OTTO/SANYO SX-551
¥44,800(1台、1976年頃)
解説
クルトミューラー社の振動板を採用したスピーカーシステム。
低域には25cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板はクルトミューラー社にオーダーしたもので、北欧産の針葉樹パルプ紙を柔らかく厚手に抄造したものを採用しています。また、ボイスコイルに4層巻きのもを用いることでウーファーの高域端での共振抑制と耐入力特性改善を実現しています。
中域には3.9cmソフトドーム型スコーカーを搭載しています。
振動板は曲率半径21mmとなっており、素材には動物性ファイバーと植物性ファイバーを混紡してドーム専用に織り上げ、エッジごと一体成型しています。さらに表面には4層の塗布剤を施すことで歪率やトランジェントの改善を図っています。
高域には2.7cmソフトドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板の曲率半径は14.95mmで、ポールピース先端形状をダイアフラムと同形とすることでダイアフラム全面の空気負荷を均一化し、トランジェントや指向性の改善を図っています。
ネットワーク部では低歪率化とトランジェント劣化防止を図っています。
チョークコイルには低域用にE型オリエントコア、中高域用に空芯を使用しており、さらにコンデンサーには対周波数的にリニアな無極性電解コンデンサーを使用しています。
中域と高域用に連続可変式のレベルコントロールを搭載しています。
このレベルコントロールでは-∞まで絞込みが可能です。
エンクロージャーには密閉方式を採用しています。
素材には高密度パーティクルボードを使用しており、内部は音響抵抗デバイスを設けたボードで二分割することでウーファーに充分な制動をかけるとともに等価的に30%の容量増加を実現しています。これによりfo、Qoを引き下げ、低域再生端拡大を図っています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型 中域用:3.9cmドーム型 高域用:2.7cmドーム型 |
インピーダンス | 8Ω |
最大許容入力 | 60W |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
最低共振周波数 | 47Hz |
周波数特性 | 40Hz~20kHz |
クロスオーバー周波数 | 850Hz、6kHz |
ネットワーク | 3ウェイ、12dB/oct |
レベルコントロール | 中域:+2dB~-∞、連続可変式 高域:+2dB~-∞、連続可変式 |
エンクロージャー材質 | 高密度パーチクルボード |
エンクロージャー仕上げ | ブビンガ突き板オープンポーラス |
外形寸法 | 幅340x高さ620x奥行300mm |
重量 | 18.6kg |