を汚す要因を無視できます。
また、オーディオ・カレント・トランスファ方式で使用可能になったリニアゲインコントロール方式アッテネーターを音量調整用ボリュームに採用することで、ゲインを絞るほどインピーダンスが低下するため、実使用のボリュームポジションでの諸特性が改善されています。
プリアンプ部電源には、定電流シャントレギュレーターを採用しており、パワーアンプ電源からの影響を排除し、安定したレギュレーションを保証しています。
パワーアンプ部には、バイアス移動や電源電圧を変化させずに、高速出力素子Hi-fTトランジスタを極小カットオフ領域で働かせるレガーリニア方式を採用しています。
また、4パラプッシュ構成とし、広帯域にわたりスイッチング歪、クロスオーバー歪といった動的歪を低減し、さらに、2電源トランス、6巻線、7電源の強力な電源部を搭載してます。
信号系のコンデンサによる音質的な悪影響を防止するDCアンプ方式を採用しています。
DCアンプの動作を安定化させ、充実した低域を得るために、カレントトランス部にDCサーボを採用しています。
また、回路、素子の熱変調歪を追放するためにコンスタントPC回路をイコライザーアンプとパワーアンプ初段の差動部に採用し、可聴帯域内での分解能の向上を図っています。
配線材、プリント基板、電源コードなどにLC-OFCを採用しています。
また、大容量コンデンサや、磁気歪を追放する銅メッキシャーシ、放熱性の高い大型ヒートシンクなど、多数の部品を厳選して使用しています。
コア材にアモルファス合金をしようし、特殊充填処理を施したMCカートリッジ用昇圧トランスを内蔵しています。
また、MMは330pF/100pF、MCは40Ω/3Ωの各2ポジションのカートリッジセレクターを搭載しています。
Direct/On切替え可能なトーンコントロールを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
定格出力 | 180W+180W(20Hz~20kHz、0.004%、4Ω) |
高調波歪率 | 0.004%(20Hz~20000Hz、定格出力時) |
S/N比 | Phono MM:82dB Phono MC:74dB |
ダイナミックレンジ | 120dB |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 300W |
外形寸法 | 幅430x高さ155x奥行450mm |
重量 | 19.0kg |