オーディオの足跡

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TA-DA7000ESの画像
 解説 

HDAI端子を装備したフルデジタルアンプS-Master PRO採用AVアンプ。


パワーアンプ部に新開発の32ビットS-Master PROを7ch搭載しています。
TA-DA7000ESでは、演算精度をTA-DR1と同等の32ビットまで高精度化しており、従来は別の素子で構成していたDCフェーズリニアライザー回路をプロセッサー内部に同化しています。これにより高密度の処理が可能となり、より微細な再現力を高めています。

S-Masterでは、入力段に採用したサンプリングレートコンバーターによってデジタルオーディオ信号を受取、音質に有害なジッターを水晶発振器の精度まで低減しています。次にデジタルボリュームコントロール処理を行った上で、独自開発の高精度演算アルゴリズム(デジタル信号の量子化ノイズのスペクトラムを制御する技術)により、出力段を駆動する広大なダイナミックレンジを持つストリーム信号(信号をパルス幅や密度で表現したもの)を生成します。そして最後に、高速かつ極めて高い時間軸精度のストリーム信号で安定化した電源電圧をスイッチングする事によって電力増幅を行います。
このS-Masterでは高い時間軸精度を持った信号を生成できるため、フィードバック制御などを行う必要が無く、全てのステージをデジタル処理で構成する事ができています。また、S-Masterはパルスの疎密で波形を作るため、アナログアンプで発生すゼロクロス歪が原理的に発生しません。また、電力効率が90%以上と高く、出力段の発熱を小さく抑えています。

S-Master PROはS-masterをさらに高音質化したもので、パルスハイトボリュームとDCフェーズリニアライザー技術を投入する事でディテール再現力と、従来からのアナログアンプとの音質の統一感を得ています。
また、使用パーツにもトロイダルコアのローパスフィルターを用いるなど、プロと呼ぶにふさわしい構成としています。

パルスハイトボリュームはデジタルアンプでの新しい音量調節技術として開発されたものです。この方式はパルスの高さを増減させて音量を調節する方法で、音量を半分に絞る場合はパルスの高さを半分にしています。デジタル領域でデータやパルスの構成を一切操作しないので情報の消失が起きず、-50dB付近の小音量から大音量レベルまでの広い音量範囲で高音質を維持しています。

DCフェーズリニアライザーはアナログアンプの低音域を再現する技術です。
アナログアンプでは低域で位相が回転しており、一般的には数10Hzより下の帯域で位相が進んでいます。これに対してデジタルアンプでは位相回転が起きず、低域でもフラットな特性を維持しています。
スピーカーは位相回転を前提にチューニングされているため、フラットな特性のデジタルアンプで増幅した音は低域ではアナログアンプと異なるものになりがちです。DCフェーズリニアライザーではここに着目し、アナログアンプ特有の位相回転をデジタル技術で再現しており、アナログアンプのような低音感を得ています。


SCD-DR1やSCD-XA9000ESのi.LINKデジタル出力に対応したi.LINKデジタル入力端子を2系統装備しています。
SACDのDSDデータとCDのPCMデータのオーディオ信号に対応しています。また、TA-DA7000ESではこの端子を映像系の入力としても割り当てる事が可能です。

9.1chサラウンドシステムを搭載しています。
この方式はハリウッドのダビングシアターで実際に行われているスピーカー配置を家庭で再現するための技術です。
9.1chサラウンドシステムでは、アンプのスピーカーA+B系統セレクターを活用しており、A系統単独では7.1chサラウンドとして、B系統単独では5.1chサラウンドとして機能させると共に、A+B系統を選択した時にはA/Bそれぞれの系統に接続した側方のサラウンドスピーカーがグループとなって動作するよう結線されます。この際にアンプの出力も2個のスピーカーが鳴った時に1個の時と同じ音圧になるように自動調整します。
これにより側方に実スピーカーが2個配置され、フロントと側方、側方と後方の音のつながりを自然なものとしています。また、適切な音像感が得られるサラウンドのサービスエリアが広いという特長も持っています。
この方式は合計6本のサラウンドスピーカーを使用する方式ですが、スピーカー1本あたりの負担を軽減するため、比較的小型のスピーカーを使用しても効果が得られます。

