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TA-F555ESLの画像
 解説 

パワー素子にMOS FETを採用したステレオパワーアンプ

音量調整やソースの選択ができるワイヤレスリモコンが付属しています。

リモコン対応とすることで音質劣化するのを防ぐため、電子ボリュームや電子スイッチを使用していません。ボリュームは内部から小型のモーターで回転させる方式を採用しており、プッシュ式のファンクションセレクターは内部に設けたロータリー式のスイッチを回転させる方法を採用しています。
さらに、操作時以外はマイコンの動作を休止させ、音質への影響を防いでいます。

ファイナルトランジスタにパワーMOS FETを採用しています。
MOS FETは、原理的に温度係数が負で熱的安定度が高いため安全動作領域(ASO)が広く、二次ブレイクダウンがありません。また、多数キャリアデバイスなため、大電流でも高速スイッチング動作が可能です。そのほか、入力抵抗が大きいため、パワー用に用いた場合に電圧増幅段(Aクラス段)と電力増幅段(Bクラス段)が原理的に分離できるなどの特長を持っています。
このパワーMOS FETをパラレル・プッシュプルで2ペア、計8個使用しています。

シャーシには、素材や形状などのあらゆる角度から無振動・無共振設計を追及したアコースティカリーチューンドGシャーシ(Acoustically Tuned Gibraltar Chassis)を採用しています。
Gシャーシの素材には、大理石の主成分である炭酸カルシウムを不飽和ポリエステルやグラスファイバーで強化して使用しています。この素材は、金属に比べて内部損失が大きく優れた振動減衰特性を持ち、かつ強度が高く、高精度な加工も可能という特長を持っています。また、この素材は非磁性・非金属であるため、トランスやコンデンサーなどの磁界に誘発される電磁歪や渦電流の発生が無く、電気的な面からも音質劣化を減少させています。
Gシャーシの形状は、音響的な特性を入念にチェックして設計しており、形は突起した部分が無い極めてシンプルな構造で、突起部で発生する部分共振や分割振動を排除しています。さらに、シャーシ各部の厚さも十分に大きくとり、縦横にリブを走らせて剛性を高めています。しかも、リブの厚み、リブとリブとの間隔もランダムに変えて特定の共振モードを持たないように配慮がされています。

トートシンクには、パワートランジスタ取付部付近の厚さが20mmにも及ぶ大型アルミ押し出し材を採用しています。
さらに、フロントシャーシ、端子パネル、ケースを、要所要所に連結アングルをいれ相互に補強し合うようにして、Gシャーシ上に固定しています。これにより、相互に補強し合うことでより強固なシャーシ構造を実現しています。

電源部にはS.T.D.(Spontaneous Twin Drive)電源を採用しています。S.T.D.電源では、パワーアンプ部の整流回路をAクラス段用のA電源とパワー段用のB電源に独立化しています。これにより大出力時にAクラス段とパワー段の干渉が起きるのを防いでいます。

TA-F555ESLでは、電解コンデンサーは単に容量を増やすのではなく、より理想的な動作のコンデンサーに近づけるため、ケース内部で小型のコンデンサーを数個パラレルに接続したスタッキングタイプを採用しています。これにより、瞬時の電流供給能力が増すと同時に、巻箔によるコイル成分も減少することで、より自然な音質を実現しています。
また、Bクラス段用のコンデンサーから極僅かに発生するフラックスの影響を、Aクラス段のコンデンサーが受けることのないよう、それぞれのコンデンサーを分散して配置しています。さらに、防振性をより徹底させるため容量の大きいBクラス用のコンデンサーをバイブレーションプルーフプラットホームで強固に固定しています。

トランスには、コンデンサーとのバランスを考慮した大容量タイプを採用しており、二重の磁気シールドケースにコンパウンドを充填してしっかり固めたうえでGシャーシに固定しています。このトランスはコア材に至るまでヒアリングを繰り返して選定しています。

ACラインからのノイズ混入を防ぐESフィルターを搭載しています。

回路構成は、アンプ回路がフォノ・イコライザー部とパワーアンプ部の2ヶ所だけのシンプルな構成となっています。
パワーアンプ部には、出力段のスイッチング歪やクロスオーバー歪を広帯域/広ダイナミックレンジで減らすS.L.L.(スーパーレガートリニア)方式を採用しています。これにより、実効出力時に低歪率化が図ればかりでなく、実使用時の再生レベルでは歪率がさらに良化しています。
MCカートリッジ対応のフォノ・イコライザーアンプ部には、高域応答特性に優れ、TIM歪を追放するローノイズHi-gmFETを採用しています。
トーン回路にはCR型を採用しています。ボリューム位置によって効果量が変化せず、かつ低インピーダンス設計ができるため、アッテネーターにも小音量時のSN比が改善できる低インピーダンス型が採用できています。

ソースダイレクトスイッチを搭載しています。このスイッチをワンタッチすると、トーンコントロール、サブソニックフィルター、バランス、モードスイッチなどの回路をジャンプします。これにより、インプットセレクターで選択された入力信号は、アッテネーターとパワーアンプだけを通過して出力されます。
また、インプットセレクターも経由しないダイレクトin端子も搭載しています。

グラフィックイコライザーやサラウンドプロセッサーの接続に便利なアダプター端子を搭載しています。
アダプター使用とノーマルの切り替えは、フロントパネルのスイッチで行います。

全てのピンジャック端子に、接触抵抗を減少させるため、金メッキ処理が施されています。

機種の定格
型式 プリメインアンプ
実効出力(20Hz~20kHz) 170W+170W(4Ω)
140W+140W(6Ω)
120W+120W(8Ω)
出力帯域幅 10Hz~100kHz(60W出力、高調波歪率0.02%、8Ω)
高調波歪率 0.001%(10W出力時、8Ω)
混変調歪率 0.004%(定格出力時、8Ω、60Hz:7kHz=4:1)
周波数特性 Phono MM:RIAAカーブ±0.2dB
Line系:2Hz~200kHz +0 -3dB
SN比 Phono MM:87dB
Phono MC:70dB
Line系:105dB
入力感度/インピーダンス Phono MM:2.5mV/50kΩ
Phono MC(40Ω):170μV/1kΩ
Phono MC(3Ω):170μV/100Ω
Line系:150mV/30kΩ
出力レベル/インピーダンス Rec out:150mV/1kΩ
Headphone:25mW/8Ω
トーンコントロール Bass:±7dB(100Hz)
Treble:±6dB(10kHz)
サブソニックフィルター 15Hz以下、6dB/oct
適合スピーカーインピーダンス 4Ω~16Ω
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 300W
外形寸法 幅470x高さ170x奥行435mm
サイドウッド取外し時の幅:430mm
重量 24kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-J350