SANSUI SP-1005
¥32,900(1台、1972年頃)
解説
マルチ・ディレクション方式を採用したブックシェルフ型スピーカーシステム。
マルチ・ディレクション方式では、中・高音用スピーカー・ユニットの指向性を内側にクロスさせてリスニングエリアを広げると同時に、音の波と波との組み合わせを豊かにして音響的な干渉ジマを作り出し、生音場そのままの、自然な臨場感の再現を図っています。
低域には25cmのコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットには特殊プレスコーンを採用しており、コーンとボビンの間につけたメカニカル・フィルターの併用によってネットワークを通さなくても一定周波数で高域が急に減衰する特性を持たせています。これによりウーファーをネットワーク無しでアンプと直結できるため、特性の乱れなどを改善しています。
中域には凹型アルミ・ラジエーターを採用した10cmのコーン型スコーカーを2個搭載しています。
ボイスコイルには軽くて伝導率の良い、銅被膜アルミ線[CCAW]を採用しています。また、スクリーンプロテクターによって高域を拡散することでまろやかな音質を実現するとともに、背面に大型密閉カバーを取り付けることでウーファーとの背面干渉を抑えています。
カバーの内部にはアセテート吸音材が十分に入れられています。
高域には高開口率のショートホーンを装備した1.9cmドーム型トゥイーターを2種類搭載しています。
片方のトゥイーターには硬質アルミダイアフラムを採用し、もう片方にはメタライズド・マイラーダイアフラムを使用しています。これら2つの素材の硬度や質量の差が音質的に量感や立ち上がりの違いとなってあらわれることで、癖のを抑えた高音を再生します。
ネットワークにはE型フェライトコアを使用したコイルを採用し、歪や高域の損失、ダンピングファクターの減少を改善しています。
またレベルコントロールを搭載しており、中・高音をそれぞれ±3dBで3ステップ調節が可能です。
2ウェイ、3ウェイ用のECS用端子が付属しており、フルレンジl、2ウェイ、3ウェイが簡単に切り替えられます。安全回路を搭載しています。
エンクロージャーにはパイプダクトによるバスレフ方式を採用しています。また、ダクトの前面のパネルの角度を変化させることによって密閉、ダンプド・バスレフ、バスレフの3種類の方式が選択できます。
仕上げは、ウォルナットのオープンポア仕上げとなっています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・5スピーカー・可変バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:25cmコーン型 中域用:10cmコーン型x2 高域用:1.9cmアルミドーム型 1.9cmマイラードーム型 |
周波数特性 | 30Hz~20kHz 40Hz~20kHz(無響室) |
最大許容入力 | 40W |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 94dB/W/m(新JIS) |
クロスオーバー周波数 | 750Hz、6500Hz(12dB/oct) |
レベルコントロール | 中音域:3ステップ(+3dB、Flat、-3dB) 高音域:3ステップ(+3dB、Flat、-3dB) |
外形寸法 | 幅388x高さ604x奥行285mm |
重量 | 19.0kg |