
SANSUI SP-2002
¥29,500(1台、1969年頃)
解説
音楽性を重視し、特に中音域の豊かな再生に重点を置いて開発されたスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットには磁束密度12,000gaussの磁気回路を採用しています。また、ボイスコイルの口径や巻き幅、ヨークなどを幅広くとり、大振幅に耐える設計が施されています。
中域には16cmコーン型スコーカーと12cmコーン型スコーカーを搭載し、アコースティック・スタガリング方式としています。
この方式では同口径のユニットを使用した場合に発生する共振を防ぎ、素直な音色が得られます。
高域には2.5cmドーム型トゥイーターを2個搭載しています。
このユニットには軽金属振動板を採用することで軽量化と硬質化を図り、さらに大型フェライトマグネットによる強力な磁気回路を搭載することでドーム型の弱点である低能率化を克服しています。
ネットワークコイルにはサンスイのトランス技術を生かした12dB/oct型を使用しており、タップを切換える事によってレベルを変えるタップダウン方式が採用されています。このため、抵抗型アッテネーターなどによるダンピング特性の劣化がありません。
また、コイルにフェライトコアを用いることによってインダクタンスの不足を補うとともに直流抵抗を0.1Ω以下とし(抵抗式20~30Ω)過渡特性の向上を図っています。
アッテネーターは中域・高域各々単独に搭載しており、3dBステップで3ポジション切換が可能です。
マルチアンプ端子を搭載しており、2ウェイ・3ウェイのマルチアンプ再生が可能です。
エンクロージャーにはパイプダクトによるバスレフ方式を採用しています。さらにダクトを吸音材でダンプしています。また、エンクロージャー内の定在波を防ぐため、15mm厚の特殊吸音材を使用しています。
エンクロージャーの素材には25mm厚のチップボードを使用しています。
外観はウォルナット仕上げが施されており、前面には手作りの組子が装着されています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・5スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:16cmコーン型 12cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型x2 |
最大許容入力 | 50W |
インピーダンス | 8Ω |
周波数特性 | 35Hz~20kHz(無響室にて) |
音圧レベル | 100dB |
クロスオーバー周波数 | 600Hz、5kHz |
ネットワーク | 12dB/oct、並列型 |
外形寸法 | 幅381x高さ650x奥行323mm |
重量 | 21kg |