SME 3009/3012 seriesII
3009seriesII:¥32,500(1960年代中期頃)
3012seriesII:¥34,000(1960年代中期頃)
解説
3009/3012の改良型にあたるトーンアーム。
3009seriesIIは軽いためハイコンプライアンスカートリッジに適しています。また、3012seriesIIは新たに改良されたダイナミックダンピングシステム(振幅を減少させるシステム)によって実効質量を低下させています。
両機種とも楕円スタイラスカートリッジを使う時にトラッキングエラーが低くなるという特徴を持っています。
埃が入るのを防ぐように作られた高精度ボールベアリングを採用することで極めて低い軸受摩擦を実現しています。
トーンアームはナイフエッジベアリングで支えられています。スタイラス位置における動作抵抗は0.020グラムで、アームはこれ以上の負荷によって作動します。
ベアリングの調節は不要です。
インサイドフォースキャンセラーを搭載しています。
自重3~20グラムのカートリッジが使用でき、カートリッジ自体の針先が正面より見て垂直ではない場合は、アームのシェルロック部をねじることにより補正できます。
コネクティングリードは1フィートにつき27pFとなっています。
アーム側へは5ピンのソケットで固定しており、さらに誘導ハムを防ぐためシールドカバーを装備しています。また、出力端にはSMEフォノプラグを採用しています。
シェルは軽量化を狙った穴あきタイプとなっており、ピンジャックとフィンガーリフトを含めてわずか6グラムしかなく、アーム実効質量の軽減とともにカートリッジのコンプライアンスへの負担を低減しています。
アーム質量およびスタイラスコンプライアンス共振のdynamic damping(振幅の減少)は、アームを2分割し、新たに改良されたelastic
couplingで結合することによって得られます。このシステムは周波数ランブルを防ぐのにも役立っています。
別売でターンテーブルの高さに合わせた2種類の専用スペーサーがありました。
このスペーサーは黒つや消し仕上げが施されています。
機種の定格
型式 | トーンアーム |
実効長 | 3009seriesII:229mm 3012seriesII:305mm |
高さ調整 | 19mm |
トラッキング調整 | 13mm |
別売 | ヘッドシェル S-2(¥2,500) フォノプラグ(¥300) スペーサー(12mm厚、¥600) |