解説　

SACDの情報量の再現を最優先し、シンプル&ストレート化を追求したコントロールアンプ。

高域の再現能力を追求するため、機能を必要最小限に絞込み、スイッチなどによる信号劣化も極力排除しています。これによりシンプルかつストレートな信号の流れを実現する回路設計を可能にしています。
基本回路の構成は金接点樹脂封入型の高音質リレーを用いた入力部で最短距離での信号の切換えを行なっています。そして増幅部には周波数特性・位相特性に優れたリニアフェーズサーキットを採用しており、各アンプブロックはメタルコアモジュール構成となっています。最後の出力段は高域特性に優れるMOS-FETを搭載しています。

増幅部には新開発のリニアフェーズサーキットを採用しています。
この回路は高域での減衰が少なく、また位相回転も発生しにくい特長を備えています。このため位相補正の必要も少なく、スルーレートの高い応答性に優れた再生が可能となっています。

バランス入力・バランス出力・ラインアンプの各アンプブロックはメタルコアモジュール化されています。
これは、アルミ合金製のメタルコア(金属基板)に部品を表面実装するもので、基板自身が熱伝導性に優れ、回路全体の熱バランスが極めて良いという特長が得られています。また、各ブロックをモジュール化したことによって外部からの振動に対しても強くなり、音質と信頼性の向上に貢献しています。

電源部のトランスにはアモルファス電源トランスを採用しています。
このトランスはコア素材に優れた特性を持つアモルファス金属のコアを採用しています。結晶構造を持たない非結晶金属のため変換ロスや電気的ノイズ、機械的振動が少なく、聴感上のSN比や情報量を高めています。
さらにこのトランスを振動特性に優れ、非磁性のNF(非焼成)セラミックケースに封入して搭載しています。

ボリュームには-100dB～0dBの範囲で連動誤差±0.5dBの精度を持つ高精度ボリュームを採用しています。
このボリュームは無酸素銅端子・金メッキ多接点ブラシを採用し、抵抗体には低ひずみで信頼性の高いCP(コンダクティブ・プラスチック)抵抗素子を採用しています。さらに外装ケースは真鍮の削り出し加工となっており、直径50mm、最大肉厚9.5mmの高強度ケースとなっています。

機種の定格

型式	ステレオプリアンプ
ゲイン	18dB(CD in～Pre out)
入力インピーダンス	アンバランス:20kΩ バランス:40kΩ
出力インピーダンス	アンバランス:220Ω バランス:1kΩ
周波数特性	5Hz～300kHz +0 -1dB
SN比	115dB(入力ショート、A-Fil)
全高調波歪率	0.005%(20Hz～20kHz)
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	12W
外形寸法	幅430x高さ108x奥行445mm
重量	約22kg
付属	電源コード オーディオ接続ケーブル 電源プラグ変換アダプター