
SME 3009/Series III
¥75,000(1979年頃)
解説
超軽量・ハイコンプライアンスカートリッジに対応した高感度トーンアーム。
シェルとパイプアームを一体化したSME独自のキャリングアーム方式によって有害振動の減衰を図っています。
パイプアームには極薄チタニウムを使用しており、パイプの表面だけを窒素硬化処理で硬度を与え、さらに内部には繊維質のライニングを張ってカートリッジから伝わってくる微振動を自然に減衰させています。
また、メインウェイトなどの重量を必要とする部品には100トンプレスで加工されたカーボンファイバーを使用することで、一層の高感度と慣性モーメントの低下を図っています。
シェル部にはカーボンファイバーを採用しています。
SMEの代表的な技術であるナイフエッジ部にはカーボンファイバーを採用しています。
さらに、ナイフエッジをヘッドシェル方向に対して直角に配置させることで、エッジの先端位置を標準的なカートリッジのスタイラスと同じ高さにそろえ、メインウェイトをパイプアームの高さより下に配置しています。この新しい支点配置によってナイフエッジの摩擦抵抗をゼロに近づけることに成功しています。
また、この構造はアームの浮き上り現象に対しても有効な働きを示しています。
カートリッジ実装時でのピックアップ系全体の低域共振・機械振動を低減する独自のフルイドダンパーを装備しています。
このダンパーにはオイルダンプ方式を採用しており、シリコン液の流動特性を利用することで、わずかな共振でありながら低域に重大な影響を及ぼす低域共振を低減しています。
機種の定格
型式 | トーンアーム |
※仕様内の(L)(H)(T)(D)(R)(C)の位置は上の画像を参考 | |
実効長 | 229.0mm |
スライドベース中心からターンテーブル中心まで(L) | 215.9mm |
スライドベース移動範囲 | ±12.7mm |
取付面からアーム最後部までの高さ調整範囲(H) | 最高:82.6mm 最低:60.3mm |
取付面からターンテーブル上面までの高さ調整範囲(T) | 最高:41.3mm 最低:25.4mm |
取付面から下方に必要な深さ(D) | 47.6mm |
バランスウェイトの移動のために必要な後方間隔(R) | 63.5mm |
ターンテーブル上面からダストカバー内側までの間隔(C) | 44.5mm |
別売 | キャリングアーム CA1(¥12,000) |