SANSUI SP-L100
¥34,000(1台、1977年頃)
解説
ワイドレンジ化や低歪化を図ったSP-Lシリーズのスピーカーシステム。
SP-L250、SP-L150と同一の設計がされており、ユニットサイズが小型化されています。
低域には20.5cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には針葉樹系の素材をベースにした新開発KM(クルトミューラー)社製のコーン紙を採用し、十分な剛性と適度な内部損失を実現しています。また、エッジは方向性がなく十分な内部損失を持つ発泡樹脂を熟成型したアップロールエッジを、また、ダンパーは通気性、弾力性が良いものを採用することで、安定した動作を実現しています。
ボイスコイルには超偏平のリボン線によるショーとボイスコイルを採用し、さらに耐熱特殊補強紙による強化ボビンに装着することで、高い精度と十分な強度を得ています。
磁気回路には大型フェライトマグネットを採用し、さらにセンターポールに銅キャップ(0.5mmL)を装着することで、ボイスコイル電流により発生する電流歪を減少しています。また、大入力時におけるプロテクター内部の音圧上昇はセンターポールに20φの小穴を空けることで対処しています。
フレームには厚手のダイキャストフレームを採用しています。
高域には5cmコーン型トゥイーターを搭載しています。
振動板部分はコーン紙とキャップを一体成型し、特殊溶液で含浸処理を施し、コーン紙の剛性強化を計っています。これにより安定動作と優れた高域特性を実現しています。
磁気回路には80φストロンチウムフェライトマグネットを使用しており、さらにマグネットの内側とセンターポールの空隙を極小とし、クロスオーバー周波数付近での歪率を低減しています。
ボイスコイルには16φの軽量・強化ボイスコイルを採用し、コイルボビンに耐熱処理を施した0.125mmt特殊強化ボビンを使用することで、追従性に優れた特性を得ています。
フレームにはダイキャストフレームを採用し、不要な共振を排除しています。
ネットワーク部は低歪率設計を重視しています。
コイルには線径を太くすることで直流抵抗を低くしたフェライトドラム型チョークコイルを採用し、コンデンサは、大容量電解コンデンサとマイラーコンデンサを合わせることで、ダンピングの向上と広範囲にわたる再生帯域での歪の低減、微少入力から大入力における歪の低減を計っています。
エンクロージャーはバッフル板に三層構造バーチクルボードを採用し、三方止め構造となっています。また、天地板、側板、後板にはさらに比重の大きなパーチクルボードを使用しています。
ダクトは角型折り曲げ方式を採用しています。
レベルコントロールを搭載しています。
機種の定格
型式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:20.5cmコーン型 高域用:5cmコーン型 |
最大許容入力 | 70W |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
周波数特性 | 35Hz~50kHz |
クロスオーバー周波数 | 1.5kHz |
ネットワーク | 2way、12dB/oct、LC型 |
レベルコントロール | 高域連続可変型 |
外形寸法 | 幅320x高さ560x奥行248mm |
重量 | 13.2kg |