OTTO SX-P3
¥55,000(1台、1978年発売)
解説
ポーラスメタルコーンによって全帯域オールメタルを実現したスピーカーシステム。
低域には新開発のポーラスメタルコーンを用いた30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
ポーラスメタルコーンはOTTOが5年有余の歳月をかけて開発した世界初の振動板で、ニッケル素材を発泡状にした上で20μのアルミ箔を内側に接着することで、同じ面密度の24倍以上に達する優れた高剛性を実現し、かつウーファー振動板として必要十分な2.4km/secの音速を実現しています。さらに、発泡化されていることで適度なロスを持っているため、通常の紙コーン並の20~22という十分に低いQ値を実現しています。これによりウーファーの使用帯域を超える1kHzでも分割振動の殆どないピストン運動を実現しています。
振動板の形状は開口角115゜の振動の明確なコニカルタイプを採用しており、磁気回路には低歪率化を計った高磁束密度の大型フェライトマグネットを採用しています。
高域には3.0cmハードドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板はピュアアルミをベースに両面を50%アルミナ化した30μ厚の3層構造のものを採用しており、剛性が高く、必要帯域を十分にピストン運動でカバーしています。
ネットワーク部は発泡金属ウーファーが高域まで充分なピストン運動をする点を生かした設計となっています。さらに、中高域の聴感上の改善のためにネットワークのフィルタコンデンサにフィルムコンデンサをパラレルに使用し、出来うる限り容量誤差を防いだ回路を採用しています。
高域用にレベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
板材には20mm厚の高密度パーチクルボードを採用しており、外観の仕上げはブビンガ材が使用されています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 高域用:3.0cmドーム型 |
インピーダンス | 6Ω |
定格許容入力 | 50W 100W(ピーク時) |
出力音圧レベル | 92dB/W/m |
周波数特性 | 40Hz~20kHz |
クロスオーバー周波数 | 2.5kHz |
レベルコントロール | High:+3dB~-∞ |
内容積 | 48リットル |
外形寸法 | 幅380x高さ594x奥行328mm |
重量 | 18.6kg |