DVIをベースにAVに特化したHDMI端子を入力に2系統、出力に1系統装備しています。
入力2系統は好きなビデオ入力に割当が可能です。

ドルビーデジタルやDTSに加え、DTS 96/24、ドルビープロロジックIIxなどの当時最新のフォーマットにも対応しています。
さらに、CDやビデオなどの2chソフトを5.1chで楽しめるドルビープロロジックIIデコーダーと、BSデジタル放送の5.1ch音声を楽しめるMPEG-2 AACデコーダーも搭載しています。

A/Vシンク機能(リップシンク機能)を搭載しており、映像と音声のタイミングズレを解消しています。
調整は最大200ミリ秒(0.2秒)までの範囲で行えます。

ビデオアップコンバーターを搭載しています。
コンポジット信号はS映像信号およびコンポーネント信号に変換して出力する事が可能です。また、S映像信号をコンポーネント信号に変換する事も可能です。

独立D端子を装備しています。
コンポーネント出力のピンジャック端子をD端子とは内部で電気的に独立して装備しています。これによりコンポーネント端子にはプロジェクター、D端子にはテレビといった接続が可能です。
D端子は525i/525p/1125i/750p信号が扱えるD4規格に対応しています。

電源部には余裕のある電力供給が可能な大型のEIコアトランスを採用しています。
また、スピーカーターミナルには高級金メッキ端子を採用し、電源ケーブルにも高品質タイプを採用しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。
普段の操作が手軽に行えるようにコンパクトタイプの簡単リモコンも付属しています。

機種の定格
型式 AVアンプ
映像系機器(音声&映像)入力 5系統
映像系機器(音声&映像)出力 2系統
映像モニター出力 1系統
S映像入力 5系統
S映像出力 2系統
S映像モニター出力 1系統
コンポーネント映像入力 2系統
コンポーネント映像出力 1系統
D端子映像入力 2系統(D4)
D端子映像出力 1系統(D4)
HDMI入力 2系統
HDMI出力 1系統
i.LINK端子 2系統(IEEE1394準拠 4ピンコネクター S200)
デジタル入力 光:5系統
同軸:3系統
デジタル出力 光:1系統
オーディオ入力 Phono MM:1系統
Line:4系統
7.1ch入力:1系統
オーディオ出力 Rec out:2系統
フロントL/R:1系統
センター:1系統
サラウンドL/R:1系統
サラウンドバック:1系統(L/R)
サブウーファー:1系統
ヘッドホン:1系統
実効最大出力(4Ω/8Ω、JEITA) フロント:150W+150W
センター:150W
サラウンド:150W+150W
サラウンドバック:150W+150W
定格出力(4Ω/8Ω、20Hz~20kHz) フロント:120W+120W
センター:120W
サラウンド:120W+120W
サラウンドバック:120W+120W/td>
スピーカー適合インピーダンス 4Ωまたはそれ以上
全高調波歪率 フロント:0.15%以下(4Ω/8Ω負荷、120W+120W、20Hz~20kHz)
周波数特性 アンプ・ブロック部:10Hz~50kHz ±3dB
SN比(Aネットワーク) Line系:100dB(サラウンド、EQ全てoff)
対応フォーマット ドルビーデジタル
ドルビーデジタルEX
DTS
DTS-ES マトリックス6.1
DTS-ES ディスクリート6.1
DTS 96/24
MPEG-2 AAC
ドルビープロロジック
ドルビープロロジックII
ドルビープロロジックIIx
DTS NEO:6
サラウンドモード ノーマルサラウンド
シネマスタジオEX A/B/C
ヘッドホンシアター
バーチャルマルチディメンジョン
デジタルコンサートホールA/B
ジャズクラブ
ライブコンサート(ライブハウス)
チャーチ
スタジアム
スポーツ
トーンコントロール フロントBass:±10dB(500Hz)
フロントTreble:±10dB(2.2kHz)
センター:Bass/Mid(100/300/1k/3k/10k)/Treble
サラウンド:Bass/Treble
ACアウトレット 連動2系統
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 200W
1W(待機時)
外形寸法 幅430x高さ174x奥行475mm
重量 約23.5kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-PG7J
かんたんリモコン RM-U7S