
SONY STR-V555ES
¥138,000(2000年10月10日発売)
解説
バーチャルマトリックス6.1モードやデジタルコンサートホールモードなどのモードに対応したESシリーズのAVアンプ。
映画館用の新しいサラウンド規格である6.1ch方式に対応したバーチャルマトリックス6.1モードを搭載しています。
このモードでは、これまで2チャンネルだったリアチャンネルをレフト、センター、ライトの3チャンネルに分けることで後部の音像定位を明確化しています。
バーチャルマトリックス6.1モードには、シネマスタジオEXモードに含まれているシネマスタジオ・リバーブレーション(B)、バーチャル・マルチディメンション、スクリーン・デプス・マッチングが盛り込まれています。さらに、既に5.1チャンネルでサラウンド環境を揃えている場合を考慮し、リアセンタースピーカーを仮想スピーカーで実現しています。
CDなどの2チャンネルのステレオソースをコンサートホール感覚で楽しむため、デジタルコンサートホールモードを搭載しています。
通常、コンサートの収録はステージの近くで行われることが一般的なためソフト自体には観客席で体感する残響は含まれておらず、ソフトをそのまま再生しても会場に居るライブ感が得られません。デジタルコンサートホールモードではソフトに含まれていない観客席で聴く残響をDSP技術で作り出し、ステージと観客席がいったいとなったライブの迫力を再現しています。
デジタルコンサートホールモードはアムステルダムのコンセルトヘボウホールとウィーンのムジークフェラインザールの音響特性を綿密に測定してDSPに組み込んでいます。また、観客席に上空から降り注ぐ残響音についてはバーチャル3D技術を使って仮想スピーカーで再現しています。
Aモードはコンセルトヘボウホールを再現しており、初期反射音が豊かで、ステージがとても大きく、ホール内の高さも高く感じられる音場感が楽しめます。また、Bモードはムジークフェラインザールを再現しており、初期反射音が目立たない豊かな残響が楽しめます。どちらのモードでも生成する残響の量を選択できるようスタンダードを中心にドライ(残響少)とウェット(残響多)の3ポジションを設けているほか、全体の残響量を調整することもできます。
シネマスタジオEXモードを搭載しています。
このモードはシネマスタジオ・リバーブレーション、バーチャル・(セミ)・マルチディメンションモード、スクリーン・デプス・マッチングを統合した方式で、ハリウッドで実際に残響を測定したミキシングスタジオの特性に対応してA/B/Cの3モードが選択できます。
音声フォーマットのデコードおよび音場処理部には3個のDSPを搭載しています。
ドルビーデジタルおよびDTSのデコードにはデコード用に特化した24ビットのデコード専用DSPを採用しています。そして、デジタルシネマサウンドの演算処理にはソニーが音場処理用に開発した32ビットDSPを2個使用しています。
6チャンネル分が完全独立したD/Aコンバーターと、アナログ入力をデジタルシネマサウンド処理するために2チャンネルのA/Dコンバーターを搭載しています。
A/Dコンバーターは20ビットの分解能を持たせています。また、D/Aコンバーターは全チャンネルで96kHz/24bビットに対応しています。
アンプ部にはダイナミック5アンプシステムを採用しており、各チャンネルのアンプに同一のパワートランジスタを採用しています。このトランジスタには温度補償回路を内蔵しており、電源ON直後のトランジスタが冷めた状態でも、しばらく通電して暖まった状態でも安定した動作が可能です。
アナログダイレクト機能を搭載しています。
この機能をONにするとビデオ系回路とデジタル系回路の電源部を状況に応じて停止させることができ、アナログソースを楽しむのに有害なノイズを低減できます。
SACDなどの次世代オーディオフォーマットに対応するため、周波数特性を100kHzまで拡大しています。
5.1チャンネル入力端子を搭載しています。
この端子は3-1方式ステレオの入力端子としても使用できます。
コンポーネント映像入出力端子を搭載しています。
ヒートシンクにはsfヒートシンクを採用しています。
このヒートシンクではフィンの共振を抑えるため、振動分散型フィン構造を採用しており、フィンの1つひとつに一の異なるリブを入れることで音叉共振を防ぐと共に分割振動を抑えています。
