SONY TA-F510R
¥35,000(1995年発売)
解説
ニューESアンプで開発された技術を投入したプリメインアンプ。
増幅回路のファイナル段にMOS FETを採用しています。MOS FETは、入力インピーダンスが高いためドライバー段と出力段を電気的に分離でき、互いの干渉を少なくできます。これにより比較的シンプルな回路構成で高音質が得られ、耳につきやすい奇数次歪を抑制できるという利点を合わせ持っています。
さらに、電圧増幅段(Aクラス段)にはオプティカルバイアスサーキットを用い、アイドリング電流の変化を抑える事でオーディオ死のうの安定した増幅を実現しています。
電源部のトランスには新開発のトーラストロイダルトランスを採用しています。このトランスでは、従来のトロイダルトランスでは四角形であったコア断面を楕円形にすることにより、コイルの密着性を向上させています。これにより、より効率を高めるとともに振動の発生を大幅に低減し、オーディオ信号への影響を少なくしています。また、コイルの全長が短くなるためインピーダンスが下がるという特長も持っています。
電源部にはアドバンストS.T.D..(Spontaneous Twin Drive)電源を採用しています。
従来のS.T.D.電源では、電圧増幅段(Aクラス段)と電力増幅段(Bクラス段)それぞれ専用に、整流回路から分離・独立して電源を供給する構成を採用しています。これにより、大出力時にも電力増幅段の電源電圧の変化が、電圧増幅段の電源に悪影響を与えず、音質改善を実現しています。
アドバンストS.T.D.電源はこれをさらに発展させたもので、電圧増幅段にインダクションコイルを加えて整流時の電圧変動を低減するとともに、大容量コンデンサーを搭載することで、瞬間的な大電流の供給にも対応しています。これにより中高域の音質と聴感上のSN比、ダイナミックレンジを改善しています。
ヒートシンクには、フィンがトランジスタの付け根に集中しているラジアルヒートシンクを採用しています。これにより、音質への影響の大きい中高域の共振がトランジスタに伝わるのを抑えています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
実効出力(EIAJ) | 90W+90W(4Ω) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ Line系:150mV/20kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Rec out:150mV/1kΩ Headphone:10mW(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.01%以下(10W出力時、8Ω) |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.03%(定格出力時、8Ω) |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.5dB Line系:7Hz~100kHz +0 -3dB |
SN比 | Phono MM:80dB Line系:105dB |
トーンコントロール | Bass:±7dB(100Hz) Treble:±7dB(10kHz) |
付属機能 | ソースダイレクトスイッチ テープモニター ラウドネス リモートコマンダー |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 130W |
外形寸法 | 幅430x高さ135x奥行315mm |
重量 | 約5.6kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RM-S312 |