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OTTO/SANYO SX-707
¥28,000(1台、1972年頃)
解説
WDシリーズのブックシェルフ型スピーカーシステム。
WDはWide Disectionの略で、4チャンネルなどの音場再生のために音楽性と指向性を追求して開発されました。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には新しいコーン紙を採用しています。従来のコーン紙ではクラフトパルプを原料としたKPコーンが使用されていましたが、このKPコーンに特殊繊維を混合する事で、適度な剛性と内部損失を実現し、特性を改善しています。また、スピーカーのQ(共振度)は0.2と低くなっており、自然な低音再生を可能にしています。
エッジ部には合成ゴムNBRエッジを採用しています。このエッジは従来のクロスエッジに比べて温度や湿度による周波数特性の変化を抑えると共に、制動力が優れダンピングが良い点やエッジ部から音が再生されない事で周波数特性の暴れを抑えるなどの特長を持っています。
ボイスコイルには4層巻ロングボイスコイルを採用しており、大きな駆動力を得ています。また、エポキシ系接着剤で固定する事で大入力への耐久性を高めています。
中域にはドーム型スコーカーを搭載しています。
振動板には特殊コーン紙を用いたダイアフラムを採用しており、自然な音を実現しています。また、磁気回路には90φx60φx15mmのフェライトマグネットを採用しています。
高域にはドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板にはフェノール樹脂を含浸した布製ダイアフラムを採用しています。
ネットワーク部にはLC型ネットワークを採用しています。
フェライトコアコイルを採用する事でネットワークの直流抵抗を空芯コイルの半分以下に抑えています。
中域と高域用にレベルコントロールを装備しています。
エンクロージャーには密閉型とバスレフ型の両方の特長を持つプレッシャーバランス方式を採用しています。
外観はウォルナットのオープンポア仕上げが施されています。
通常の入力端子だけでなく、マルチアンプ用の接続端子も装備しています。
マルチアンプ用接続端子は切換スイッチで2チャンネル、3チャンネルのどちらにも対応しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・プレッシャーバランス方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型 中域用:ドーム型 高域用:ドーム型 |
周波数特性 | 40Hz~20kHz |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 91dB |
最大入力 | フルレンジ入力時:40W 3ウェイマルチアンプ入力時(18dB/oct、12dB/oct) ウーファー:40W スコーカー:40W ツィーター:40W 2ウェイマルチアンプ入力時(6dB/oct) ウーファー:40W スコーカー:20W ツィーター:20W ※マルチアンプは別途クロスオーバーネットワークを使用して下さい。 |
クロスオーバー周波数 | フルレンジ:1.5kHz、5kHz、12dB/oct、LC型 2ウェイ:1kHz~1.5kHz 3ウェイ:1kHz~1.5kHz、5kHz~7kHz |
レベルコントロール | 中域/高域用:±3dB |
外形寸法 | 幅340x高さ620x奥行300mm |
重量 | 15.5kg |