解説　

クォーツPLLシンセサイザー方式を採用したFM/AMチューナー。

クォーツPLLデジタルシンセサイザー方式を採用しています。
この方式では、フロントエンドに内蔵された局部発振回路からの周波数と、シンセサイザー部の正確な基準発信周波数を位相比較し、誤差が生じた際には瞬時に修正しています。これにより温度や湿度変化などによる周波数変動の無い安定してクリアな受信を可能にしています。

サンスイ独自のピュア・アクティブドライブ・ループを採用しています。
このシステムはフロントエンドとPLLシンセサイザーシステムに徹底したアプローチを加えたもので、高速ダイオードや独立安定化電源駆動による高SN比DCアンプによってフロントエンドの応答性の速さを追い込み、さらにフリケンシーコントロール・インピーダンス電圧給電駆動によるバリキャップなどによってオーディオ特性を向上しています。

フロントエンド部は高感度受信と隣接局のイメージ妨害排除を追求しています。また、IF段では素材を吟味することで高選択度と低歪の両立を図っています。

アンプ部にはハイスルーレイトDCアンプとパイロットキャンセル回路を採用しています。

ダイレクトセット機能を搭載しており、プリセットボタンを用いて周波数を直接数字で打ち込むことができます。

AM/FMを自由にメモリーできる10局ランダムプリセット・チューニング機能を搭載しています。

2パターンのチューニングが可能です。
UP/DOWNのスイッチを強く押すとオートチューニングとなります。このモードでは放送局をとらえると速やかにサーチをストップし、そのまま押し続けると再び選局を始めます。
UP/DOWNのスイッチを軽く押すとマニュアルチューニングとなります。このモードではFM100kHzステップ、AM1kHzステップで周波数をアップダウンし、放送局をキャッチするとサーチLEDが消えて知らせます。

ラストワンメモリーを搭載しており、電源スイッチを切る前に最後に同調していた放送局を記憶させることができます。

メモリーバックアップ機能を搭載しており、電源コードを抜いた時もバックアップ電源によってメモリー内容が長時間保護されます。

FMマルチパス・インジケーターを搭載しています。

FMノイズキャンセラーを搭載しています。

キャリブレーション発振器を搭載しています。

電源部にはファーストリカバリー高速ダイオードを採用しています。

75ΩF型同軸用アンテナと300Ω真鍮製アンテナの2系統の入力端子を搭載しています。

AMチューナー部の音質も重視し、アンテナにはノイズに強い高感度AMループアンテナを採用しています。

ブラックとシルバーの2色のカラーバリエーションがありました。

機種の定格

型式	FM/AMチューナー
<FMチューナー部>
受信周波数	76.0MHz～90.0MHz(100kHzステップ)
実用感度(IHF)	mono:10.5dB(旧IHF、1.8μV)
50dBクワイティング感度(IHF)	stereo:36.0dBf
SN比	mono:85dB以上 stereo:80dB以上
周波数特性(stereo)	30Hz～18kHz +0.3 -0.8dB
歪率(IHF、65dBf)	mono: 0.06%以下(100Hz) 0.06%以下(1kHz) 0.06%以下(6kHz) stereo: 0.07%以下(100Hz) 0.07%以下(1kHz) 0.07%以下(6kHz)
キャプチャーレシオ	1.0dB以下
選択度(IHF)	60dB以上(400kHz)
スプリアスレスポンス比(IHF)	80dB以上(83MHz)
イメージレスポンス比(IHF)	70dB(83MHz)
IFレスポンス比(IHF、平衡)	80dB以上(83MHz)
RF相互変調(IHF)	65dB(83MHz)
AM抑圧比(IHF)	55dB以上
ステレオセパレーション	40dB以上(100Hz) 52dB以上(1kHz) 42dB以上(10kHz)
アンテナ入力インピーダンス	300Ω平衡 75Ω不平衡
<AMチューナー部>
受信周波数	531kHz～1602kHz(1kHzステップ、ロック時9kHz)
実用感度(IHF、バーアンテナ)	55dB/m(562μV/m)
選択度(±9kHz)	34dB以上
SN比	46dB以上(80dB/m)
歪率(30%変調、80dB/m)	0.5%以下
イメージレスポンス比(IHF)	45dB以上(1000kHz)
IFレスポンス比(IHF)	35dB以上(1000kHz)
<総合>
出力電圧/インピーダンス	0.5V/2.2kΩ
定格消費電力(電気用品取締法)	14W
外形寸法	幅460x高さ102x奥行310mm
重量	5.0kg