OTTO/SANYO FMT-V3
¥43,000(1978年頃)
解説
DCA-V3との組み合わせを想定し、三洋の半導体技術を用いて開発されたFM/AMチューナー。
周波数を直読できるデジタルカウンタ方式を採用しています。
3000以上の素子を集積したプリスケーラICとカウンタICによってフロントエンドから信号を計数してディスプレイしています。FMは3桁精度で100kHzまで、AMは4桁表示で1kHzまでとなっています。
これによりアナログ式ダイアルスケールに見られた受信周波数と表示周波数との誤差やズレを排除し、あいまいな同調感覚を追放しています。
シグナルメーターは5点LEDインジケーターを採用しています。メーターはダイアル操作で電波が強くなるに従って赤から緑1-緑2…と順に点灯します。
チューニングメーターは同調点に近づくに従って赤1-赤2と点灯し、最良の音が得られる正確な同調点で中央の緑LEDが点灯します。
フロントエンド部には周波数直線型3連バリコンと、高周波特性に優れた低ノイズのデュアルゲートFETを採用しています。
IF段には妨害排除特性に優れた2素子セラミックフィルターを2段で使用しており、さらにリミッター効果の高いオリジナルの4段差動増幅ICを8段で使用する構成となっています。
330HzRecキャリブレーターを内蔵しています。
選局時の局間ノイズをカットするFMミューティング回路を搭載しています。
弱い電波やステレオ受信時の高域ノイズを減衰させるハイブレンドスイッチを搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
アンテナインピーダンス | 300Ω平衡、75Ω不平衡 |
感度 | 1.7μV(IHF) |
S/N50dBクワイティング感度 | mono:2.5μV stereo:35μV |
S/N(100%変調、1mV入力) | mono:75dB stereo:70dB |
歪率 | mono:0.15%(100Hz) 0.1%(1kHz) 0.2%(6kHz) stereo:0.2%(100Hz) 0.2%(1kHz) 0.3%(6kHz) |
AM抑圧比 | 60dB |
スプリアス | 100dB |
イメージ比(83MHz) | 90dB |
IF妨害比(83MHz) | 100dB |
選択度(IHF) | 80dB |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
ステレオセパレーション | 40dB(100Hz) 50dB(1kHz) 40dB/15dB(10kHz、ハイブレンドon/off) |
キャリアリーケージ | 70dB |
周波数特性 | 20Hz~15kHz ±0.5dB |
ステレオランプ感度 | 5.0μV |
ミューティング動作レベル | 5.0μV |
FM出力(400Hz、100%変調) | 800mV |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 515kHz~1700kHz |
感度 | 300μV/m(S/N20dB、バーアンテナ) |
S/N(100mV入力) | 50dB |
イメージ比 | 50dB |
IFリジェクション | 45dB |
選択度 | 40dB |
周波数特性 | 20Hz~15kHz -3dB |
歪率 | 0.3% |
AM出力(400Hz、30%変調) | 300mV |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 12W |
外形寸法 | 幅440x高さ89.5x奥行370mm(アンテナ最大長時) |
重量 | 5.2kg |