さらに、パワーアンプブロックは一対のsfヒートシンクの間に配置する水平対向コンストラクションを採用しており、5チャンネル分のアンプを均一な環境とすることで安定した動作を確保しています。
電源部にはラップ詰めコアを採用した大型電源トランスを搭載しています。
通常のEIコアトランスはE形とI形の磁性鋼板をそれぞれ個別に積層したあとに合体してコアを形成していますが、ラップ詰め構造ではE形の上にI形と交互に積み重ねて形成しています。これにより磁路に断層的に切れている部分がなくなり、磁束の漏れを大幅に低減しています。
また、トランスの巻線の中から中間位の電圧を取り出す手法としてピンタイプを採用しています。この大きさのトランスはリード線を巻線の中に差し込んで接続するリードタイプが一般的ですが、リードタイプは接続部の膨らみによる巻き乱れが生じます。ピンタイプは巻線を直接端子に導くため巻き乱れが無く、高音質化につながっています。
脚部には偏心インシュレーターを採用しています。
このインシュレーターはセンタ一を避けてビス穴を設けることで伝わる振動の位相を変えて打ち消しています。
ディスプレイ部には新開発のドライバー部一体設計を採用しており、2行表示のFL管を採用しています。
ドライバー部を一体設計のLSIとして管内部に組み込むことで、アナログ回路などの外部に点灯ノイズを漏らしにくくなっています。さらに、2行表示としたことで情報量も増えています。
オンスクリーン機能を搭載しています。
FM/AMチューナーを搭載しています。
学習機能と液晶表示機能を備えた双方向ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | AVアンプ |
映像系機器(音声&映像)入力 | 4系統 |
映像系機器(音声&映像)出力 | 2系統 |
映像モニター出力 | 1系統 |
S映像入力 | 3系統 |
S映像出力 | 1系統 |
S映像モニター出力 | 1系統 |
コンポーネント入力 | 2系統 |
コンポーネント出力 | 1系統 |
デジタル入力 | 光:4系統 同軸:2系統 AC-3 RF:1系統 |
デジタル出力 | 光:1系統 |
オーディオ入力 | Phono MM:1系統 Line:3系統 5.1ch入力:1系統(3-1方式ステレオ兼用) |
オーディオ出力 | Rec out:2系統 フロントL/R:1系統 センター:1系統 リアL/R:1系統 サブウーファー:2系統 ヘッドホン:1系統 |
実用最大出力(EIAJ、6Ω) | フロント:150W+150W センター:150W リア:150W+150W |
全高調波歪率 | フロント:0.05%以下(6Ω負荷、100W+100W、20Hz~20kHz) |
周波数特性 | Line:10Hz~100kHz +0.5 -3dB(サラウンド、EQ全てoff) |
SN比(Aネットワーク) | Line:96dB(サラウンド、EQ全てoff) |
サラウンドモード数 | ノーマルサラウンド バーチャルマトリックス6.1 シネマスタジオEX A/B/C セミシネマスタジオEX A/B/C ナイトシアター モノムービー ステレオムービー ヘッドホンシアター バーチャルマルチリア バーチャルマルチディメンション バーチャル・エンハンスド・サラウンドA/B デジタルコンサートホールA/B スモールホール オペラハウス ジャズクラブ ディスコクラブ ライブハウス チャーチ アリーナ スタジアム ゲーム |
ドルビープロロジックインプットバランス | オート |
トーンコントロール | フロント、センター、リア独立 Bass:±10dB(中心周波数:99Hz~1kHz) Mid:±10dB(中心周波数:198Hz~10kHz) Treble:±10dB(中心周波数:1.0kHz~10kHz) 増減ステップ:1dB |
チューナー受信周波数 | FM:76~90MHz AM:531~1,602kHz |
チューナー端子 | FM:75Ω不平衡型 AM:外部アンテナ端子 |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 350W |
外形寸法 | 幅430x高さ173x奥行405mm |
重量 | 約17.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RM-LJ304 |