
SANSUI APS-1400
¥143,000(1台、1969年頃)
解説
アコースティックコントロールを搭載したセパレートステレオ。
アンプ部
部屋の音響特性に合わせて周波数特性を調整できるアコースティックコントロールを搭載しています。
この回路では、数多くの実測データに基づいて設定された5つの補償カーブが設けられており、リスニングルームの音響特性に合わせた調整が可能です。
アンプ部の回路構成にはコンプリメンタリー・ダーリントン回路のSEPP-OTL-ITL方式を採用しています。
オーディオ回路やチューナー部には特に選択されたトランジスタを採用しており、S/Nや安定度を向上させています。
FMフロントエンドに3連バリコンを採用しRF段にFETを用いることで、高感度を得るとともに妨害波排除能力を向上しています。また、AGC回路の採用によって強電界での選択度を向上しています。
さらに、4段IF増幅と3段リミッター回路によって十分なリミッター効果を得ており、特性改善を実現するとともに受信能力を向上しています。
純電子式のFMステレオ・モノ切替機能を搭載しており、FM-AUTOでは自動的にステレオ受信に切り替わります。また、パイロット信号によって微弱電解では自動的にモノラル受信するため、ノイズの多いステレオ受信を回避できます。
ステレオ受信時はステレオインジケーターが点灯します。
FMアンテナ入力切替スイッチを搭載しており、強電界地域でも歪の少ない受信を可能にしています。
スピーカーケーブルをFMアンテナ兼用とした設計を採用しており、電波の弱い地域以外ではFMアンテナの接続が不要となっています。
AMアンテナには高感度フェライトバーアンテナを採用しています。また、外部アンテナを使用できる設計となっています。
アルミニウム板のヒートシンカーによって放熱効果を高めています。
また、万一の場合でも考慮して速断ヒューズによるパワートランジスタ保護回路を搭載しています。
付属のスピーカー以外にもう一組のスピーカーが接続できるようエキストラスピーカー端子を搭載しています。
また、スピーカーセレクターによって出力するスピーカーを切換えできます。
ラウドネスコントロールを搭載しています。
DINコネクターやテープモニター回路、ヘッドホンジャックを搭載しています。
プレイヤー部
駆動方式にはダブルリム・ターンテーブルの内側リムをベルトで駆動するダイレクトドライブ方式となっており、ゴロやノイズを抑えて滑らかな回転を得ています。また、駆動モーターには新設計の大型コンデンサー起動4極ヒステリシス・シンクロナスモーターを採用しています。
電源OFFの状態ではスピード切替機構が自動的にインターロックされ、ベルトドライブ方式で問題となるベルトの変形を防いでいます。また、ベルトには精密グラインダー仕上げによって厚さムラを抑えたポリウレタンベルトを採用しています。
アーム部には針圧直読式のスタティックバランス型パイプアームを採用しています。
APS-1400ではインサイドフォースキャンセラーを搭載しています。
欧州規格のスペアシェルが付属しています。
このヘッドシェルには軽合金を使用しており、フチを下方へ曲げることで強度を高めています。
カートリッジには新設計のIM型カートリッジを採用しています。
このカートリッジには直線型の軽量カンチレバーを採用しており、可動部を軽量化することでハイコンプライアンスを実現しています。
スタートリフターを搭載しており、レバーを手前に倒せばオイルダンプ・アームエレベーションが働いて静かに動作を開始します。
この機構にはサンスイ独自の遅延動作型を採用しているため、急激な動作で乱暴にON/OFFすることがあっても不快な減少が怒りません。
静電防止剤の封入された特殊ラバーシートを装備しています。
APS-1400ではターンテーブル機構を取り付けてあるボードにダイキャスト製モーターボードを採用しており、振動を低減しています。
スピーカー部
スピーカー部は3ウェイ設計となっており、低域にはフリーエッジタイプの30cmコーン型ウーファー、中域には後面密閉型の12.5cmコーン型スコーカー、高域には5cmホーン型トゥイーターを搭載しています。
ネットワーク回路にはサンスイのトランス技術を生かした特殊設計のフェライトコアを使用しており、ダンピングファクターを改善しています。
エンクロージャーはパイプダクトによる特殊バスレフ方式となっています。また、内部には特殊フェルトの吸音材を使用するとともに補強板と共振防止アームをつけることで定在波を防いでいます。
素材にはチップボードを使用しており、外観は天然木ウォルナットを用いたオープンポア仕上げとなっています。また、前面グリルはサンスイ独特の組格子を採用しています。
その他
センターキャビネットはレコードケースとなっていますが、中断の板を外してテープデッキを入れることもできます。
また、テープデッキ台は前方に引き出すことが出来、テープ操作がしやすくなっています。
機種の定格
型式 | ステレオシステム | ||||
<アンプ部> | |||||
ミュージックパワー(IHF) | 46W±1dB | ||||
