Sonus faber EXTREMA
¥800,000(1台、1991年10月発売)
解説
ダイナミクスの極大化と歪の極小化へ向け開発された小型2ウェイスピーカーシステム。背面にパッシブラジエーターを搭載し低域レスポンスを拡充しています。
名前はラテン語で「極点」という意味で名づけられています。
低域には19cm口径のポリプロピレン・コーン型ユニットを採用しています。
60時間に及ぶノンストップテストを経てマウントされており、75mmのボイスコイルを採用することで、耐入力を改善しています。
振動板にはカーボニウム・アクリレートをコーティングし、不要共振を押さえ込みつつ減衰特性を整えています。
高域には2.8cm口径のソフトドーム型ユニットを採用しています。
パッシブラジエーターは、ターミナル横のノブにより45Hz中心に5段階のダンピング特性調整が可能で、部屋の後壁から影響を抑える無共振反射板の装備とあいまって、リスニングルームの特性に合わせた最適のレスポンスを得ることができます。
ネットワークはクロスオーバー周波数を2kHzとし、6dB/octのなだらかなカーブでつないでいます。
また、トゥイーターのコイルがコンデンサと直列に配される一般的なRC設計の場合、直列共振によるオーディオ帯域への影響や充・放電によるトランジェントの遅れ、さらには低域ダンピングファクターの悪化といった音質劣化要素が起こることに着目し、音楽信号と直列するキャパシターを排し、アッテネーター抵抗によるRLハイパスフィルターとした独自のSINE
CAP構成を開発・採用しています。
さらに、回路の過熱による信号の鈍りを抑えるためにヒートシンクを追加しています。
入力端子はバイワイヤリングやバナナプラグに対応した端子を採用しています。
エンクロージャーは、7枚のブラックサテン・ラッカー仕上げ材を縦方向に組み、これを2枚のウォールナット・ムク材で両サイドからはさんだ、特許多層サンドイッチ構造となっています。
これにより木材の持つ響きを生かしながら、剛性も持ち、不要共振を吸収・分散させています。
また、フロントバッフル面に本革を貼る事で、ユニット付近における不要輻射を防止し、さらにわずかな傾斜を持たせることで前後を非平行とし、キャビネット内部の定在波を低減しています。
ユニットは可能な限り隣接させてポイントソース化を図った配置となっています。
付属の専用スピーカースタンドにより、外来振動を遮断し、本体の延長部として低域の明瞭感向上に貢献しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・パッシブラジエーター方式 ・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:19cmコーン型 高域用:2.8cmドーム型 その他:パッシブラジエーター |
耐入力 | 通常:350W |
出力音圧レベル | 88dB(2.83V RMS、1W、1m) |
インピーダンス | 4Ω |
クロスオーバー周波数 | 2000Hz(6dB/oct、SINE CAP1次フィルター仕様) |
外形寸法 | 本体:幅270x高さ460x奥行550mm スタンド:幅290x高さ580x奥行410mm |
重量 | 本体:40kg スタンド:49kg |
付属 | 専用スピーカースタンド |