SANSUI SP-G300
¥130,000(1台、1976年頃)
解説
幅広いダイナミックレンジを持つプログラムソースに対応するため、高能率と最大許容入力の改善を図ると共に新しい測定方法やコンピューター波形によって特性向上を図ったスピーカーシステム。
低域には30.5cmコーン型ウーファーを2個搭載しており、ダブルウーファー構成とすることで38cmウーファーを上回る低域輻射面積を得るとともに幅広い周波数特性を実現しています。
振動板には新開発のシームドコーンを採用しています。これは2種類のシート状の紙を接着剤で貼り合わせて切断したもので、剛性と適度な内部損失の両立を実現しています。エッジ部には発泡樹脂を熱成型したアップロール型エッジを採用しています。
ボイスコイルには耐熱処理が施された65mmφロングボイスコイルを採用しており、マグネットには156mmφのフェライトマグネットを採用しています。また、センターポールに銅キャップを装備しており、高域でのインピーダンス上昇を抑え、磁気歪を低減しています。
フレームにはアルミダイキャスト製フレームを採用しています。
高域には7cmホーン型ツィーターを搭載しています。
振動板には50μ厚の硬質ジュラルミンによる45mmφロールエッジ振動板を採用しています。この振動板は加工歪の少ない空気圧成型による新技術で設計されています。また、ボイスコイルには45mmφエッジワイズ巻銅皮膜アルミリボンボイスコイルを採用しており、磁気回路には120mmφのフェライトマグネットを採用しています。ウーファー同様にセンターポールに銅キャップを装備しており、電流歪を減少させています。
バックキャビティには吸音材を内蔵しており、共振を防止しています。
ホーン部はリアドライブ・多孔イコライザー構造のエクスポネンシャルホーンを採用しています。磁気回路の高磁束による制動と相まって超広域まで位相特性がよく音圧を一定に放射します。孔は19個設けられており、振動板に対する負荷が均一で過渡特性も向上しています。ホーン素材にはアルミ合金を採用しています。
ネットワーク部には大型のラミネートEIコアを使用しており、直流抵抗を下げると共に大入力時の歪を低く抑えています。また、コンデンサには大入力にも耐えられ特性の優れたMPコンデンサーを採用しています。
連続可変タイプの巻線型アッテネーターを装備しています。
ノーマルポジションを0dBとし、-8dB~+4dBの範囲で高域の調整が可能です。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
このエンクロージャーはコンピューター振動解析システムによって形状や材質、補強、接合構造が検討されており、共振モードを分散した構造としています。板材はフロントバッフルに振動減衰特性の良い米松合板を採用し、側板と裏板には音響用の高密度パーチクルボードを採用しています。また、接合部分には木工技術によるホゾ組やヤトイザネが施されており、さらに上下左右のコーナーにはウォルナット無垢材を使用しています。
外観はウォルナットのオイル仕上げが施されています。
通常の入力端子の他にマルチアンプ方式用の専用入力端子を装備しています。
ストッパー付きのキャスターを装備しており、移動や設置の際の負担を減らしています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
ユニット | 低域用:30.5cmコーン型x2 高域用:7cmホーン型 |
周波数特性 | 35Hz~20kHz |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 95dB/W/m |
最大許容入力 | 300W |
クロスオーバー周波数 | 1.5kHz |
ネットワーク回路 | 12dB/oct、LC並列型 |
外形寸法 | 幅460x高さ910x奥行392mm キャスター含む:高さ966mm |
重量 | 43.3kg |