実効出力 | 15W+15W ±1dB | ||||
周波数特性(Aux) | 40Hz~50kHz ±3dB | ||||
ハム及び雑音(IHF) | Phono:50dB以上 Aux:60dB以上 |
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残留雑音 | 2mV以下 | ||||
チャンネルセパレーション(定格出力時) | Phono:45dB以上 Aux:45dB以上 |
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入力感度(定格出力時) | Phono:2mV ±3dB Aux:100mV ±3dB Tape Monitor:120mV ±3dB |
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録音出力 | 30mV ±3dB | ||||
イコライザー特性(Phono) | RIAA | ||||
ダンピングファクター | 20以上 | ||||
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
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ラウドネスコントロール(Vol-30dB) | +6dB(100Hz)、+3dB(10kHz) | ||||
ノイズフィルター | -10dB(10kHz) | ||||
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 66VA(最大入力信号時) | ||||
<FMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 76MHz~90MHz | ||||
受信感度 | 2.5μV±3dB(S/N比20dB) | ||||
全高調波歪率 | 1%以下 | ||||
S/N比 | 50dB以上 | ||||
MPXステレオセパレーション | 30dB以上 | ||||
<AMチューナー部> | |||||
受信周波数範囲 | 535kHz~1,605kHz | ||||
受信感度 | 25μV±3dB(S/N比20dB、1MHz) | ||||
<レコードプレイヤー部> | |||||
駆動方式 | ベルトドライブ方式 | ||||
ターンテーブル | 31cmアルミ合金ダイキャスト製、1.3kg | ||||
駆動モーター | コンデンサー起動4極ヒステリシスシンクロナスモーター | ||||
電源 | 100V、50Hz~60Hz | ||||
定格回転数 | 33・1/3rpm、45rpm | ||||
回転切替方式 | プッシュボタン式ベルト切替機構 | ||||
SN比 | 45dB以上 | ||||
ワウ・フラッター | 0.09%以下 | ||||
トーンアーム | スタティックバランス型パイプアーム インサイドフォースキャンセラー装備 |
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トラッキングエラー | ±1゜以下 | ||||
針圧 | 0~2.5g(0.5gステップで直読) | ||||
カートリッジ | IM型 | ||||
周波数特性 | 20Hz~20kHz | ||||
出力バランス | 1.5dB以内 | ||||
負荷抵抗 | 50kΩ | ||||
チャンネルセパレーション | 20dB以上(1kHz) | ||||
出力電圧 | 5mV | ||||
針圧 | 1.5g~2g | ||||
針先コンプライアンス | 17x10-6cm/dyne | ||||
針先 | 0.5milダイヤ針 | ||||
<スピーカー部> | |||||
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 | ||||
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:12.5cmコーン型 高域用:5cmホーン型 |
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周波数特性 | 30Hz~20kHz | ||||
インピーダンス | 8Ω | ||||
クロスオーバー周波数 | 1.5kHz、5kHz | ||||
<その他> | |||||
付属機構 |
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外形寸法 | 幅1,666x高さ722x奥行455mm センターキャビネット部:幅576mm スピーカー部:幅545mm |
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重量 | 82.5kg センターキャビネット部:32.5kg スピーカー部:25kg |