SONY TA-F55
¥59,800(1979年頃)
解説
カートリッジをいかに生かすかに焦点をあて、4ステップ・カートリッジロードセレクターやシンプル&ストレート伝送などを搭載したプリメインアンプ。
カートリッジロードセレクターにより、MM/MCそれぞれ2ポジションの調節が可能です。
DCパワーアンプ方式を採用しており、パワートランジスタにはソニー独自の半導体工学から誕生したHi-fTトランジスタを採用しています。
このトランジスタは優れた高速応答特性を持っているため、過渡混変調歪をはじめとする動的歪をシンプルな回路で抑える事が可能となり、回路の複雑化による音質への悪影響を防いでいます。
放熱にはヒートパイプ方式は採用しており、銅棒の数百倍という熱伝導率のヒートパイプを用いることで、トランジスタと回路基板との結線にリード線を使う必要が無くなり、リード線からの電磁波発生を防止しています。
電源部にはパルス電源を採用しています。パルス電源では、AC100Vを即座にDC化するため、50Hz/60Hzの交流磁界を防ぎ、アンプのノンフラックス化に貢献しています。また、信号の変化に対応した電圧の変動をおさえ、信号を電気的にもストレートに流す事が可能となっています。
また、TA-F55ではハイスピードタイプの整流ダイオードを使用することでより安定した電源を実現しています。
プリアンプ部には専用FETバッファ電源を搭載しています。
シンプル&ストレート伝送により信号の流れに沿った最短距離の部品配置を追及し、線材や部品間の静電的な結合による音質劣化を防止しています。
セルフディフィートトーンコントロールや2系統モニター&テープコピースイッチ、オーディオミューティング、ローフィルター、ラウドネスなどを搭載しています。
信号系線には無酸素銅線を、さらにフォノ端子には金メッキ端子を採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
高調波歪率(実効出力時) | 0.008%(20Hz~20kHz) |
SN比 | Phono MM:90dB Phono MC:75dB |
消費電力 | 110W |
外形寸法 | 幅430x高さ80x奥行320mm |
重量 | 4.6kg |